背水の孤島 公演情報 背水の孤島」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-15件 / 15件中
  • 満足度★★★

     
     

  • 満足度★★★★

    トラッシュマスターズ、内容は社会派、
    でもつくりはしっかりエンタメなんですよね。そのバランス感覚が凄いと思った。後、役者陣が良い!硬派な男気を感じます。カゴシマジローさんの老け役、声もハマってました。前回公演のいやらしい医師のパーマ頭も似合い過ぎでしたが。ひわだこういちさんも幼さが役に合っていましたし、龍坐さんのあの髪形がこんな風に使われるとは。。。林田さんは女の辛さを体現していました。。。あのしっかり作り込まれたセットが3回も変わって贅沢でした。

  • 満足度★★★★

    最終日観劇
    東日本大震災の出来事が下敷きにある前半の「蠅」
    原発事故から近未来の日本の様子を描いた後半の「背水の孤島」

    「蠅」
    極限状態での行動、罪の行為と美談の一人歩き、公平と不公平。
    やり切れなさのループに胸が詰まる。
    「背水の孤島」
    後がない日本の状況を、これでもか!と突きつけられて、これまた気が重い。人間ドラマ的な部分が多かった前半に対して、後半は情報が多く、結末もどうなるのかと興味が尽きなかったが、案外予定調和な結末にも感じた。

    力の入った舞台作だと思う、舞台セットや役者さんも素晴らしかった。

    ネタバレBOX

    終盤の拳銃取り扱うシーンのアクシデント、爆笑が止まらないお客さんがいたが、そこまで笑われると煩わしい。
  • 満足度★★★★★

    饒舌な表現者
    綿密な取材に裏打ちされた“リアル”と想像力の跳躍による”近未来”、この二つを一度に堪能できる脚本。
    震災という人智の及ばぬ出来事の前に、人はどう生きるのか、どうあるべきか、メディアと国民性、
    テレビに出来ないこと、演劇の可能性など
    様々なことを考えずにはいられない素晴らしい舞台だった。

    ネタバレBOX

    客席に入ってまずセットに目が釘付けになった。
    テレビ局らしい照明機材や机の上の小型モニター、
    モニターの上に置かれている小さくなったガムテ、足元の紙袋のひしゃげ具合・・・。
    ここに毎日通ってくる人々がもうすぐ登場するのを待つ血の通った現場だ。
    重々しいBGMが流れる中、それを眺めながら開演を待つ。

    プロローグ
    やがて始まるプロローグでは、震災後まもなくこのスタジオで行われたひとつのインタビューが描かれる。
    太陽光発電の1年分の発電量が、浜岡発電所の1時間分にしかならないという事実、
    電力不足で、あのトヨタまでもが海外移転を考えているという日本の現実が明らかになる。

    前編「蠅」
    プロローグの後、数分間流れる字幕とその朗読で説明がなされ、
    明けた時には、貧しい被災者が暮らす納屋のセットになっていた。
    前編の「蠅」は、被災地の暮らしに密着するドキュメンタリー取材クルーと
    被写体として選ばれた“最も貧しい被災者家族”の話だ。
     
    急ごしらえの納屋を改造した部屋に父と医大生の娘、高校生の弟が住んでいる。
    母親の遺体はまだ見つかっていない。
    被災者の窮状をアピールするためには、洗濯機などあっては困るとか、
    “知りたい”という欲求の前にはプライバシーなど無いも同然の取材する側の傲慢さ。
    “人の役に立ちたい”と言いつつ自分の為に活動していることに気付かないボランティア。
    補償金をもらって、働かなくても良くなった被災者の戸惑い。
    再建には程遠い被災地の中小企業の現実。
    もしかしたら死んだ人より生き残った人の方が悲惨なのかもしれないのが被災地だ。
    取材クルーが目にしたのは、極限状態の中で価値観もモラルも
    一瞬のうちにひっくり返り、あるいはじわじわと変貌する人間の危うさだった。
    実はクルー二人のモラルだって異常事態を理由にとっくに崩壊しているのだが。

