実演鑑賞
それぞれに事情を抱えた4人の女性が共同生活をはじめ、そしてそれぞれに去っていくまでを描いた作品、なのだが、それぞれの女性の設定を見せたところで終わってしまったような印象で大いに消化不良。
また、小田作品では多くこじらせた非モテ男性が描かれ、もちろんその切実さと解像度の高さこそが小田作品の持つ「力」だったと思うのだが、そこに内在していたミソジニーが今作では悪い方向で発露していたようにも思う。それぞれの「事情」の背後に明らかに男性がいる場合にもその存在が透明化され、あたかも責任が女性にあるかのように描かれている場面が散見されたのもいただけない。
実演鑑賞
いつか観たいと思っていた、小田尚稔の演劇。
私には昔から極度の不安やストレス、寂しさや心細さなどを感じた時に髪や爪をしきりにさわったり、お布団や布類で肩や足下まですっぽり隠さないと落ち着きを保てなくなる癖?があるのですが、観劇中にその状態になってしまい、自分でもとてもびっくりした。だけど、このざわざわやモヤモヤした感触にこそ、この演劇の核心(やそれと繋がるヒント)があるのかもしれないと思ったりしていて、いまもまだそのことを色々考えています。信頼を寄せる知人に感触を吐露しながら心の整理をつけさせてもらえたのも有り難かった。水性には2回目の来訪。図らずも通行人がキャストに、場合によってはドラマそのものを生む空間でとても好き。今回もっとも食らったのは、絶妙なタイミングで横切った二人の子どもかな。あと、美術のチョイス、使い方好きでした。
存分に戸惑った観劇ではあったんだけど、帰宅して改めてチラシを眺めつつ、シンパシーを感じることだけが演劇の豊かさではないことを痛感したり、(ネタバレBOXに続きます)