悟りktkr(ご来場下さいまして、誠にありがとうございました!!!!!!!!!) 公演情報 悟りktkr(ご来場下さいまして、誠にありがとうございました!!!!!!!!!)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★★

    拝啓 十五の君へ
    狭い劇場(教室)内に渦巻く役者さん(生徒)たちの怒号、ぶつかり合い。今にも爆発しそうなエネルギーは、見ていて苦しくなるほどでした。けれどそんな中、役者さんひとりひとりが、しっかり丁寧に会話を成り立たせていたところが素晴らしかったです。好き勝手に叫んでいるようでも、耳をこらすと、かなり面白いギャグがちりばめられていて、思わず笑ってしまいました。
    忘れていたはるか昔の自分の学生時代がフラッシュバックしたところへ、アンジェラ・アキの「手紙」が流れ、不覚にも涙が出そうに。あれ?これって泣けるお芝居だったっけ?・・・猥雑で、下品で、ぐちゃぐちゃで、危うくて、そして泣ける・・・不思議な劇団(笑)
    印象的だったのは、最後のトークに登場された作・演出の方。まるで生け贄の子羊のように震えながら(失礼)、懸命にお話されている姿を拝見し、ああ、真面目な方なんだなぁと。
    ハチャメチャなんだけれど、純粋で。うまく言い表せないけれど、とても魅力的なお芝居でした。


  • 満足度★★★★

    まじめ
    良い意味で裏切られる、真面目な劇団。一見してでたらめさな表象をきちんと読み解くと、確かに新しい世界が見えてくる。会場に着いて、受付で「開演前に絶対に読んで下さい」と配られる資料には、開演後に目の当たりにする世界を読み解く答えが書いてある。それは何だか「学生時代に教師にここテストで出るぞって言われた答えを書き写す生徒」的な気分で複雑だ。勿論、出来うる限り創り手の想いを理解したいし、共感したいんだけど。そして、今作で提示された「世界の見方」は自分の想像力だけでは読み解けなかったんだけど。答え合わせするのも、何か変な感じ。でも、全体通してこんなのは初めてでとても刺激的だった。

  • 満足度★★★★★

    一般客の扱いが酷すぎ、ってか最悪
    なので、もう観ることはないと思う。
    さよなら、宗教劇団ピャー! !




    ★の数は間違っていない。純粋に公演内容のみについて付けた。

    ネタバレBOX

    「今観たほうがいい若手の劇団ある?」と小劇場好きに聞かれたら、いくつかの劇団名の中にこの劇団を挙げるだろう。
    ただし…。この後は後ほど。

    中二病という安易な言葉を使うのはバカだと思う。
    そんなレッテルに安穏としているのはバカでしかない。
    さらに、それを自ら名乗るのは、「ばっかじゃねーの」と思う。
    自虐的な意味で使っていたとしても、自分でつまらないレッテルを貼って、そのレッテルのうらで安心しているのが、大馬鹿なのだ。

    しかし、そういうレッテルが欲しいという気持ちは理解できる。
    「キャラ」という問題だ。それが安定しないと自分の居場所がない、と感じるからだ。
    「演じる」という行為は「キャラ」とは切り離せないだろうから、「演劇やってます」ということは、やっぱり、この劇団の彼らにとっては、「宗教」に近いものがあるのだろう。

    で、今回の公演である。

    モロにソレなのだ。
    「自殺未遂」というのが流行する。まるで悪いウイルスのように人々を苛んでいくという世界の話だ。
    「自殺」ではなくて「自殺未遂」。
    「死」が目的ではなく、「失敗する」ことが目的なわけで、単純に言えば、「死」と「再生」を繰り返していく行為でもある。
    「生まれ変わる」なんて単純に言っちゃってもいいかもしれない。
    それは「憧れ」ではないだろうか。

    「自殺」なんてできないし、実際は死にたくないのだけど、なんか憧れるような感覚がある。
    それが、自ら望んだわけではなく、老人から順々に低年齢化していくという流行なので、そうなってしまう、というのは都合がいい。
    しかも死なない。安全。

    そんな世界観の中で、自分のキャラを後生大事に、各登場人物が衣装に書いて、演じている。
    登場人物が「演じる」という行為と、実際の役者が「演じる」という行為、さらに言えば、役者が「生きるために」日常生活で「演じて」いるという行為が、渾然となっていく。
    「ktkr」(キタコレ)って自分をアップさせながら。

    それは、前回も感じたことではあるのだが、今回はさらにヒートアップしていて、もの凄いことになっていた。
    ホントに凄いと思うのだ。

    「宗教(劇団)」の面目躍如ということろで、かなりの割合で、公演とその準備自体が、劇団員のリハビリになっているのではないかと思うのだ。
    社会に適応していくためのリハビリ。