    まさに“五月蠅い”蠅のぶ~んという羽音が時折客席の方にまで響く。
    誰かが何かに群がって利を得ようとすると、その音が大きくなる辺り音響が絶妙。

    後編「背水の孤島」
    再び流れる字幕で時間の経過が説明され、彼らの7年後が始まる。
    後編「背水の孤島」のセットは原発推進派の大臣室である。
    開け閉てにびくともしない重厚なドア、調度品、壁面の作りなど相変わらず秀逸。
    医大生だった娘は被爆した人々を救う為の研究を重ね、
    その論文は海外では認められたが
    日本政府は「補償金額が莫大になり財政が破たんする」ことを理由に認めようとしない。
    高校生だった弟は、今その大臣の秘書を務めている。
    その弟が、テロまがいの脅しで大臣に自分の要求をのませようとする。
    その要求とは、姉の論文を認めさせ、それを踏まえた被爆者救済法案の立案と
    国債の海外向け発行の中止である。
    人を傷つけず、自分が逮捕された後に大臣が変心することを計算に入れた巧みな計画で
    説得力があり、見ごたえがある。
    (緊張感の極みの場面で銃の弾倉だろうか、外れて落ちたのは残念だった。笑っちゃった…)
    最後は国家でもマスコミでもなく普通の人々が「正しいと信じる」選択をして終わる。
    苦いけれど爽快で、未来に少し希望が持てそうなラストが良かった。

    役者陣は皆役に染まって熱演だが、
    父親役の山崎直樹さん、大臣役のカゴシマジローさんが見事にはまり役。
    野崎役の龍坐さん、前編の放射能の影響に立ちすくむところ、観ていて怖くなった。

    もちろんツッコミどころはあるだろうが、
    私が震災のような現在進行形の出来事をテーマにした作品に求めるのは
    「別の視点」と「想像力を駆使した可能性」の提示だ。
    この作品は、その2つを最大限に見せてくれる。
    東電や政治家の言い分も言わせた上で、「それは違うだろ!」と
    真っ向から言える脚本がどれほどあるだろうか。
    毎回の凝りに凝ったセットにしても、時間の蓄積を雄弁に語るところを目の当たりにすれば
    登場人物のキャラ設定同様、背景も大切な表現者なのだと解る。
    この暑苦しいまでの、表現せずに居られない体質がTRASHMASTERSのすごいところだ。
    さっぱりと洗練されずに、ずっと饒舌な表現者で有り続けて欲しい。
    忘れっぽい私にがつんと刺激を与えてくれたことを感謝したいと思う。

  • 満足度★★★★

    字幕
    演出が楽しかったです。
    色々詰まっていて、なかなか整理するのに時間がかかりました。

    ネタバレBOX

    字幕の出てくるシーンの早口の言葉が切羽詰まっている感じがしてよかったです。
  • 満足度

    わからない
    扱うテーマは考えるさせられる物だったが......
    全て中途半端になってしまい残念
    最後の最後ピストルの小道具が上手くいかなかった場面があったが会場から笑いが起きた事がこの舞台の全てをものがたっている。
    3時間ズット引き込まれ良い緊張感があれば、そんなハプニングで笑など起きる訳が無い。
    スズナリに行けば良かった。

  • 満足度★★★★

    ネタばれ
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    昨年話題になったトラッシュマスターズの【背水の狐島】の再演を観劇。
    3・11の事件を最初に取り上げた劇団で、昨年の主要な演劇賞を取っている話題作。
    が、僕にとっては初見の劇団で、骨太な芝居と公演時間が長すぎる?というのは噂では聞いていたのだが・・・。

    3・11の事件によって被災生活を余儀なくされたある家族、ボランティア、そしてその家族を追っているテレビクルーが登場人物である。
    被災者の生活状況、ボランティアの位置づけ、テレビの報道の意味などを的確に描きつつ、人間が普段経験する事のない出来事に出合ったが為に、ある事件を起こしてしまい、苦悩している家族の姿を通して被災の現状を描いているのが非常に面白い点だ。その状況の中で、どのように人間は苦悩し、理性を持って対処すれば良いかを問いかけている。

