ヌード・マウス 公演情報 ヌード・マウス」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-17件 / 17件中
  • 満足度★★★★

    納得。
    世界観がブレない。重苦しいだけではなく、避けられない事を受け入れる脱力感と、全てが自分のコントロール下にあるという悦楽感の様な状態を山本亨さんが見事に演じ切っていた。

  • 満足度★★★★

    奇妙な利害の一致、それを家族と呼ぶのか
    思えば、科学をテーマとして取り上げた作品にいつも胸を躍らされてきた。

    http://d.hatena.ne.jp/komagometonari/20120206/1328532760

  • 満足度★★★★★

    芝居自体が生き物
    舞台の空気が生きていることを
    肌で感じられる舞台でした。

    拝見したのは、
    プレビューを経ての初日。、
    戯曲の枠組みの中に
    良い意味での揺らぎのようなものがあって、
    この舞台が描き出すものの
    更なる深淵を感じることができました。

    ネタバレBOX

    観る側を構えさせない冒頭、
    その語り口のままに物語の骨格が組み上げられていきます。
    たとえば「リニアの時間」というせりふひとつで
    近未来の時代設定がわかり
    書き上がったという紙束から
    物語に踏み込んでいく感じ。

    その時間を追わせる力、
    次第に組み上がっていく構造、
    場に広がりが重なり
    そして、物語が次第に解けはじめる。

    登場人物たちの関係が置かれ、
    記憶の断片のようにエピソードが描かれ
    それを裏打ちする科学のロジックが
    観る側に埋め込まれていきます。
    最初は時系列に少し戸惑うけれど、
    やがて、時間ではない感覚の視座が生まれて
    脳の機能、そして行動の従属・・・。
    女性の行動が因果がそれを具現化していく。

    ミッシングしたもの、その働き、
    ビリヤードの玉がしなやかに機能して、
    一部がミッシングした脳の動きを
    観る側にみせる。
    科学の歩みの中での
    脳も含めたフィジカルな代替機能が語られて。
    どこかソリッドで厳然とした肌触りを醸しながら
    現実や事実が観る側に組み上げられていきます。
    「どこに転がるか、わからない。
    わからないように見えていて、すべて決まっている。」という枠組みが
    ぞくっとくるほどの明解さとともに
    言葉ではなく
    体感として観る側に組み上がっていく。

    でも、そのことに圧倒されるにも関わらず、
    観る側の心を奪うのは
    個々のキャラクターの内心の風景であり
    葛藤であり移ろいであって。
    その枠組みを崩すわけでもなく
    そこから次第に滲みだしてくるもの。
    それはすべて全てさだめられたものだという。
    でも、定められていても、
    心がキャラクター自身自身にも、
    見る側にも、
    もしかしたら役者たちの手の内にすら
    捕えられているわけではない。
    突かれ弾かれたボールの動きのごとく、
    予測などできずに、
    その刹那の色を編み上げていくのです。

    戯曲に語られた感情の科学的な成り立ちが
    それでは割り切れない素数のような想いの色、
    因果が描かれても、その因果に染められない想い、
    その狭間は幾重にも揺らぎ
    生きること自体の確かさや危うさの感覚そのものにこそ
    観る側を浸していく。

    役者たちが編み上げる一つずつの場が
    生き物のように揺らぐ。
    亀に追いつけないアキレスのように
    科学の道程がどこまでも伸び
    ひとはそれぞれの意志でそれを追い
    さらに伸ばし続けるにもかかわらず
    捉えきれないコアが存在し続ける。

    観終わってしばらくは、
    家族それぞれの愛情の質感が
    印象として広がる。
    でも、そこに染められることなく
    さらに広がる別の感覚があって。
    上手く言えないのですが、
    ポジティブではない希望と
    ネガティブではない絶望の狭間のような肌触りをもったもの。
    それが、まるで生き物のように息づき
    温度をもって観る側を揺らしていくのです。

