アドバタイズドタイラント【ご来場ありがとうございました!!】 公演情報 アドバタイズドタイラント【ご来場ありがとうございました!!】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.6
1-14件 / 14件中
  • 満足度★★★

    心地よい煩雑感
    内容はあまり感じることがなかったが、演出手法の強烈さが印象的。激しく同時進行・同時発声が続き、追いかけるのがかなりキツかった。しかしそれは不快ではなく、舞台から挑戦されているような感覚で、それ自体がエンターテイメントとして楽しめた。

  • 満足度★★★

    本公演を初めて観た
    手法というか見せ方が面白くこだわりを感じた。
    ただ、芸術性は感じるがメッセージがイマイチ届かなかった。
    自分には難解すぎたかも。
    次も観たい。

  • 満足度★★★★

    270(12-023)
    18:00の回。17:00 受付(整理券なし)、17:30開場で実質的には開演、役者さんは舞台上、始まっています。客入れの時の音楽はイヤホンからの音漏れ、前説はお芝居の中の(遠くに聞こえる)放送。水天宮のときのように、会話が縦横斜めにやりとりされ、絡み合わないけど、時々、接点を持つ。なのでそれらをまとめようとはしないで、細切れ状態のものを飲み込む。目と耳、特に耳は口調、トーンに注意する。清水さん(4作目)つながりで観劇、終わって(19:36終演)ロビーに戻ると萩原さんがいらしたので銀座に行く旨をお伝えする(かもめマシーン)。


    ネタバレBOX

    動くもの、声のする方向に私の意識は向かいます、それは危険であるかを判断するために必要な自然なもののひとつなのでしょう。舞台では、左右と前後(高低あり)で状況はひとつながら、事情(あるいは損得勘定)は異なるヒトたち。客席にあってもそれぞれのものを抱えているヒトたち、静かな客席も火田七瀬からみたら騒々しいのでしょう、どう取捨選択しましょう、台本をみると上下2段書きです。

    水天宮でみたときこれはあわないと感じていました。舞台設定の関係もあったのでしょう、どこがどうなのかわからないままでした。あれから演劇の荒波にもまれ面白い(というより不思議の方が近いかも)と感じる波長は少し拡がったようです。今回、焦点を合わせるため、多少視野の移動が必要でしたが、何となく全体の動きはつかめました。ただ、耳を集中させると視界は一気に狭まります。ぼんやり、聞いているようで聞き流すようにしたほうがよかったのか。
    日常、二つをいっぺん(同時)に相手することはなさそうですし、もし、そんなシチュエーションになったら、どちらか一方を止めるでしょう。でも、同時通訳などは2つ一緒なんでしょうね…。
    瓦礫に囲まれた場所じゃない場合、どうなるのだろうと考える。
  • 初めて拝見しました
    おつかれさまでした。

  • 満足度★★★

    「その場に居合わせている」感覚
    初見だった前作と通ずる世界観はイマにも近未来にも思われ、同時多発会話も相俟って妙に現実的で「観ている」のではなく「その場に居合わせている」感覚が独特で惹かれる…ってか「引きずり込まれる」の方が的確?

  • 満足度★★★★

    掴めたかも
    過去の公演を観て強い魅力を感じつつ、
    一方で
    理解できた実感のようなものが希薄だった
    作り手の作品でしたが・・・。

    今回は、それが作り手の意図とは全く違ったものであっても、
    明確に作品のイメージを自らに広げることができました。

    ネタバレBOX

    客席に座ると、
    舞台上にはすでにある種の空気が作られていて。
    そのまま、どうやらシーンが展開していることに気づく。

    舞台上のあちこちで交わされる会話に
    いくつかの世界と感覚が浮かんでくる。
    謝罪会見をしたがっている男たち。
    映像や写真で、
    被災地のドキュメンタリーを取ろうとする男や女、
    広告の意義、
    新しい明日を語る人、
    軽質で耳触りのよい音楽
    そして、そこには
    空間を会議室となし、被災地となす表現の力が編み込まれていて。

    この劇団の過去の作品と同様に、
    始まってから暫くは
    まるでパズルを置かれたように
    舞台を眺めていました。
    伝わってくる感覚は確かにあるのに、
    それらが舞台上の断片的な表現と繋がってこない。

    でも、登場人物の耳から外れたイヤホンから
    流れ出してくる音楽が聞こえてきて、
    それが、再び耳にセットされて途切れた時
    ふっとそれまで目の前の動作や言葉ではなく
    その向こう側に垣間見えている空気のようなものに
    焦点がずれたような感覚がやってきて。

    で、その空気のリアリティに気がつく。
    そして、その感覚の先に舞台の事象を観ると
    繋がらなかったものたちがひとつの世界として
    そこにあることが分かる。

    なんだろ、目に良いとかいって立体視の訓練をさせるような
    本があるじゃないですか。
    あれで初めて絵面から奥行きが見えた時の驚きに近いものが
    突然に訪れて愕然。

