アドバタイズドタイラント【ご来場ありがとうございました!!】 公演情報 The end of company ジエン社「アドバタイズドタイラント【ご来場ありがとうございました!!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    川の流れのように
    また、こっそり観に行ってきました(笑

    今までとだいぶ雰囲気が変わっていて、なかなか面白かったです。

    ・・ちなみに観劇前にアンケート書いていて改めて気づいたのですが、
    自分はジエン社の第一回公演以来、たぶんすべての公演を観ている・・
    らしい(1こはちょっとすぐ思い出せない・・)のに気づいて、
    なかなかに感慨深くもあったり・・(笑

    そして気を引き締めなおして観た舞台がなかなかに斬新でもあるようにも見え、
    前回公演と比べてもかなりの挑戦をしているようにも思われて、それが嬉しくもあったり(笑

    「きっちりとまとまっているの?」
    と、言われるなら・・はい、そうですとは言いにくい(苦笑

    ただ、もし今現在思い、悩み、探し求めていることを
    そのままこのような形の舞台にのせようとするのなら、
    それはきっちりまとまっていなくてもしょうがないのではないか。
    むしろ逆に、まとまっていることの方が不自然にも思えます。

    現在進行しつつあるさまざまな事象に対して、
    きちんと分析し終わるのを待ってからでは、熱が失われてしまうし。

    作者の、不器用なところも良い。
    いつも個性的な役者達と絡み合って、旨い味を出しています。

    今回は、あちこちで人の流れと、
    時や、川の流れとがリンクして、
    舞台のあちこちで澱んだり、蠢いたり、突然動き出したり、分散したり、
    まるで早春の小川のせせらぎでも見ているみたいで、
    物語の筋とはまた別に、
    代理店や社会のカオスや震災後の人びとの心の移ろいを、
    春の草原でも見るみたいに捉える楽しさがあったように思います。

    そのあたり、まだ未完成な雰囲気はありましたが、
    他の劇団ではちょっと見られない新しさ、
    即興音楽でも聴くみたいなリズム感があってとても良かった。


    ちなみに、自分も昔、就職活動をしていたとき、
    代理店やテレビ局の人たちの話を聞いたことがありました。

    その時、常に前に進み続けなければ息をつげない代理店の仕事の終わりのなさ、どんな商品も、それがクライアントの売りたいものであるならば、全身全霊で肯定し続けなければならない営業という仕事の途方もなさ(考えてみれば、そんなにも素晴らしい商品が日本国中に溢れているなんてことがありうるんだろうか・・)に気づいたように思います。

    そして、「謝罪」とい名のパフォーマンスが日夜繰り広げられるこの硬直化した社会。

    ほかにもいろんな、健全とは言い難いようにも思われるこの社会のなかの
    当たり前にもなっているいくつかの現象について、
    私見をうっすらと交え、
    同じ登場人物の中のいく人かの心の声を通して
    スケッチしたり、交差させたりしながら、
    答え(のようなもの)を探し求めている。

    自分はけっこう好きですけどね、こういうの(笑

    でも、最初の地点(公演)からずいぶんと遠くまで旅してきましたね。
    ・・・もう海は見えた?(笑

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    2012/01/21 00:03

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