コーカサスの白墨の輪 公演情報 コーカサスの白墨の輪」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★

    舞台の上の活気がとてもいい
    ブレヒトの音楽劇。
    ラストはお馴染みのストーリー。
    舞台の上の活気がとてもいい。
    音楽劇であり、生演奏もあるし、歌もいい。

    ネタバレBOX

    産みの母と育ての母が、子どもを両側から引っ張る、というあの物語。
    いろんなところで使われることの多いエピソードだ。

    舞台の上の活気がとてもいい。
    音楽劇であり、生演奏もあるし、歌もいい
    そして、小さな人形と人間のコラボ舞台なのだが、不思議なことに最初からあまり違和感を感じない。
    女性が男性を、あるいは逆を演じているのにも違和感を感じないのと同じだ。

    物語は、産みの母と育ての母の対決が最後の山場になるのだが、軸は育ての母の、苦難の逃避行であり、その女性と誓いを交わした兵士との恋愛の物語でもある。

    育ての母・女中グルシャを演じた高畑こと美さんの強い存在感が、大勢の出演者の中でひときわ光っていた。特に領主の息子である赤ん坊を、結局自分の子として育てようとしてからの強い意思のようなものがみなぎるところが素晴らしい。
    そして、彼女の恋人・シモンの斉藤悠さんとの様子が爽やかなので、後味もいい。

    ただ、途中から終わりにかけて、裁判官に祭り上げられた男がクローズアップされてくることで、なんとなく焦点がぼやけてきたのは少々残念。
    せっかくグルシャのキャラクターに観客が惹かれてきて、とてもいい感じに盛り上がってきているのだから、もう少しグルシャの視点からの強調がほしかったと思う。

    結局育ての母のもとに子どもは戻ってくるのだが、どうしてそうなったのか、がきちんと台詞で示されていなかったようなのだが…。

    舞台の構造上の問題なのか、台詞が聞き取れない個所が多すぎた。反響のせいなのか、何なのか。台詞が聞こえなくてもストーリーはわかるとしても、やはり台詞はきちんと聞き取りたい。


    舞台の内容は大満足だったのだが、受付があまりにもお粗末だった。
    大勢の観客に慣れてなかったのか、軽いパニックだったのかもしれないけど…。
  • 満足度★★★★

    金の靴
    チラシに惹かれて観劇。

    糸あやつり人形劇が中心の舞台は初めてだったからか、どうもヒトのほうに目がいってしまった。ただ、構成が上手いのか元の話が面白いのか良いストーリーで、面白い「舞台芸術」だった。

    ネタバレBOX

    とある国(領地?)で反乱が起こり、領主が殺されその妻は逃走し、残された赤ん坊の息子を、女中グルシャ(高畑こと美)が苦難の逃避行の末守り抜き、晴れて「母」となる話。
    ハチャメチャな裁判官アツダク(結城一糸)の大岡裁き的な采配(離婚調停の故意の誤り・引っ張り合いでの母親判断)で、偽りの結婚を破棄し、婚約者のシモン(斉藤悠)と結婚、息子を育てるエンドが充実した気持ちにさせる。

    いろんな音のでる道具を使用し賑やかな立ち上がりなのだが、しゃべりがかなり聞き取りにくい。客席後方だったためかもしれないけど、ストレスで気疲れした。そんなワケで序盤からやや注意が散慢だったのだけど、中盤(グルシャの偽装結婚あたり)から面白さがグッと増して、一気にラストの裁判へ気持ちも連れて行かれた。

    裁判の中で、グルシャの息子への愛情が目一杯放たれ熱い想いに浸れる。パンフにもある「もしも金の靴を履いたら」のセリフがかなり熱い。観劇後読み返してみても熱い。芯の通った女性(母性)の愛情を、強く前向きに、時に弱く表現した高畑の演技が良い。

    江戸糸あやつり人形座の面々の中でも、結城一糸の動きはとても良いと感じた。色っぽいルドヴィカ(結城民子)とのやりとりは見ごたえがあった。もっと、人形に注目して観ていれば良かったと思った。

    座席を半分潰しての舞台設置であったが、これくらいが観劇の限界だろうか。舞台脇を使用した演出や楽器演奏も好印象。面白い舞台芸術ジャンルと感じたので、機会があればまた観たいなという感じ。できるだけ前方で。

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