    そこには、震災後の、
    しっかりと精度をもった空気のスケッチがあって、
    それらの変化の記憶と今が
    しなやかに可視化されていることに気づく。

    一色に塗りこめられることのなかった
    この国の空気、
    同じベクトルに走ることのなかった危機感、
    一方で閉塞感への苛立ちや
    理想へ吸い寄せられていったり、あるいは嫌悪される感覚・・・、
    そして、
    たくさんの失われたものが存在するなかでも
    日々の感覚が喪失したわけではない。
    この作品には
    マスプロダクトなイメージや枠組みにとらわれない、
    もっと自由な息遣いと暮らしの俯瞰があって。
    広告や表現を作る側の意識や
    作品のイメージが導くものと
    一人ずつの生きることの間での同化と乖離が
    混在した一つの世界の俯瞰のごとく
    観る側に広がっていくのです。

    それらは、均一に染められたりすることなく
    ぞくっとくるほど細緻に表現された
    震災から10ヶ月たったこの国の今の肌触り、
    そして、明日への展望となって
    観る側を浸し込む。

    作品を支える
    作り手の恐ろしいほどの感性と
    デッサン力、さらには空間の構成力を実感。
    観る視座が変わって、役者たちの秀逸がわかる。
    舞台美術やライティング、
    そして、たとえば被災地を取材するものたちが歩くベクトルなどの
    演出のうまさに舌を巻く

    まあ、受け取ったりひろがったものが
    作り手の意図したものと全く違う可能性は十分にあるのですが、
    でも、それも含めて演劇なのだろうと思うし、
    震災や震災後の描写を含んだ作品を観るときの
    ある種の行き詰まりや拘束からの開放感と
    誤魔化し得ない実態の質感が
    劇場の外で現実に過ごすこの時間への、
    新たな視野を運んできてくれたわけで・・・。

    作り手が編み上げた作品の見かたを
    完全に理解したとはいえないのですが、
    少なくとも私には、
    これまでに体験したことのないような
    新しい感覚で
    ひとからげにしない今を感じることができた作品でありました
  • 満足度★★★

    部屋のそとはいつも破滅的
    なジエン社ですが、今回も。同じフレーズの同時多発がおもしろい

  • 満足度★★★★

    舞台美術が秀逸!
    真ん中の通路がどこまでも続く感じで、物語に奥行きと立体感を持たせた。
    登場するキャストが皆うまく、また台詞の間合い等見事だった。

    物語全体としては、私には少し難しすぎた。

    でも刺激的な作品であると感じた。

  • ・・・
    ・・・ ( - - ; )

  • 満足度★★★

    謝罪
    初ジエン社。
    見せ方は変化球だけど思いの外ストレートなお話。
    ここまで技巧を尽くす必要があるのかは疑問だ。
    5時間くらいやったら傑作扱いされるんだろう(皮肉ではない)。
    もっと先があるようにも感じた。
    北川未来がとてもいい。視線とか声とか。

    ネタバレBOX

    割れ目は目に見える形で提示してもいいんじゃないかと、後からぼんやり思った。
  • 満足度★★★★

    仕事・芸術・生活
    広告業界の人達を中心に、複数の異なる時間や空間のエピソードが同時に進行する作品で、自虐的なブラックユーモアや男女関係のもつれを通じて、消極的な現状肯定あるいは否定がドライな感覚で描かれていました。

    海をモチーフにしたCMが東日本大震災を想像させ不謹慎だとされて謝罪会見を開くことになったその当日に、東京でも大地震(?)が起き、会見どころではなくなってしまった広告会社での様子から始まり、その会社の社員や彼らに関わりのある人達の過去のエピソードが断片的に積み重なり次第に話が明らかになって行く構成でした。
    それぞれのエピソードは夫婦や恋人、不倫といった男女関係にまつわるものが大半で、その会話のやり取りから、仕事や芸術や生活に対しての考え方の相違が浮かび上がり、混沌とした現代とどの様に向き合うのかを考えさせられました。物語構造を明快にする為に敢えてそうしたのかもしれませんが、ドラマとしての盛り上がりに欠けると思いました。
    「役に立たない」、芸術活動をしている人や謙遜している様に振る舞いながら自慢する人を皮肉的に描写するセンスが楽しかったです。

    時間や場所の異なるいくつものシーンが同時進行したり、転換を挟まずに瞬時に入れ替わったりしつつ、別々のシーン同士の台詞がシンクロしたり呼応したりと、とても凝った造りの脚本でしたが、観ていて分からなくなることのないスマートな演出で素晴らしかったです。ダイアローグの途中で1人が他のシーンに移って、そのままモノローグになったり、日常会話的な文体の中に突然芝居がかった台詞回しが現れたりと、台詞の扱い方も多様で面白かったです。

    脚本と演技がかなり良かったので、ビジュアル面での演出が物足りなく感じました。斜面に埋まった様な室内のセットのコンセプトは面白かったのですが、造りが中途半端にリアルで逆に安っぽく感じられ、もっと抽象化した方が良いと思いました。ステージの広さ的に無理だとは思いますが、段状にしないで床全体を斜面にした方がこの作品の内容に合っていると思いました。
    セットの造りとも関連するのですが、各シーンでの役者達の配置も絵としてあまり美しく感じられませんでした。先鋭的な脚本に相応しいスタイリッシュなビジュアル表現を見せて欲しかったです。
    照明は何度かスポットライトが用いられる以外は色を使ったりもせず、あまり目を引く様な変化はありませんでしたが、微妙に明るさを変えたり細かく配慮されたデザインが施されていて、素晴らしかったです。