    そして後半からは、3・11から何十年後の未来の日本国家の中枢で働き始めた登場人物達が、どのようにすれば原発停止、災害防止を出来るか?を世に働きかけて行く姿を描いている。前半が被災者の状況をリアルに描いているのであれば、後半は絵空事のような描き方に驚いてしまう。それは日本が立ち行かゆかなくなってしまった場合に、国を動かすのはテロしかない!という答えにしてしまっている点だ。ちょっと70年代のアメリカ映画的なノリ(映画・チャイナシンドローム)にそっくりだった。
    そこが演出家のメッセージなのだろうか?
    前半の問いかけに近い芝居が、後半の直接的な芝居によって全てを台無しにしている。
    これで良いのかは疑問であったが、このような直接的なメッセージを述べられるのはやはり小劇場の醍醐味だろう。

    そして休憩なしで、3時間15分の上演時間を飽きさせずに見せてくれたのは偉大だ。




  • 満足度★★★

    背水の孤島
    面白い。パンフがしっかり作られていて4000円はお得感あり。

    ネタバレBOX

    序章っぽいのと、前半と後半で200分。
    前半…震災後の親戚の小屋に肩身狭く仮住まいする片岡家を中心に描く。
    後半…片岡家に取材に入った甲本(星野卓誠)は、その後、小田切議員(カゴシマジロー)のツテで入った警備会社で働く。前半で受験生だった太陽(ひわだこういち)は小田切の秘書になり、太陽の姉・夕(林田麻里)は被曝者を救うための研究を重ねていた。ボランティアに入っていた安藤(木下智恵)は、被曝のことを隠して甲本の部下として働いていて、やはり被曝した野崎(龍坐)は、取材班・貝原(吹上タツヒロ)の被曝者の会の一員になっていた。

    前半と後半の時間差で話の深さがグっと増す。とはいえ時間がたっても非常事態という状況は、形を変えて継続し、人を苦しめているのか。その変わっているトコと変わっていないところの視点が面白かった。

    舞台美術もいい。「背水の孤島」ってタイトルもいい。
  • 満足度★★★★

    力作!凄い作品だ!!
    テレビ放映はちょっと難しい、劇場でしか観れない凄い作品だと思う。
    上演時間3時間20分(休憩なし)。
    全く長く感じなかった、むしろ集中力が切れないため休憩なくて良かったと思えたくらい。観て良かった!

    ネタバレBOX

    震災や原発をテーマにしているが、
    綺麗ごとでは無い裏側をスコープに物語化してしている。(追記予定)
    「プロローグ」、「蠅」、「背水の孤島」の3構成。

    作・演出の中津留章仁さんの名前を覚えた!
    役者陣に少しバラツキがあったように思えた。
  • 満足度★★★★★

    また見たい
     核武装もそれに必要なプルトニウム生産に役立つ原発も、言ってみれば、不信感と不信感に基づく恐怖が支えているのだろう。その不信感を信頼への希望に変えることによって終わらせているシナリオの詐術が素晴らしい。3時間15分の長丁場で休憩なしだが、パート1~パート3まで、全然、飽きさせず、ぐいぐい引っ張ってゆく力は流石である。金銭的余裕さえあれば、ぜひともリピートして見たい舞台であった。

  • 満足度★★★★★

    考えた!
    『狂おしき怠惰』の形式の原点。形式は慣れました。二本分堪能。

    ネタバレBOX

    序で電力が如何に必要かを謳い、前半で東日本大震災から数ヶ月後の被災地の人間ドラマを描き、後半は前半の人々の十数年後の話で、テロに怯えながらも原発再建設に進む国の中枢部署における近未来サスペンスSF話。

    国内製造業の空洞化を防止するには安い電力が必要ですが、新たに頑丈な原発を建設するには海外向けの高金利円建て国債を発行せざるを得なくなり、その結果外国に公債市場を握られ、いずれ中国により日本の金利の安定が大切か尖閣諸島の領有権が大切かを迫られ、どちらの形にせよ侵略されると説いています。