    公開稽古を拝見させていただき
    さらには舞台の空気に取り込まれるなかで、
    それぞれのシーンに役者たちが描き上げた
    刹那から湧き上がってくるものに目を瞠り、
    自分の立ち位置に至るような感覚が
    記憶とともに刻まれたことでした。
  • 満足度★★★

    行先不明
    もう仕舞いかというくらいに、思考がとまったかなにか違うことを思い浮かべたか、してしまい、どこかへ行ってしまった。
    ぽかんてしている間に終わった。

  • 満足度

    匂わせ過ぎている感じ
    タイトル通りの感想につきます。

    事故で前頭葉に損傷を負い、恐怖の感情を失うと人はどうなるか、という
    テーマは面白かったんですが、色々貼り付け過ぎて頭だけ使う作品に
    なってしまった感が否めないです。

    会話も、特に序盤、余りに議論が衒学的で、でも余り本筋に関係
    無かったので、作品に入り込みにくいだけに終わってました。

    ネタバレBOX

    沙智の見せ方をどうしたいのか、最後までよく分からなかったです。
    「家族」としての愛なのか、「男女同士」の愛なのか、そこがイマイチ
    ハッキリしなかったし、多分作者も敢えてハッキリさせないようにして
    いたのだと思うのですが、想像通りで面白みに欠けました。

    中盤、沙智が家に引き取られてきてから、彼女の隠された心情、
    時折見せる危うさが表出されてきて、かなり面白くなってきたのに
    綺麗に〆てしまってガッカリ。

    個人的には、家族関係より男女関係をもっと強く打ち出した方が
    この作品では緊張感が増して良かったんじゃないかと思います。
    あとは…しのぶさんのレビューと大筋では雑感は一緒ですね。
  • 満足度★★★★

    体感時間は短く
    なかなか専門用語が多かったが、専門用語を理解するより前にガッツリ世界観に引き込まれ、気付いたら終わっておりました(え、もうでした)。
    体感時間は上演時間の半分ぐらいでしたね。
    出演者4人ながら、ここまで世界観に引き込まれるのは、戯曲のよさに加え、それを表現した役者陣には脱帽です。
    非常に素晴らしかった。

  • 満足度★★★

    カッコイイ舞台
    時系列がバラバラでキーワードを聞き逃さぬように集中して観劇。
    難しいようで分かり易かった。
    一瞬で時空を超える演出がカッコイイ。
    個人的にはもう少し内面を深く掘り下げる描写が欲しいかも。

  • 満足度★★★★

    演出が素晴らしい
    恐怖という感覚を無くしたらこうなったという話ですが、時間軸を動かしたりして謎解きの要素が加わり、重厚な2時間のストーリーに仕上がっていました。

    ネタバレBOX

    免許取りたての弟が運転する自動車の事故が引き金となって血栓が破裂し脳の一部に損傷を受けた姉は、恐怖という感覚を無くして性格が変わり、性欲を抑えきれなくなり、父親や弟と淫れた関係になり、夫婦関係は壊れ、最後は恐らく別の血栓が破裂するなどして姉は死亡、弟も父の許を離れるという話。

    恐怖の感覚が無くなったことによるものか、あるいは物語上脳のその辺りに存在していて機能が衰えたものなのか、防衛本能も無くなっていました。

    ビックリすることは無いのでしょうが、かと言って、いきなりビリヤードのキューが振り下ろされてきたときに身を避けることもしなくなるとは。うーん、そんな気もするし、そんなことはないような気もして、ここが一つの見せ場なんでしょうが、それだけに考え込んでしまいました。
  • 満足度★★★★★

    最近では最高の
    言い方が悪いかもしれませんが・・・もった芝居でした。(イイモノをってことと、時間的にもという意味でね)


    冷たい感触で進む物語、それは照明や音といった効果がとても魅力的だったと思います。ラストのほんの少しの温かいシーンがより引き立つ、そんな印象です。


    ここ数年では最高の観劇になりました
    谷賢一さんに感謝したいです。

  • 満足度★★★

    クール
    シンプルな舞台が好きなので、役者4人だけでワンシチュエーションという本作は好みのスタイル。装置も証明も音響も役者も良かった。ただ、作品のテーマというか作者が表現したかったものが何なのかは微妙に見えづらく、しばらく咀嚼が必要に感じた。

