ちょぼくれ花咲男 公演情報 ちょぼくれ花咲男」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-12件 / 12件中
  • 満足度★★★★

     
    観劇!

  • 満足度★★★★★

    話がよくできている
    開演前のBGMが、名画座の時代劇コメディ映画特集の時のような楽しげなもので、いつもの小劇場演劇の雰囲気とは違う感じだった。

    守屋浩の「ありがたや節」を聴いたのは何十年ぶりだろう。

    もっと軽い感じのコメディかと思っていたら、コメディというよりも人情物の時代劇という趣で、きちんと作られていたことに感心した。

    落語やエノケンの時代劇コメディ映画に近い雰囲気かもしれない。

    何よりもストーリーが面白く、江戸の人々の会話が生き生きと描かれ、自然なのがよかった。

    黒子や差し金を使うなど演出も工夫されていて、最後までわくわくさせられた。

    雑感はネタバレにて。

    ネタバレBOX

    病気がちのお光(田中玲)が咳き込む演技が、まるで仮病のように大げさでとってつけたようなので笑っているお客もいたが、別に笑いをとろうとしているとも思えず、気になった。

    弥七(平田耕太郎)について周囲による「男前」を強調する台詞が何度かあり、私の位置からは髪が覆う彼の顔があまりよく見えなかったのだが、いい男なら一度褒めればじゅうぶんな気がした。
    平田は滑舌が悪く、つっかえるのが気になった。

    遊女のありんす言葉になぜか京言葉が混じるのも違和感がある。

    美鈴(石川佳那枝)が相対死の石田(佐藤滋)に「兄上さまにお詫びして許してもらい、どこか良家の養子になれば」と言うが、相対死の生き残りは非人手下となり、人別帳からも抜かれるので士分には戻れず、この時代には周知のことなので、非現実的な提案に感じた。

    今回、一番注目して観た俳優は町医者・向井兵衛役の高宮尚貴だったが、この役は出番は少ないが簡単そうでもなかなか難しいと思う。

    日舞が特技なだけに所作が様になっており、なおかつ時代に張って言うところと、喜劇でくだけて言うところの緩急の間がよいと思った。

    ただ、この役の設定が、ご家老と一緒にいるので、江戸屋敷詰めの藩医かと思っていたら、配役表では藩お出入りの町医者と書いてある。

    劇中、御典医(大名家は御殿医ともいう)推挙の話も出ていたが、姫君のお脈をとるのがいくら名医でも藩お出入りの町医者と言うのはあまり聞かず、不自然に思えた。

  • 満足度★★★★★

    皆生きていた!
    結局3回、拝見させて頂きました。

    もう、楽日の仕上がりは最高潮!

    文句ない楽しさでした。

    登場人物全員が、江戸に実在しているのではと錯覚するほど、実存感があり、後半に向けての躍動感には、ワクワクします。

    三谷さんが幾度か用意された笑いどころには、不発な箇所もありましたが、それも、ご愛嬌!

    高揚感、躍動感が、初見時より一気に加速し、ずっとこの人たちと時を共有していたい思いに駆られました。

    登場人物全員に愛着を感じる。
    こういう芝居にもっともっと、小劇場で出会えたらいいのに。

    ずっと、サンモールでロングラン上演してほしくなる程でした。

    元気をもらいたい時に、足を運びたくなる芝居が、誕生した瞬間に観客として立ち会えて幸せでした。

    ネタバレBOX

    3回拝見し、好きな役者さんが一気に増えてしまい、今後、観たい芝居が増えてしまいそうで、困りました。

    特に、霧島ロックさんを知り得たことは、私の観劇人生でも、類稀な宝物のよう。ロックさんが舞台上で生きる度、快感を覚えました。

    KAKUTAでも注目した、佐藤さんは、ここでも全く違う人物をリアルに造詣され、底力のある役者さんだと再認識しました。

    最後の心中場面、歌舞伎でもなかなかお目に掛かれない、稀有な艶があり、本当に、これが小劇場で観られるなんて夢ではないかとさえ思いました。
    恍惚して陶酔し、我を忘れる瞬間でした。三谷さんが選ばれた素敵な台詞と共に、佐藤さん、石川佳那枝さんの名演は、終世忘れられない場面として、目に焼き付けておくことになりそうです。

    楽曲の選択もグッド!効果音、照明等、スタッフの仕事も全て職人芸に近いものを感じました。

    今日の満足度、昨日のとある場所での落胆の反動で、星5では足りません。

    終演後、6時間が経過した今も、まだ興奮が冷め遣らない程、舞台の余韻で満ち足りています。

    こんな素敵な舞台に、陰でこっそり関わらせて頂けたことを誇りに思います。

    「ちょぼくれ花咲き男」、間違いなく、50年の演劇オタクおばさんにとっては、大いに入用の舞台でした。

    似非演劇人がゾンビ化しそうな小劇場に絶望しそうになりましたが、まだまだ希望があることを教えて下さった、このカンパニーの皆様に、心よりお礼申し上げます。
  • 満足度★★★★