    世界は大変なことになっているけれど、自分の周囲1センチぐらいだって大変なんだ、ということで、それを真正面から訴えるのは、なんかねー、なんだけれども、この作品では、彼らはきちんと向き合うとしているのではないだろうか。結果的なのかもしれないが。
    役者の本気の目が、ビンビンと来るんだよね。ヒリヒリするし。

    問題は、彼らが(役の上での「彼ら」ではなく、生身の「彼ら」が)「コミュニケシーション能力に欠けている」と思い込んでいることだ。
    確かに、「会話」はダメなのかもしれないが、演劇を通してのコミュニケーションについて、もっと信じていいのではないかと思う。

    つまり、やけに丁寧で説明的なのだ。
    例えば、開演前に今回の内容について丁寧に解説してある紙を配ったり、同時多発的に起こる台詞の中で、観客に聞いてほしい台詞を、きちんと届けようとして、会話のトーンを意識して調整したりなどだ。

    そんなことまったく気にしなくていいんじゃないかと思う。
    無責任に勝手にやれ、ということではなく、「届けたい」気持ちがあれば、「届いている」と思う。演劇の中では、そんなに自分をセーブしなくても、いいと思うのだ。
    つまり、演劇ぐらいは、もっと言うと「演劇している自分たち」ぐらいは、もっと信じていいのではないかと思う。

    前回、今回と観てきて、役者や作者の、自分たちの作品へのめり込み具合、飲まれ方の厳しさは伝わってきている。
    それだから、観ていて「凄い」と思う。
    この作り方でいくと身体も心も保たないかもしれない。
    だけど、乗り越えていけば、「リハビリ」にはなる……と思う。

    なんかぶっ壊れるまでやってほしいなと思う。

    今回のようにDJとかVJよろしく、照明とか音響をその場でマッチさせるというのもいいなと思う。彼らはど真ん中とか、祭壇のような場所の左右にいてもよかったのではないか。

    で、冒頭の話に戻るわけだが、
    「今観たほうがいい若手の劇団ある?」と小劇場好きに聞かれたら、いくつかの劇団名の中にこの劇団を挙げるだろう。
    ただし、この劇団の姿勢(一般客への姿勢)は酷いものである。
    そんな酷い目に遭うかもしれないし、遭わないかもしれない。
    遭っても、「まあ、いいか」と思う人のみへのオススメである。


    今回、何が起こったのかを一応書いておこう。
    ここからは、鬱憤の撒き散らしになるので、そういうのが嫌いな方はスルーで。



    会場に着いて、係の人に席に案内された。中央部分の見やすい席だった。
    ところが、開幕から30分経って、その係の人が「席を移動してくれ」と、私と隣の人に言ってきた。上演中にだ。演出なのか何なのかわからないから席を動いたら、遅れて3人の男性が入ってきた。
    そして、私たちが座っていた席に案内したのだ。
    私は、端の後ろに折りたたみを出されて座らされた。
    「何これ?」と思った。演出ではない。
    単に、劇団にとって大切な関係者が来たので、見やすい席を案内したのだ。上演中なのに一般客を移動させてまで。
    これは呆れてしまった。
    そこで大人の対応で、セットを壊しながら大声で叫んでもよかったのだが、だらしないことに、結局そのまま我慢してしまった。

    このエピソードの凄いところは、30分遅れてやってきたその3人の「劇団にとって大切な関係者」たちは、途中で出て行ってしまったということだ。
    素晴らしいオチだ。私は笑った。

    どうやら、彼らの公演は、今後のステップに大切な「関係者様」にご覧になっていただくためのPRの場であり、観客は公演を飾るセットぐらいにし考えてないんだろう。

    で、もう行かないな、この劇団と思ったのだ。

    その係の人がどうこうではなく、一般客を大切にしない劇団ということなのだろう。

    さようなら、宗教劇団ピャー! ! さよーならー!
  • 満足度★★★

    ネットの世界と現実
    もう、学生でなくなって何年にもなりますが、今の学生って怖い・・・
    演出家の方のメッセージ性がとても強い作品だと思いました。

  • 満足度★★★★★

    横浜に現れた異空間
    劇場に入ってステージセットを見てウワァと感じるインパクトやアクの強さ、危ない感、あやしい感は、関東地方の劇団の中ではピャー!が5位以内に入るのではないでしょうか。是非、劇団のウェブページに写真を載せて欲しいです。大きな宣伝になると思います。
    作品の中身はというと、中二病とか自らを矮小化しているのとは反対に、『2001年宇宙の旅』を彷彿させるような(特に最後の5分間)命や存在の根源に迫る大スケール(←私の勝手な解釈)。
    アングラ、アバンギャルド系劇団として、やりたいことをとことんやりまくってるのと同時に、理解の助けとなるような解説を配布したり(←これがあって良かった)、終演後にゲストを交えたトークや質疑応答コーナーを行なうなど、視界の中に観客がしっかり入ってる点にも好感が持てました。末永く応援したい劇団です。

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