  • 満足度★★★★★

    おおあたり
    ここ最近の観劇で、一番のヒットでした。
    自分にとって、ものすごくツボであり、感動したのに、言葉にすると軽くなってしまうため、感想を言葉に出来ない作品。
    じんわりと。3、4日経ってからふと思い返すような、そんな後味でした。

  • 満足度★★★

    ヌードマウス
    役者さんはみんな素晴らしかった。脳科学も興味深かった。
    でも自分のなかでは期待がでかすぎたかな。あと一歩でかなり響いたんだけど、想像の範囲をこえないというか。

    私の中では婚約者(夫)役の人が一番良かったです。

    ネタバレBOX

    あとでしのぶさんのレビューを読んでいて、姉さんが亡くなっていたことを知りました。それまで、息子帰ったら、父親一人で看病できるの?って思ってました。
    所詮、私の理解力ってそこまでと反省。
  • 満足度★★★★★

    人間
    確かにそこにある明日 という 明日は
    あるとは保障されていないし。

    いろいろと考え込んでみます。


    なんとなく 
    独特な空気感だなと 思いました。

  • 満足度★★★★

    役者さん全員良い
    内容だけ読んだら理系ぽい感じで進むのかと予想してたら、それらは基礎部分。
    家族、人間、親子、夫婦。大切な人とのもつれた記憶の感情の糸を紡ぎ出していくような静かに心に残っていく作品だった。
    無機質に見えそうな舞台セットの中に、照明の使い方が映えて綺麗だった。
    DVDパンフ売り切れていたので、指定サイトで購入。
    売り切れはしょうがないけど、DVDパンフって販売方法は良いかも。

  • 満足度★★★★

    いかにも谷賢一作品
    ベースとなる題材が脳科学だけに序盤は理系で硬質な印象(装置や照明もそれに輪をかける)だが、物語が進むにつれて「家族」や「人と人とのつながり」「愛」などの主題が浮き上がってきてあたたかい感じに変容する。この味わいはまさに谷賢一作品、的な?

  • 満足度★★★★

    感覚的。
    谷さんの書いた台詞の美しさは、感覚的な話であればあるほど、とても綺麗に胸に響くなぁと僕は思いました。大原さんはどっしりとしながらコミカルなことができる器用な人だと思っていましたが、すごく不器用で、暖かくて、優しくて弱くて、とても人間的な魅力がある人だなと思いました。好きになりました。

    お疲れさまです。

  • 満足度★★★★★

    日本演劇史における財産
    こんなド・ストレートでストイックで硬質な芝居を若手で他に誰が書けるだろうか。

    山本亨さんという名優を得て谷くんのサディスティックな長台詞が生きる。

    2時間10分、言葉と祈りで埋め尽くされた美のタペストリー。

    ネタバレBOX

    大原研二くんも佐藤みゆきさんも増田俊樹くんもステキ。ていうか役者への全幅の信頼が無ければ作れない芝居。また役者側からしても演出への全幅の信頼が無ければ演じれない芝居。信頼の結晶を見た。全編セリフと感情の応酬。息もつかせない。

    これは、越えられることなき名作、デヴィッド・オーバーン「プルーフ・オブ・マイライフ」越えを目指し、実際越えた作品だろうと思う。真理や祈りだけでなく、谷賢一らしい捻じれたエロティシズムが胸を締め付ける。

    そしてやっぱりこのような作劇の機会を与えたプロデューサーの伊藤さん@ゴーチ・ブラザーズがすごいんだろうと思う。こうやってちゃんと劇作家・演劇を育てるPがいるって日本もまんざらじゃない。って思う。

    谷賢一「ヌード・マウス」は日本演劇史における財産となるだろう。なので今後、再演なんどもされるだろうからスケジュール調整難しい人はあえて今回観に行かないでもいい。初演を見たというのは僕だけの特権にしておいて欲しい(^^;

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