ブループリントの岬 公演情報 ブループリントの岬」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.2
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  • 宋さんという人
    私が演劇を勉強しに毎日新宿の稽古場に通っていた頃
    私が目指す背中があって
    それが一期上の先輩達でした

    で、そのとき彼らが必死に稽古をしていたのが宋さんの芝居で
    出来上がった作品は
    私に相当なインパクトを残しました

    宋さんという人を私はよく知らないのだけど
    宋さんをなんとなく大好きな理由はあって
    それは、決して小器用ではなくて誰かを思う気持ちがやたら強い、というところで

    そういうのが私は観たくて
    宋さんの芝居をきっとこれからも観に行くんだと思いました

  • 満足度★★

    台詞にびっくりするような言葉が多くて
    在日韓国人である作家が中心の物語。
    正直、台詞にびっくりするような内容が多くて、
    私としては違和感を抱いてしまった…。

    ネタバレBOX

    この作家の「彼女」は日本人なのだが、その兄に、韓国人との結婚を打ち明けると、韓国人に対するひどい罵りの言葉を激しく浴びせられる。
    しかし、戦前でも在日と日本人が結婚することも
    決してレアケースではなかったわけだし、
    まして現代では韓流がブームになるご時世……
    まあそれは、現実には、今でも色々問題となる家庭もあるのかもしれないが
    ……それでも私などは時代錯誤的に感じてしまった。

    また、在日へのいじめがあったとか無かったとか、一方で、
    在日の人物が良からぬ生活を送っていたり、
    また、(これも一昔前なら良からぬ話に分類される)同性愛の問題も
    絡まったりで、まあ、テーマは盛り沢山とも言えるのだが、
    結局訴えたいことは何なのか…結局、日本人も在日も
    いい人も悪い人もいる、という一般論的な話なのか?…
    焦点も定まり切れていない気がした。

    そして、初めは激しく在日との結婚を反対していた兄が、
    最後には認める方向に心変りしていたが、
    これも私には説得性が感じられない気がした。
    結局、この芝居全編を通して、台詞や筋が不自然で
    作為的に感じられたのが残念。
  • 満足度★★★★

    見るとタイトルの意味が分かります.
    最初の前説の方の雰囲気で,すこしいつもの感じとは違うなとは思いましたが,イーグルなんとかはちょっと笑ってしまいました.
    演じている人は若いのですが,なんだか今の若者とは違う感じな演技でした.でもそれも面白かったです.
    途中は気の緩んだところもありましたが,途中から急に面白くなり,一気にみれました.
    テーマとした、在日 の方の気持ちの一つに触れることができたような気がします.お母さんの気持ちは共感が持てました.
    主人公の人の自然体な感じも無理なくてよかったです.
    お兄さんは極端ですが,芝居だからいいと思います.
    楽しいばかりでなく、こういういいたいことがはっきりしているお芝居もいいと思いました.

  • 満足度★★★

    過去の記憶を封印
    セットのデザインが面白い。最初見たときは屋外かなと思ったけど、屋外にも屋内にもなって便利。叔父さんとバーのママさんがいい感じ。こんないい叔父さんに育てられたのになんで家出同然で出て行ったのかな~?

    ネタバレBOX

    「ブス」とか「バカ」とかを連発していたのは、差別されてる側だって、無神経に人を差別してることがあるって、言いたかったのかな、と。私は感じた。美恵子さん役の方は、全然ブスじゃないですよ~。海老蔵の奥方に似てると思う。ひどいよね~
  • 満足度★★★★

    人種差別を扱った作品
    この劇団は初見だった為、どんな舞台を見せてくれるのか興味津々ではあった。結果、観て良かったと思える舞台だった。哲夫の叔父役の宋英徳の自然な演技力は流石!またリズ役の石塚理恵を久しぶりに観たが、相変わらずの存在感のある演技だった。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    小説家・哲夫は韓国人として日本に生まれ小さな頃から差別を受けてきた。彼が4歳の頃に母親は父親の暴力に耐えかねて家出し、酒乱の父親はその後、自殺した。哲夫は両親から捨てられたと思い込み、彼らの遺伝子として自分の体にブループリントされた自分自身も好きにはなれず、屈折していた。

    そんな彼を9年間支えてきた日本人女性で恋人の美恵子。これらを主軸に韓国人が日本で差別を受けながら生きるという環境をモチーフに、哲夫と美恵子の結婚、哲夫と母親の捩れた空間での出会いを綴った物語だ。

    哲夫の母親が哲夫に会いたい一心であの世とこの世の狭間から会いに来た場面、時間の捩れが作り出す空間はやはり親子の密な情景で落涙した。ただ、笑いを取る為だろうが、美恵子を「ブス!ブス」と詰る場面が多く、人種差別を扱ったテーマなら、こういった差別行為や言葉はやはり慎むべきとも思う。

    終盤、哲夫の叔父が放つ言葉の数々にジーン・・と胸打たれる。
    全体的に序盤は大丈夫か?!と心配になるほど、舞台の空気感に馴染めなかったが、中盤から終盤にかけての物語のうねりは、時として涙を誘い、また笑いのネタの散らし方も絶妙で素敵な物語だった。

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