  • 満足度★★★★

    本公演は初めて観ました
    芸劇eyesで上演した作品の、時間を経たうえでの語り直し的な作品。

    アレを観たときほどの衝撃はなかったし、やや冗長に思える部分もなかったわけじゃないし、ピンとこない部分もあったりするわけだけども、それでも十分に、十二分に見ごたえのある作品。
    疲れたけど、面白かった。限りなく☆5に近い☆4。

    役者さんの身体表現の的確さも好印象。

    この方法論での本公演は初めてだったとのことですが、次回作でどのように進化しているのかが、今から楽しみです。
    ・・・って次回公演は11月か、時間結構空いちゃうなあ。F/T、受かりますように。

  • 満足度★★★

    ややネタばれ
    ややネタばれ

    ネタバレBOX

    前作の短編では震災の影響を受けた東京?での人々を描いていたが、
    今作も震災で被害を受けた人々と被害は直接受けてない人々との精神の亀裂とズレを描いている。
    震災から時間が経つに連れて見えてくる本来の問題点を見事に突いていて、着眼点は抜群だ。
    傷を負った人、ボランティアの人、商売として利用する人などを、3つ、4つの物語を同時進行で見せていく方法論は圧巻だ。が、作・演出の作者本介は方法論ありきに偏ってしまい、その中で苦悩する人物像には肉薄出来なかったようだ。方法論のみだと芝居自体は退屈になってしまい、観客は飽きてしまうのは明白だ。だが方法論が完璧なだけに、人物像を掘り下げていけば恐ろしいまでの傑作が出来るであろう。
    でも、作者本介はまだ20代、これからが非常に楽しみだ!

  • 満足度★★★★★

    川の流れのように
    また、こっそり観に行ってきました(笑

    今までとだいぶ雰囲気が変わっていて、なかなか面白かったです。

    ・・ちなみに観劇前にアンケート書いていて改めて気づいたのですが、
    自分はジエン社の第一回公演以来、たぶんすべての公演を観ている・・
    らしい(1こはちょっとすぐ思い出せない・・)のに気づいて、
    なかなかに感慨深くもあったり・・(笑

    そして気を引き締めなおして観た舞台がなかなかに斬新でもあるようにも見え、
    前回公演と比べてもかなりの挑戦をしているようにも思われて、それが嬉しくもあったり(笑

    「きっちりとまとまっているの?」
    と、言われるなら・・はい、そうですとは言いにくい(苦笑

    ただ、もし今現在思い、悩み、探し求めていることを
    そのままこのような形の舞台にのせようとするのなら、
    それはきっちりまとまっていなくてもしょうがないのではないか。
    むしろ逆に、まとまっていることの方が不自然にも思えます。

    現在進行しつつあるさまざまな事象に対して、
    きちんと分析し終わるのを待ってからでは、熱が失われてしまうし。

    作者の、不器用なところも良い。
    いつも個性的な役者達と絡み合って、旨い味を出しています。

    今回は、あちこちで人の流れと、
    時や、川の流れとがリンクして、
    舞台のあちこちで澱んだり、蠢いたり、突然動き出したり、分散したり、
    まるで早春の小川のせせらぎでも見ているみたいで、
    物語の筋とはまた別に、
    代理店や社会のカオスや震災後の人びとの心の移ろいを、
    春の草原でも見るみたいに捉える楽しさがあったように思います。

    そのあたり、まだ未完成な雰囲気はありましたが、
    他の劇団ではちょっと見られない新しさ、
    即興音楽でも聴くみたいなリズム感があってとても良かった。


    ちなみに、自分も昔、就職活動をしていたとき、
    代理店やテレビ局の人たちの話を聞いたことがありました。

    その時、常に前に進み続けなければ息をつげない代理店の仕事の終わりのなさ、どんな商品も、それがクライアントの売りたいものであるならば、全身全霊で肯定し続けなければならない営業という仕事の途方もなさ(考えてみれば、そんなにも素晴らしい商品が日本国中に溢れているなんてことがありうるんだろうか・・)に気づいたように思います。

    そして、「謝罪」とい名のパフォーマンスが日夜繰り広げられるこの硬直化した社会。

    ほかにもいろんな、健全とは言い難いようにも思われるこの社会のなかの
    当たり前にもなっているいくつかの現象について、
    私見をうっすらと交え、
    同じ登場人物の中のいく人かの心の声を通して
    スケッチしたり、交差させたりしながら、
    答え(のようなもの)を探し求めている。

    自分はけっこう好きですけどね、こういうの(笑

    でも、最初の地点(公演)からずいぶんと遠くまで旅してきましたね。
    ・・・もう海は見えた?(笑

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