沼辺者 公演情報 沼辺者」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-14件 / 14件中
  • 満足度★★★★★

    エンディングがすっきり
    (なぜか観てきたを書き忘れてた・・・)

    ムラノがよかった。周りの人をひきつける姿が非常によく表現されていた。
    セットもとてもお話にあったもので素晴らしい。

    テンポよく、話の中に入り込めてあっというまにラストへ。

    ラストの切れ味がすごい!

  • 満足度★★★★

    ダメだけど憎めない
    だいたいダメな人間しか出てこないが、あまり憎めない人物ばかりなのは、やはり今城氏の脚本の成せる業か。

    しかしまさかガチで沼を作ってるとはビックリだが、さらにそこに引きずり込まれる場面があるとはさらにビックリ。
    セットが縦長(横長?)なので、最前列だと座席位置によっては少し見づらい部分はあるが、面白かったです。

  • 満足度★★★★

    公演を重ねるごとによくなっている
    戦争が起きて、ミサイルが落ちて、穴があいた。」というと、3.11以降を意識した作品かと想像したが違っていた。

    私には独立プロ全盛期の新藤兼人の作品や安部公房の「砂の女」を思わせるような、ゾクゾクッとするものがあった。

    浮世企画は旗揚げから観ているが、旗揚げ時の未整理感がなくなり、公演を重ねるごとに良くなっていっている。

    今城文恵は、現代人の日常生活を描きながら、人の心の中に潜む「黒い罠」のようなものを描いている。

    女性作家としては異色の作品を生み出しているので、興味がある。

    ネタバレBOX

    ホームレス男ムラノに、岩田裕耳の個性が生かされていた。優しいがベタベタしたところがなく、適度な距離感を保っている男。

    その「距離感」にはこの男の過去が隠されている。

    斉藤マッチュ(劇団銀石)が登場した時、本当に彼なのかと思うほど、いままで観てきたイメージと違っていて驚いた。

    ディベロッパー企業の社長の息子として甘やかされて育ち、軽薄さと残酷さを併せ持つ若者を自然に演じて新鮮だった。

    現代劇に出演した歌舞伎俳優のような新鮮さと言うべきか?

    バーのママで黒幕の古市海見子が生き生きしていた。JACROWでいえば蒻崎今日子の役どころだろう。

    関寛之の「世をしのぶ仮の姿」の按摩の二面性、カッパのような少女の宮本愛美の可愛らしさもよかった。

    ラストの衝撃にやられた。救いがない結末だが、鶴屋南北みたいな暗さがいい。

    ラストの回想場面に、屈託のない日常を送っていた男たちが映し出され、切なさが迫る。

    欲を言えば、歳月を経て、復讐する側、される側の2人の男の表に描かれない面をもう少し丁寧にあぶりだしてほしかった。

    「ウキヨウエスタン」ということらしく、何人かがウエスタン・ブーツを履いていたり、女性の衣装がどことなく西部劇風なのが面白い。
  • 満足度★★★★

    良かった。
    セットが不気味で、モヤが立ち込めたり雰囲気が出ていた。
    登場人物の影の部分が分かりやすく描かれていて集中できた。
    なぜ、ムラノの所に人が集まるのか説明不足だが、ラストに向けて盛り上がっていった。

    ネタバレBOX

    ラストの仕掛けに驚いた。
    実はとてもハードボイルドな作品で面白かった。
  • 満足度★★★★

    女優が素敵
    とくにカッパ?がね。ラストの怪談風がいい

  • 満足度★★★★

    歪んだ世界で病んでいくのを抗う
    とても面白かったです。何より子供役は勿論のこと、奇跡的に全ての役者さんと役柄がピッタリと自然で驚きでした。
    当日パンフで男臭いかっこいい話を目指したら、結局ダメ人間のうじうじした話になってしまいましたと書いてありましたが、結構ハードボイルドに仕上がっているようにに感じました。任侠と言うよりは、男たちの挽歌に近いんですかね。

    ネタバレBOX

    作演出の今城さんが最終的に一番エクストリームで外道な役で可愛らしい役よりもやっぱりこういうのやりたいんだなあと感じました。
  • 満足度★★★★

    何故沼辺者なのか
    話の内容を追っていると、その設定はいくらでも変えられる、池でも湖でも良いではないか、と思うのだが、最後までみてそれが分かる。
    この言いようのない、誰も幸せにならない、モヤモヤ感。
    池なんて湖なんてそんな綺麗なものじゃない。
    一度ハマったら足をとられてずぶずぶ苦しみながら沈んでいく様。
    まさに、沼。

