柏原照観展 公演情報 柏原照観展」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-6件 / 6件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    今年の観劇を振り返っていて、ああ、これは良かったって手を打った。
    大作だったりすごいテーマ性があったりでは無いんですが。
    芸術に宿る魔力みたいなのを不気味なホラーとして、架空のアトリエ空間に現出させてた。
    締めになる、最後のスマイルは本当に印象的だった。
    終演後、舞台になった展覧会を鑑賞出来るのも、洒落てるなって。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    すげぇーおもしろかった!
    時間あえばもう1回観たいくらい。笑える要素はほぼない。
    フライヤーからじゃなんにもわかんなかったけど、話には引き込まれるし、役者もうまーい!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/02/22 (木) 14:00

    私設美術館を開設するほどの美術蒐集家・その子たち・孫の三代を3つの時代で描いた連作短編集。
    1編目は芸術家の業や傲慢さからの悲劇という印象だったが2編目の中盤あたりからサイコホラー臭が漂い、3編目は完全にそちらにシフトという……。
    観劇直後は「新感覚ホラー」という印象だったが、帰路つらつら考えてみたら複数のモチーフに民間伝承の怪談話を思わせるものがあり、つまりこれは「モダンホラーの皮を被った古典怪談」ではないか?と思ったり。
    また、すべては語らず謎を残したままシレっと次に移る構造に清水崇監督の「呪怨」(ビデオ版)も連想。そして、観客の想像に委ねる幅が大きいだけにいろいろな解釈ができそう。
    あと、1編目は時代背景のためもあってか往年の「江戸川乱歩の美女シリーズ」を想起。(笑)

    ネタバレBOX

    1989年での舞佳の妊娠、発覚時点では近親相姦かと思ったが本人の言から処女懐胎と思い直す。
    そしてケイが憑依したように見える2024年の由希の異変も考えてみると舞佳に宿ったのはケイの「執念(怨念よりもこちらだと思う)」あるいは「残留思念」であり、由希はケイの化身/転生ではないか?
    霊などの子(あるいはそれ自体)を宿す処女懐胎は日本の怪談だったか海外の悪魔伝説だったか(あるいはその両方)になかったっけ?
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    凄いものを観た。
    まだ2月なのに今年一かも!
    三代に渡る緻密な構成の物語が素晴らしく、各代の中心となる役者の怪演にぐいぐい惹き込まれた。
    特に2場の終盤の一瞬の憑依に背筋が凍った。
    ラストシーン、子々孫々続くのか?あれで終焉なのか?気になる。
    面白く、怖かった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    流石に面白い。舞台上は展示室になっており、数々の仏画が並べられている。(エアブラシ・アートなのが時代背景と合わず気になるが···)。中央に置かれた台座。
    画家柏原照観(山本佳希氏)の大ファンである資産家(越路隆之氏)が道楽で運営する個人美術館。1954年(昭和29年)、柏原照観のアトリエで見初めた彫刻品を購入、それを展示することに。運ばれて来たそれは漆黒の消し炭で作られたような異形の禍々しいフォルム。何本も腕が突き出している奇形の阿修羅像。
    柏原照観の妻(赤猫座ちこさん)はその像の前で涙を零す。「本当は売りたくないんです。必ずお金を用意して買い戻しますから、決して誰にも売らないで下さい。」
    資産家の娘(小森かなさん)と結婚し、入婿となった次期当主(とのむらゆうだい氏)はそれを約束する。
    だが、しかし・・・。

    赤猫座ちこさんは増村保造顔。こういう暗い過去を背負った役がハマる。
    今作のような設定の閃きがこの作家のかけがえのない財産なのだと思う。

    ネタバレBOX

    ①1954年
    空襲で産んだばかりの赤子を黒焦げにされた戦争未亡人の赤猫座ちこさん。戦後ガード下で街娼をやりながら彫刻を彫り続ける。頭の中の赤子が肉体を求めている。彼(彼女)に相応しい彫刻が完成したら、もう一度魂は地上に戻って来る筈だと。そんな女に欲情した画家、柏原照観は家に連れ帰って娶る。柏原照観はもう描けなくなっていた。自分の中に仏が何処にもいなくなったのだ。狂気の彫刻を完成させる赤猫座ちこさん。頭の中の赤子がいろんな表情を求める。いろんな仕草を求める。ただ足だけは付けてあげなかった。何処にも行かせない。私のもとにずっと居るように。子守唄。

    ②1989年
    柏原照観の遺作となった阿修羅像はある時期一代ブームを呼ぶ。この彫刻に祈願すると子宝に恵まれるのだ。美術館を経営する嶺井戸一族の当主は遺書を残して自殺した。顧問弁護士(國枝大介氏)が相続会議を開く。妻(丸本陽子さん)、長女(二ツ森恵美さん)、次女(片渕真子さん)、三女(星野梨華さん)。同席する従姉妹(丸山夏歩さん)と潜入するフリーライター(吉成豊氏)。明かされる彫刻の秘密。異常に妊娠することに恐怖を覚えていた女達。会議の後、軽度の知的障害を持つ三女・星野梨華さんは妊娠していることを丸山夏歩さんに告げる。しかも性行為など全くしていないことを。そして口ずさむのは知らない子守唄。

    ③2024年
    もう美術館は閉館し、土地も建物も売り払ってしまうことに。最後の管理者、青木絵璃さんのもとに離島で暮らしていた嶺井戸一族の末裔が訪ねて来る。三女・星野梨華さんの娘である車椅子の池島はる香さんと恋人の辻󠄀響平氏。母は処女懐胎の娘を阿修羅像から遠ざける為、離島に籠もったのだ。阿修羅像は約束された肉体である池島はる香さんに到頭受肉することに成功。子守唄。

    ②の星野梨華さんが強烈。「黙れ!」
    ③の肉体を乗っ取られる池島はる香さんの葛藤。「違うよ。」

    子供を妊娠する恐怖、処女懐胎が混乱を招く。とにかくこの世に生まれ出る肉体を求める悪霊の話なのか。逆に一族は誰も子孫を残せない方がよかったのでは。彼(彼女)が現世に誕生するまでは、誰も妊娠出来ない方が。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2024/02/22 (木) 19:00

    架空の画家・柏原照観が作った(?)彫刻に関する短編集。かなり恐ろしいホラー系。40分,40分,22分。
     1954年、1989年、2024年という35年おきの3場に分かれた、とある画家が作った彫刻に関する物語。ある家族の歴史と画家の夫婦の怨念が混じり、徐々に怖くなってくる。ありえねぇ、って思っても、かなりなものになる。役者陣もタイトに熱演しているが、1場の赤猫座ちこと3場の池島はる香が印象に残る。最後のセリフが強烈。

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