へちま -糸瓜-【全公演終了!ご来場ありがとうございました!!】 公演情報 へちま -糸瓜-【全公演終了!ご来場ありがとうございました!!】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-12件 / 12件中
  • 満足度★★★★

    美しく優しい
    登場人物の三姉妹が良いアンサンブルになっており、特に三谷さんの凛とした可愛らしさが秀逸でした。三姉妹以外もそれぞれ味があったのですが、長女と良い対比になる騒ぎキャラが被ってしまった感も否めず、舞台的では無い完全に普通の女性がいても良かったのかなあと思いました。

    ストーリーも、日常にある葛藤をしみじみとそれでいてなかなかドラスティックに描いていて楽しめました。姉妹のそれぞれ見せ場エピソードで有りながら、その相手側の方が逆に映えると言うのも面白かったです。
    ラストのワンカットは、非常に詩的な味わいがあり美しかったですし、説明過多にならない余韻を残す演出は好感が持てました。

  • 満足度★★★★★

    良いですな
    おもしろい!抑えるところ抑えて、出すところ出して役者の方々は作品のことを、どの役の気持ちも深く理解しているのでしょう、どの役の感情も伝わってきて良い。話も演出も丁寧に作り上げられてて、ムダなシーンは無かった。客席に顔、身体を見せてくれるので動きや場も練って作ったんでしょう。
    普段は劇団オリジナル作品の台本欲しいとは思わないが、完売してなければこの台本は買いたかったな…(..)

  • 満足度★★★★

    純日本的ホームドラマ
    昭和中期の松竹映画の精神を継承したかのような純和風ホームドラマだが、変則的な家族なのが21世紀チック、的な。
    また、劇中での1日目の昼間はユーモラスで夜はしっとり、という構成も良く、あれこれ上手くまとまっている印象。

  • 満足度★★★★★

    素敵でした。
    素晴らしかったです。

    ガッツリと観入ってしまいました。

    ネタバレBOX

    長女の方が作・演出もされているのですね。心の中になんともいいもの持ってますね。そんなことを感じさせる作品でした。隣の家のおじいちゃんとのキスシーンにはかなりドキッとさせられました。

    なんとも爽やかに観終わることができた素敵な作品でした。
  • 満足度★★★

    生きてても死んでも
    いい感じの舞台。ちょっと安心する。パンフの相関図の手書き感とへちまイラストがほほえましい。

    ネタバレBOX

    三人の妻と死別、離婚をして3人の腹違いの娘を残して逝った父の七回忌後が舞台。

    真面目で思慮深い長女・たまき(三谷智子)は、懐妊して死産(堕ろした?)という過去をもち、その彼・圭佑(実近順次)と別れることになる。男を見る目がない次女・みのり(久富麻季)は、浮気相手と決別する。バツイチ子持ちの大学講師・中川(白州本樹)と年の差25の結婚を願う三女・いずみ(辻沢綾香)は、母・元子(辻川幸代)と中川の熱意の後押しでたまきの理解を得る。
    江ノ島水族館へペアルックで出かけるいずみら。残ったたまきとみのりは半分喧嘩しつつも、過去の思い出も手伝って、二人で江ノ島の縁結び神社へ行くことに…。

    基本あたたかい雰囲気の作風で、なんやかやあっても「家族でいる」三姉妹らが眩しい。たまきは、長女らしくみのりの結婚(や恋愛)が心配で、いずみの結婚でもいろいろ考えた上で厳しい意見をぶつける苦労人。恋人の圭佑は、確かに男らしくなく、40位のたまきはこっちでも苦労をしたろうと。それでも誰にも苦痛な顔や涙を見せない「鉄の女」のたまき。隣人のぼけたおじいちゃんのぎっちゃん(名取幸政)に、たまきの祖母・ツル子と間違われ、キスと抱擁で思わず感情が吹き出してしまう…。

    ありそうな家族内の軋轢から、日差しが差し込むような展開へつなげるスタイルは好み。ハッピーエンドってわけでなく、上向きで終わるみたいなね。実際上がって下がっての繰り返しなんだろうけど。