    ネタバレBOX

    最後の暗転での効果音、工事音だけでなく、骨を折ったりともすると肉食動物のように食しているのではないかと想像をかきたてられるような、思わず嗚咽をもらすくらいの気持ち悪さ。
    の後、あの二人が怒涛の展開で沼に飲み込まれる。
    最後のくだりは考える間もなくくぎづけでした。
    あと例の息子の典型的な嫌われ者っぷりが素敵でした(笑)

    評価は難しいけど、入り込むまでに時間がかかってちょっとのっぺりした感があったので、4です。
  • 満足度★★★

    沼のそば
    仕掛けは大変面白い。ストーリー的にも舞台美術的にも。
    だが、なんというか設定に舞台が追いついていない気がする。
    「沼」だったり「浮浪者」だったり「暴力機構」だったりが言葉だけで上滑りしていた。宮本さんはとても素敵。

  • 満足度★★★★

    おもしろかった
    何度か今城さんが出演されているのを観て「この人がつくるお芝居ってどんなものかしら?」と思い観劇。
    救いなんてなくて、見苦しくあがく人たち・・・。
    謎な部分が多く、最後まで詳しくは語られず。それでも最後まで引き込まれて観ていました。

    ネタバレBOX

    ムラノの魅力が最後までよくわからず・・・いや、声は素敵でしたけど。
    あそこに集った人たちは、ムラノに惹かれたのか、沼に呼ばれたのか・・・。

    マリとイガラシが逃げ切るかと思えば。。。
    やられた!って感じでした。
  • 満足度★★★★★

    無題136
    開場、左が舞台、右が座席。2列目以降が高い位置に設置してあります。左側からボコボコという温泉のような音、右からは湯煙。薄暗いなか、沼と小屋がぼんやりとみえます。決してリアルな作りではないけど、お話の世界は伝わってきます。明るい外の世界から、徐々に目がなれて、物語への準備が整います。座席は、中央からやや左の範囲がお勧め、沼がよく見える場所。※小屋の屋根上でもお芝居ありますので、あまり左ではなく。宮本さん、「プラすマイなす竹」「可愛い怪物」、3作目でした。

    ネタバレBOX

    女の子は、河童なんでしょうか?きゅうり好きだし、口とがらせているし。舞台が左右に広いのですが、セリフがないときも、照明があたっていないときもチャンとお芝居をしていました。動きのある方向、声がする方向、動きでも後から動いた方向、人はそちらに意識を向けるものですが、今日はこの子が気になってよくみていました。

    他の役者さんもそうだった。

    こういったお芝居をみることができるから…やめられないんだな、きっと。

    暗転、爆音。ミサイルが落とされます。そうとう大きな音でした。明るくなると女の子が沼の淵に立っていて「その後」について語ります。結局、たいしたことなく、ミサイル沼ができました、とさ。女の子の正体は最後まで明らかにされません。私は、観劇後、天啓か…河童だと思いつきました。青森県の古牧温泉にはカッパ沼があるのです。

    あらすじは他の方が書いていらっしゃるので割愛。

    最後、二人の悪女が、しめしめやったり、なんて口調で話をしているのを聞いて、あれっ、こんなおわり方…、と思ったら、女の子に誘われ、引きずり込まれ、沼の奥深くへ、目の前でリアルに水没です…「タイタニック」で水に飲み込まれる乗船客たち…ソックリそのまま。

    まっとうに生きている者は一人もいません。Happyなものはひとつもなく、沼はこれからもひとの心を映し続けるのでしょう。

    観劇前は、沼→おでん沼くらいのイメージしかありませんでしたが、キャラクターが持つ謎の部分がお話の展開を期待させ、どうんなるんだろうとドキドしながらみることができました。
  • 満足度★★★★

