『from HOUSE to HOUSE』 公演情報 『from HOUSE to HOUSE』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    正に身につまされる想いでした。静かに流れていく分、悲壮感が有りました。考えさせられました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「家の中」を舞台にした二作品の再演企画。『Deep in the woods』は昨年の上演を別の劇場で拝見していたので、今回は『I'll BE OKAY』を観劇。観劇後にはタイトルの意味が染みる。上演の特徴として、男女二人の出演者が全登場人物を演じ、特に中心的存在の男性「カキヤ」を二名が交互に演じること。演劇上演においてそれほど珍しいことではないものの、観客の想像力が介入する余地が生まれ、良い効果を生んでいました。

    ネタバレBOX

    酩酊し財布を失くしたカキヤ。そのことに気付いた朝、カキヤは自宅ではなく既婚者の友人宅にいた。その友人は一年程前から蒸発しており、カキヤは友人の妻・ミサキと奇妙な同居生活をしている。カキヤが財布を失くした前後(と思われる状況)や、ミサキとの会話、友人との会話、などが回想シーンとして語られ、この状況に到るまでの、カキヤやミサキの過去が描かれていく。

    昨年観た『Deep in the woods』で感じた「うっすらとした恋情の欠片」みたいな描写が記憶にあり、今作にもそれに似たものを感じました。個人的には『Deep in the woods』より今作の方がその傾向が濃かった気がします。ただ、それを隠れ蓑にして、本質的に描きたいものは別にあると想像します。劇中に「やらかし」という言葉が何度か登場し、凡ミスというか、本番に弱いというか、そういう「間の悪さ」の悲哀も感じました。カキヤもミサキも、失くしたものに固執した日々から離脱できたとして、その先にある続きの物語も気になるエンディングも印象的でした。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     「Deep in the woods」を拝見。

    ネタバレBOX

     板上は30年程前に現在の住人、シノダの祖父によって建てられた地方の別荘。2Fには書斎を含めて5つの部屋があるという可成り立派な建物である。今回集まっているのは幼馴染3人。 他に雑誌の企画・編集などをやっていて漫画家の夫の不倫に立腹し、夫のシトロエンを運転して来たサトウ。もう1人は医師、アオキ。妻子は祖父母の処へ出掛けているので一緒に来ることができた。
     シノダは、芸大を出てその才能を活かし賞も獲っており注目度も高いが、サトウの車が故障、シノダの車も半年も前からライトの具合が悪いのに修理もしていないので使えない。アオキは行路の途中に住んでいる関係でサトウの車に同乗して来ているので何処へ出掛けるのも不便だ。こんな訳で別荘で話す場面が基本的にメインになり、徐々に何故、半年もの間たかがヘッドライトの故障を放置し続けてきたのか? そしてもごもごと喋る様子や何となく覇気のない、決断を中々下せない様子、レスポンスの遅延などの仕草を通じて、2人はシノダの変容の並々ならぬことを幼馴染ならではの感覚で察知するが、具体的にどのような対応を取れば良いかが判然とせず、大人になってしまった自分達とアーティストらしさを未だ抱えたシノダとの邂逅のもどかしさに蹉跌を感じる。どう対応すれば良いのかに戸惑い直球を投げられないのだ。友人としての2人のぎこちなさが、或いは慮りを欠くと彼の精神状態が不安定の度合いを増す怖れもある。こんな模様は観客に慮る友人とアーティストの持つ世界とのギャップの歪として観客にも伝わる。各々の生活、互いの微妙な在り様とのズレが、間の取り方や台詞回し、抑揚等の細部を通じて表現される。精緻な作品。誰にでも上記で述べた事情が分かるのは到着翌日の展開である。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    「挑戦的な語りの形式」

     終のすみかが過去に上演した2作品の同時再演企画である。私は2021年初演の『I’ LL BE OKAY』を鑑賞した。

    ネタバレBOX

     会社員のカキヤは友人のゴトウ夫妻の家に居候しているのだが、なんらかの理由でゴトウが家出してしまい、いまはゴトウの妻ミサキと共同生活を送っている。カキヤは酒癖が悪く財布を失くしたと行きつけのバーテンダーに嘆いたり、後輩に失態現場を写真に撮られたりと情けないばかりである。カキヤは純朴な人物のようでもう5年も彼女がいない。また自らを結婚に向いていないと評したゴトウの不在に、ミサキは他人に打ち明けられないことを抱えているようだ。

     以上がカキヤの回想という体裁で観客に語りかけるようにして展開していくのだが、時間軸を入れ替えたうえに大石将弘と高橋あずさ2名の出演者が性別関係なく5名の登場人物を演じ分けながら進行する点が本作の大きな特徴である。思えば日常生活のなかで、たとえば知人の女性の逸話を男性が披露したり、その逆もしかりである。またあるエピソードについて話しているうちに時間軸がめちゃくちゃになることもまたある。いわばこの形式は人間の語りを立体化したようなものかもしれないと得心した。そうできた最大の理由は達者な出演者2名の演じ分けがうまくいっていたことと、役を入れ替えるごとにピアノの演奏が入ることで観客の思考がクリアになったという演出の妙である。ふたりの俳優が同じ役を演じている様子を観つづけているうちに、人間はほんらいとてもよく似ていて、差異などというものはあまりないのではないか、という奇妙な感覚に陥った。

    ひとつの役をひとりの俳優が演じ続けないために感情移入はしづらく、どの時点の話なのかがわかりにくくなってしまった感は否めない。しかし終盤の回想で酩酊した大石将弘演じるカキヤが「人妻と同居している」と後輩にまんざらでもない顔で嘯くところで見せた底意地の悪さや、高橋あずさ演じるミサキが抱えた孤独を多弁せず表情で伝えたくだりなどはいちいち印象に残るものであった。カキヤが失くした財布、ミサキが失った夫のゴトウというふたつの不在がなにを意味するかは、観客それぞれによって違うのだろう。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/06/20 (金)

    終のすみか の企画名が「from HOUSE to HOUSE」で、上演作品の題名は『Deep in the woods』と言う作品の上演を拝見しました。
    森の中に深く迷い込み、暗い闇に言葉を頼りに、手探りし合う様な現代会話劇。
    3人の俳優が登場、武田知久 vs. 串尾一輝+田崎小春の図式での展開なのだけど、武田知久 vs. 串尾一輝 vs. 田崎小春でもあった。
    青年団の上演をなかなか観れない今、青年団の二人が出演しておられ、戯曲自体しっかりした会話劇であり、アフタートークに登場された贅沢貧乏の山田由梨さんも(作/演出の坂本奈央さんは青年団の出身かと)勘違いしかけておられた様に、少しその風を感じることが出来た。
    そして田崎小春さんのこれまでとはまた違う役柄を拝見出来た。

  • 実演鑑賞

    Dを。
    青年団のようなテイスト。

    ネタバレBOX

    クリエイター役の不自然な演技も劇中で理由が分かると得心。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    『Deep in the woods』観劇。丁寧で細部まで行き届いた舞台、静かにグッときましたね。もどかしくて、ちょっとイラつくような会話に違和感を覚えながら観ていましたが、ああこういうことなのかと。自分の身内にもメンタルをやられた者がいるので、デジャヴ感強いです。

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