満足度★★★★
演出
今回は、ギィ・フォアシーの翻訳不可能な作品を見事にまとめ上げた演出に多大の拍手を送りたい。未だ仏語原文で当たっていないのだが、ギィの話しぶりは何度も聞いたことがある。その会話には多数のシャレや地口、アイロニーやブラックジョーク、社会批判や当てこすりが含まれ多元的な表現であった。このことから類推すると、翻訳は不可能、という判断だ。
その難しいテキストを見事に読み解き、日本の文化に咀嚼しなおして舞台化した、今回の演出では、ギィ作品の本質が見事に浮き彫りにされていた。演出を評価する理由である。
劇場も、その高い志と先見の明を持つ作品選択で知られるシアターXだ。ぜひ出掛けて実際の舞台を見てほしい。