満足度★★★★★
チームワーク
桟敷童子は初見だったが、劇場案内、受付辺りから、もうなんだか惹き付けられる。劇場内に入って驚かされた。実に手の込んだ、その上、手抜きの無い舞台美術なのだ。初見の劇団とは言え、これだけで、良い芝居が期待できると直感した。この期待に見事に応えてくれたのは十七名も登場する役者陣の誰一人としてキャラの立たなかった役者がいないことであった。無論、シナリオ、演出、音響、効果、大道具、小道具、照明、衣装など総ての総合作用ではある。然し、これだけの大人数で、これだけ緊密で自然に各人が己の仕事を過不足なく舞台上で表現するのは、至難の業である。聞けば、この劇団、これだけ大がかりで手の込んだ舞台作りを基本的に劇団員の手作りでやる、という。大変な手間、苦労、肉体的なキツさ、精神的にも時間的にも予算の面でも、大わらわのはずである。而も、手抜きが無い。皆で力を合わせ、素晴らしい舞台作りをすることが、実践されているのだ。その結果が、この舞台で、眠っているキャラ、死んでいるキャラが一つとして無いことに表れているといえよう。
細かい点にも注力し、冴えた演出を見せる。ひとつだけ例を挙げておこう。夏の移ろいを蝉の鳴き声で表現しているのだ。アブラゼミからヒグラシへ。見事である。
満足度★★★★★
なけなしの涙が絞りとられた
等身大の人間が時代の大嵐に飲み込まれながら生きていく、再生と復興の物語。
主役のメンドリさん役の方の迫力に飲まれました。
舞台美術のすごさに口が変な形に半笑いになりました。
気づいたら泣いてました。
スカンピンに乾いてた気がした私のハートですが、ぎゅうぎゅうと力尽くで絞られて、涙がほろり。まだ数滴流れるくらいにはウェットだったかと思いしらされた。
2バージョンあって日によって演じ手の役者さんたちが違うようです。