ブループリントの岬 公演情報 ナマイキコゾウ「ブループリントの岬」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    人種差別を扱った作品
    この劇団は初見だった為、どんな舞台を見せてくれるのか興味津々ではあった。結果、観て良かったと思える舞台だった。哲夫の叔父役の宋英徳の自然な演技力は流石!またリズ役の石塚理恵を久しぶりに観たが、相変わらずの存在感のある演技だった。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    小説家・哲夫は韓国人として日本に生まれ小さな頃から差別を受けてきた。彼が4歳の頃に母親は父親の暴力に耐えかねて家出し、酒乱の父親はその後、自殺した。哲夫は両親から捨てられたと思い込み、彼らの遺伝子として自分の体にブループリントされた自分自身も好きにはなれず、屈折していた。

    そんな彼を9年間支えてきた日本人女性で恋人の美恵子。これらを主軸に韓国人が日本で差別を受けながら生きるという環境をモチーフに、哲夫と美恵子の結婚、哲夫と母親の捩れた空間での出会いを綴った物語だ。

    哲夫の母親が哲夫に会いたい一心であの世とこの世の狭間から会いに来た場面、時間の捩れが作り出す空間はやはり親子の密な情景で落涙した。ただ、笑いを取る為だろうが、美恵子を「ブス!ブス」と詰る場面が多く、人種差別を扱ったテーマなら、こういった差別行為や言葉はやはり慎むべきとも思う。

    終盤、哲夫の叔父が放つ言葉の数々にジーン・・と胸打たれる。
    全体的に序盤は大丈夫か?!と心配になるほど、舞台の空気感に馴染めなかったが、中盤から終盤にかけての物語のうねりは、時として涙を誘い、また笑いのネタの散らし方も絶妙で素敵な物語だった。

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    2011/08/05 11:59

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