    もう既に超経済大国ではないのだから、少なくとも中国による支配は防止しよう、そして、効率の良い太陽光パネル、樹木の葉っぱが光を受けるのに一番効率が良いのですから、樹木型の太陽光発電装置を道路脇や公園などの公共の土地に設置して、起死回生を図ろうと主張しています。

    このような海外向け国債とまで言わなくても、現在だって国債残高は国民の金融資産残高ぎりぎりのところまで来ているのですから、同じ発想が求められる訳ですね。

    原子爆弾のような大掛かりのものは必要なく、原発事故で生じた放射性物質を拡散させるための爆発装置だけでテロができるというありそうな現実に恐ろしさを感じました。これからの事故処理で生じる高レベル廃棄物の厳重な管理が最重要課題だと思い知りました。

    大災害発生時における緊急避難的な対応の是非、被災地の現況を報道するマスコミのあり方などを考えさせる前半部分と、日本の方向性を真剣に戦略的に考える後半部分、どちらも良かった3時間20分でした。

    それにしても、高校生、お姉さん、ボランティアの女子大生等々、彼らの十数年後の変貌振りには、役者さんって凄いなあと感心しきりでした!
  • 満足度★★★★★

    観客側の覚悟も要
    虚実と適度なサスペンスドラマタッチ。3時間強の長さにも関わらず興味を切らさず観た。いろんな意味で挑戦的作品。

  • 満足度

    最悪の押しつけ
    今まで、学生たちのやる拙い表現や取り組みに腹を立てることはあったにしても、全く拍手ができない公演は初めてです。
    いったい、この人たちは客の存在を考えているのか?
    3時間半、休憩なしで縛りつけられ、もはや暴力である。
    開演から1時間後にはもう長いと感じ、時計を気にし続けるだけの時間。
    最悪です。
    好きな女優さんも出ていました。
    役者各々の作品に対する真摯な姿も悪くはないと思います。
    けれど、最悪。
    それは何か考えたら、この劇団の客に対する基本的な姿勢だと思いました。
    本当、時間を返してほしい。
    深夜の高速バスに閉じ込められたような最悪の3時間半。

  • 満足度★★★★★

    考えさせる作品
    あくまで個人の好みですが、私は説教くさい作品は苦手です。映画でもマンガでも、作者の個人的な怒りや主義主張があからさまだと途端に醒めてしまう。それなら自分が政治家になって変えればいいじゃん。などと思ってしまう、嫌な観客なのですよ。
    この作品は違いました。震災、原発、永田町、題材は生々しくて重いのに、面白い。エンターテイメントになっている! 凄いなぁと思いました。
    3時間休憩無しで観て、もう一度観たいと思った作品は初めてかもしれない。
    …リピートしちゃおうかな。でも上演期間が短いから悩み所です。

    蛇足ながら。上演中に携帯が鳴った人がいました。いくらアナウンスしてもなくならない携帯の切り忘れは、本人の問題意識の低さが原因でしょう。本多劇場さんでも携帯電話抑止装置を導入してはどうかと。

  • 満足度★★★★★

    非喫煙者にもやさしい劇場になってほしい
    震災や原発事故、そこからの復興に関して、1年の間に進展した部分と進展してない部分、私が覚えてる部分、忘れてしまった部分を見せてくれる作品でした。初演時のインパクトは決して失われていません。圧倒されました。

    ロビーで行なわれていた過去のチラシ&ポスターの原画展も良かったです。

    終演後、ドアの外の喫煙所がいつになく煙がも〜も〜状態なのには閉口しました。放射能も嫌ですが、タバコも環境を悪くしている汚染源。終演後のことなので、作品の評価には影響しませんが、ここは近寄りたくない劇場、私が行ってはいけない劇場となりました。芸術関係者及びそのファンの喫煙率は高そうで、そっちの基準に合わせているのだと思いますが、喫煙の習慣がない人にもやさしい会場になってくれることを切に望みます。

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