    沼へようこそ
    チケットプレゼントにて鑑賞。初浮世企画。

    簡素な話ながら引き付けられる舞台だった。面白い。

    岩田裕耳のダミ声のような発声と雰囲気、風貌、生き様の下手糞さが上手かった。あと、鈴木アメリと榊菜津美の女の子的なかわいさがやはり上手かった。

    ネタバレBOX

    チラシ裏とパンフ挨拶のとおり、ダメ人間かつ男気の話だった。
    ムラノ(岩田裕耳)は、昔、友人を見殺しにし、別の友人の片目を失明させてしまう(詳細は不明だけど)。そんなことがあって、世捨て人的な生き方(人の寄り付かない沼地にて浮浪者生活)を選ぶも、なぜか最近はよく訪問客が多く、一緒にメシを食べたり麻雀したり‥。そんな中、地元の権力者「辻」が沼地を買収し、老人養護施設に着手、ムラノに退去を迫る。カツモト(浜崎仁史)はそんな辻に苛立ち辻の窓ガラスを割るささいな抵抗をみせるが、逆に辻(斉藤マッチュ)の差し金で半殺しにあう。そんな状況でも冷めた反応の、人と関わることを嫌うムラノ。が、内には反骨の心が燃えていて、辻に立ち向かうも‥。

    結果、ムラノは失明させたヤジマ(関寛之)に殺される。陰鬱な話ではあるが、なんとなくこれでよかったような気さえする。ダメ人間とはやはりこういうものだからか。

    ラスト、ムラノのところへよく遊びにきていたハナコ(宮本愛美)が、実は幽霊?みたいな存在で、イガラシ(今城文恵)とマリ(古市海見子)を沼に引きずり込むシーン、(沼に)なんかあるなとは思ってたけど、驚いた。けっこう自然に引きずり込まれたから。
  • 満足度★★★★

    エッジが効いていてくっきりと
    マチネを拝見。

    タイトルだけ見ると、
    なにかドロドロとした愛憎劇の印象だったのですが、
    とてもエッジの効いた作劇で
    たっぷりと楽しむことができました。

    ネタバレBOX

    物語の見せ方が上手いなぁと。

    晒すものと隠すものが、
    キャラクターごとにしたたかにつくられていて、
    その場に必要なものが、
    きっちりと作られ観る側に示されている。

    そのキャラクターたちの雰囲気、
    実は冒頭から著しく変わっているわけではないのです。
    その分、観る側に印象の揺らぎがなく、
    役者たちの膨らませる雰囲気にまっすぐに取り込まれていきます。

    しかも役者たちから滲みだしてくるものには
    エッジがしっかりと効いていて
    男たちが醸し出すものには、キャラクターに応じた
    底の浅さや深さがしなやかに作りこまれていて、
    かっこよいものはかっこよく、だめだめなものは駄目駄目に、
    くっきりと描かれている。
    その伝わり方に無駄がないというか、
    見ていてもたれがないのが
    とてもよい。

    女性たちにもそれぞれに
    物語を際立たせるに十分な魅力があって。
    設定のなかで男性たちが惹かれるものが
    概念としてではなく
    観るがごとくというか実存とともに観る側にやってくる。

    なんだろ、それぞれのシーンがくっきりしているので
    見る側が澱みなく、物語の展開に運ばれていく感じがあって。

    だからこそ、
    終盤の展開にまで至った時、
    鮮やかな切れに
    息を呑みました。
    キャラクターたちの姿が翻るように
    鮮やかに開示されていく。
    そこには、力みがなく、
    すっと観る側をつかまえるような質感があって・・・。

    ラストには観る側の時代感覚までもなにげに覆されて・・・。

    前回公演とは全く異なる
    作り手の物語る力、
    さらには役者や舞台の流れを見せる力を
    たっぷり楽しむことができました。

    がっつりと、面白かったです。






  • 満足度★★★★

    これは良いよ!
    個人的には、とても良い時間を過ごせた!
    「浮世企画やるじゃないか!」といった内容だった。
    作・演出、舞台美術がとても良い!
    あと役者陣が設定のイメージどおり!
    沼部男と子供役は完全なハマリ役だった。

    ネタバレBOX

    本当に舞台上に沼があり、最後沈んでしまうシーンは圧巻!
    公演後、役者の挨拶がなかったのが残念!
    皆さんに拍手を送りたい!!

  • 満足度★★★★

    ウキヨウエスタン
    確かにフォーマットは西部劇(任侠映画)。
    それがどんどん逸脱というか似て非なるものに。
    異才を放ってるなぁ今城文恵。
    前作とは全く違う印象。

    ネタバレBOX

    宮本愛美の子供っぷりはお見事。
    ラストの若き日のふたり的なシーンは蛇足と感じた。

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