    生きてても死んでても…へちまのような家族ってよいね。
  • 満足度★★★★★

    無題364(12-107)
    19:30の回(晴)。18:50受付(整理番号あり)、19:00開場。舞台は和室から庭が見える設定です。中央に小さなテーブル、上手にはこれも小さな家具、木彫りの熊(らしい)やティッシュペーパーやこまごまとしたものが置いてあります。奥は廊下で、下手に手洗い、上手に玄関、庭には生垣。相関図をじっとみつめ開演を待っていると、開演直前、少し揺れます...地震です。会場内での地震は初めて、すぐスタッフの方が対応、混乱なく19:34開演...Que sera sera。

    ネタバレBOX

    ときどき相関図に目をやりながら3姉妹と周囲のひとびととのやりとりに耳を傾けます。いろいろな家族があると思っているので、その設定がどのように変わってゆくのだろうか、という視点で見続けます。ふだん、感情をここまでぶつけることはないので、あぁそうだろう...そうかもしれないな、と思うのでした。

    途中、「藤沢」という単語がでてきてお話はぐっと身近になります。江の島神社を調べてみると「御祭神は、三人姉妹の女神様」とありますね。江の島は実家からモノレールで(降りてからは徒歩)行けるので、昔はよく行きましたし、新しくなった水族館も3回ほど。仕事と恋愛、不倫、年の差、転職、介護、それぞれの人生。

    夏、へちま、ふたたびQue sera sera、この曲を選んだのはそういうことなのですね
  • 満足度★★★★★

    三谷さんの出演が嬉しい
    劇作家、演出家としての三谷さんも好きですが、私が最初に知ったのは、女優さんとしてでしたから、久しぶりに、女優の三谷さんを拝見できて、まず嬉しく思いました。

    またしても、3姉妹もので、よくある設定のストーリーではありましたが、人物の性格付けが細部まで行き渡り、それぞれの人間や関係性がリアルだったので、比較的、引き込まれて、面白く観ることができました。

    「ちょぼくれ~」の時は、気が変になった風のお姫様役だった辻沢さんが、今回は一転、どこにでもいそうな女子大生役で、大変な好演をされ、すっかりファンになりました。

    当パンに相関図があり、ややこしいのかと心配になりましたが、芝居が始まってみれば、とてもわかり易い関係で、ほっとしました。

    加藤茶の奥さんネタや、鉄の女サッチャーをたとえに出したり、今現在の空気をさり気なく出し、実際に存在する家族と錯覚させる程、何もかもが、秀逸な描き方だったように思います。

    ネタバレBOX

    長女役の三谷さんが、品があって、聡明な美しさで、本当に、存在感十分でした。

    それぞれ、母親が違う3姉妹の複雑な関係性が、わざとらしくなく、実にリアルな3姉妹になっていて、驚きました。

    キャストが、皆さん、はまり役。特に、三女のいずみの懸命さ、いずみの婚約者の中川のヒトデ愛を、辻沢さんと白州さんが、軽妙洒脱に演じて、このコンビの芝居は楽しくてなりませんでした。

    長過ぎた春の、長女たまきと田邊が別れを決心する際の二人の会話も、秀逸な描き方で、山田太一さんや向田さんのかつての名ドラマを彷彿としました。

    ただ、次女のみのりとたまきの会話で、父親の葬儀の日の、田代さんがどうのという件が、ちょっと、私にはよく呑み込めませんでした。

    隣家に住むおじを心配して、この家に探しに来る真澄を、田邊が執拗に羽交い絞めにして、追い返そうとする場面は、やや作為的過ぎて、白けました。

    全体的に、人物造詣が優れていたので、こういう些細な欠点が逆に、気になったのかもしれません。

    いずみの母親が、離婚して、娘と離れて暮らしていながら、娘への愛情溢れる母親の心情を吐露する場面では、思わず、目頭が熱くなりました。

    文月堂、益々、波に乗っていく予感がします。
  • 満足度★★★★★

    タイトルも素敵
    女運最悪だった父の七回忌というけれど、むしろ・・


    ネタバレBOX

    3回も結婚したのだから運は良かったように感じた。義理の三姉妹とその恋人&婚約者を描いた人間模様。
    特に長女の母譲りで芯の強いしっかりもので泣けない性格は損することが多いが、その部分のリアリティもしっかり演じていたと思う。
    泣いて笑って楽しめた「家族悲喜劇」でしたが、終わり方は温かかった。
  • 満足度★★★★

