『from HOUSE to HOUSE』 公演情報 終のすみか「『from HOUSE to HOUSE』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「家の中」を舞台にした二作品の再演企画。『Deep in the woods』は昨年の上演を別の劇場で拝見していたので、今回は『I'll BE OKAY』を観劇。観劇後にはタイトルの意味が染みる。上演の特徴として、男女二人の出演者が全登場人物を演じ、特に中心的存在の男性「カキヤ」を二名が交互に演じること。演劇上演においてそれほど珍しいことではないものの、観客の想像力が介入する余地が生まれ、良い効果を生んでいました。

    ネタバレBOX

    酩酊し財布を失くしたカキヤ。そのことに気付いた朝、カキヤは自宅ではなく既婚者の友人宅にいた。その友人は一年程前から蒸発しており、カキヤは友人の妻・ミサキと奇妙な同居生活をしている。カキヤが財布を失くした前後(と思われる状況)や、ミサキとの会話、友人との会話、などが回想シーンとして語られ、この状況に到るまでの、カキヤやミサキの過去が描かれていく。

    昨年観た『Deep in the woods』で感じた「うっすらとした恋情の欠片」みたいな描写が記憶にあり、今作にもそれに似たものを感じました。個人的には『Deep in the woods』より今作の方がその傾向が濃かった気がします。ただ、それを隠れ蓑にして、本質的に描きたいものは別にあると想像します。劇中に「やらかし」という言葉が何度か登場し、凡ミスというか、本番に弱いというか、そういう「間の悪さ」の悲哀も感じました。カキヤもミサキも、失くしたものに固執した日々から離脱できたとして、その先にある続きの物語も気になるエンディングも印象的でした。

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    2025/06/23 02:21

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