    丸まりきらないキャラクターのリアリティ
    物語が広がっていく中で
    表層の尖った感じに
    キャラクターたちの素の想いが重なって。
    ウェルメイドな家庭劇ではないけれど、
    観る側が委ねられる奥行きが生まれていました。

    ネタバレBOX

    当日パンフレットに描かれた相関図をみて
    かなり複雑な人間関係を想像したのですが、
    前半の舞台に描かれる世界は
    それを当たり前のことのように包み込んで
    とてもわかりやすくて・・・。
    むしろその背景は
    キャラクターたちそれぞれの個性が
    浮かび上がってくる中盤以降に
    しなやかに効いてきます。
    一人ずつの個性を照らしだす
    バックライトのように
    ひとりずつが抱えるコアに
    エッジを創り出していく。
    表層が観る側に馴染むに従って
    設定が導く立体感のようなものが現れてきて
    舞台上で描かれない時間まで
    彼女たちが歩み、そして歩んでいくであろう時間の
    質感として観る側をとりこんでいく。

    三人姉妹にはくっきりとした
    トーンの貫きがあって
    そこに重なる周辺の人物たちが
    エピソードを編み込み、
    ひとりずつの色を浮かび上がらせていきます。
    その組み上げがとてもしたたか。

    キャラクター達の尖った部分が
    役者たちの緻密な演技とともに
    高い解像度で作りこまれているのですが
    物語が進んでいく中での
    その丸まり切らなさのようなものが
    実に秀逸・・・。
    展開の中でそれぞれの個性が
    ドラスティックに変わることはおろか
    ほとんど崩れることなく、
    でもその形状や色がほんの少しだけ
    変わったように感じられる部分があって。
    そこには
    時間に染められたものから伝わってくる
    とてもデリケートでリアルな
    生きることへの感触があるのです。

    いわゆるウェルメイドのドラマとは違って
    煮込まれ切らず
    ごつごつした食感が最後まで残されていて。
    その実存感あるから、
    終演の時間からこぼれた
    ちょっと解けたようなウィットに
    流れる時間の瑞々しさて愛おしさが
    とても自然に降りてきて、余韻として残ったことでした。
  • 満足度★★★★

    設定はよくあるが
    法事であつっまた3人の姉妹のそれぞれ抱える問題を中心に話しは展開。
    適度に笑いあり、論争あり、それでも最後はそれなりにまとまっていく姉妹。
    うまくまとまっていたように思う

  • 満足度★★★★

    落ち着くところに
    落ちるという安心感がいい。姉妹のそれぞれが、奇抜ではないけど、それなりのバラエティーさ。アフタートークも出色のおもしろさ。

  • 満足度★★★

    怒鳴り合いが多くて・・・
    個人的な好みかもしれないが、
    むやみに(=必然性なく)怒鳴り合いの多いものは少々苦手で、
    このお芝居にも同じように感じてしまいました。

    それに、長女が頑ななまでに三女の結婚に反対することや、
    しかしその後のシーンでは、かなり違った性格を見せるなども、
    私には統一性が感じられず、
    個々の場面で起きていることの必然性、という点で弱い気がしました。

    それと、パンフレットに登場人物の家系図(?)が入っていて、
    これが結構複雑な代物。
    一応は私も見たのですが、劇が始まると忘れてしまって、
    しばらくは関係性がよく分からなかったのです。
    そういえば「隣家の乱入シーン」も同じような印象です。

    怒鳴り合いシーンを置くために、家系図を複雑にして、
    その他の筋立ても作られているような、
    作為的な感じがしたのが残念でした。

    ネタバレBOX

    面白い趣向がありました。
    座席に番号が書かれた紙が置いてあってそれが抽選の番号になるとのこと。
    私は、見事4人の当選者のうちに入りました。

    そこで頂いたものに、ヘチマの種と、その
    育て方が書かれた紙が入っていたのですが、
    実は、劇中にもそういう場面があったのです。

    つまりは、景品の封を切ったときに、
    見終わった芝居を回想させる仕掛けになっているわけで、
    これは結構秀逸なのでは、と思いました。
    ただ、ほとんどは落選者なので、この趣向に接せられる人は
    僅かしかいないのはちょっと惜しい気がします。
    まあでも、これがあったので、☆3つにしました。

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