    サービス満点!
    台風の日、新宿サンモールスタジオで文月堂観劇。台風をやり過ごすには芝居が一番。少人数の客席にも関わらず手抜き無し。江戸の人情話をたっぷりと楽しませてもらった。傘を一本ずつ番号札で預かってくれたり、終演後に交通機関の運行状況を教えてくれたり、観客サービスが行き届いていたのもさすが。

    この作品は原作があるのだろうか?よくできた物語だ。松竹新喜劇で往年の藤山寛美あたりにやらせると最適の作品と思った。ともかく楽しかった。

  • 満足度★★★

    台風に負けずに観劇
    時代物をやる時はより遠くの世界に観客を連れて行かなくてはいけないので、よりミスに留意しなくては行けないと思う。ベテラン陣が良く台詞を噛み、また小さなミスをするのでいまいち世界観に入っていけなかった。佐藤滋と霧島ロックの存在感は素晴らしかった。

  • 満足度★★★★

    とてもよくできた人情時代劇
    脇のストーリーの走らせ方とか、それらの結び付け方とか、なかなかうまいのだ。
    ストーリーを無理なく見せ、かと言って説明的にも陥らず、人情時代劇としてはかなりのクオリティだと思ったのだ。
    しかし…。

    ネタバレBOX

    物語の設定がいい。
    キャラクターの、それぞれの設定もいい。

    そして、それらがうまくストーリーに活きていて、どう転がっていくのかを見るのが楽しいのだ。
    脇のストーリーと、もとのストーリーとのかかわり合い方も、変にべたべたしてなくていいし、気が利いている。
    ちょっとした笑いもいい。
    西洋三味線の引っ張り具合とそのオチ的な歌も、うまい! と思った。
    そして、ちょっとした哀しみのエピソードのまぶし方も、人物の深みを増していてとてもいい。

    さらに、ラストや途中のご都合主義的なところも、このストーリー運びならば、まったく気にならないというか、むしろこうあってほしいと思ったとおりで気持ちがいい。

    涙的なエピソード、2度目の心中や弥七を全員で呼び戻すあたりもなかなか。

    とにかく脚本がいいのだ。
    これに関しては言うことない。

    最初に作・演出の方が出てきて挨拶したのだが、終わってみれば、「あの人がこれだけのもの作ったんだ」と驚いてしまった。

    ただ、口上のところから、なんとなく躓いていた。
    うまくないのだ、これが。
    慣れていないというか、声もイマイチ。

    で、舞台の演技はどうかと言うと、確かにうまい人もいるし、見せる人もいるのだが、全体的に見ると「練度が低い」と感じてしまう。
    つまり、もっと練習をすれば、かなりのレベルまで達するのに、と感じてしまったのだ。

    なんというか、客演が多いためか、役者間の噛み合わせがもうひとつなのだ。
    テンポよく畳み掛けてきても、それを受ける側が、ズレてしまっているというか、ブレーキを掛けてしまったり、また、逆もあったりと、ちぐはぐなのだ。
    さらに、噛む台詞が全体的に多い。それは非常に気になった。

    これを全体的なレベルが底上げしてある役者たちで見られたらどんなに素晴らしいものになったのか、と思うと非常に残念である。

    そういうレベルに達していて、役者に余裕があったのならば、本来は十分に笑いが取れるはずのところでは、いいタイミングで、間を考えて台詞が入ったりして、笑いが相当起きていたのではないかと思うのだ。
    笑いというのは、脚本で作るだけでは、大きなものには結びつかず(脚本だけで笑わせるところもあったが)、やはり、それを演じる役者の腕にかかるところが多いと思うのだ。
    どうもそういう余裕は見られなかった。

    しかし、初の時代劇でこのレベルの脚本である。ということは、現代劇はどのようなものになるのかが、非常に気になってきた。
    今回は時代劇という設定ならではのお話で、その設定が見事に活きていた。ということは、現代の設定においては、またうまい活かし方で、相当面白いのではないかと感じたのだった。

    役者で印象に残ったのは、権造の妻を演じた大森照子さんだ。腰が据わっていて、頭の妻然としていた。また、源治を演じた霧島ロックさんの、関西弁をポンポンと調子よく話す感じが良かった。そして、花咲男の長八郎を演じた牧野耕治さんは、後半に行くに従いエンジンがかかってきたようで、後半は良かった。

    ちなみに、星の数のうち3つが脚本分である。
  • 満足度★★★★★

    江戸のコメディー芸人
    面白かったです。
    開幕前に作者の三谷さんから丁寧な挨拶があり、期待が高まりました。

    江戸の喜劇役者の繰り広げる、人情もの(?)でストーリーがしっかりしていて、話の展開に引き込まれました。役者の皆さんも気風がよく、気持ちのよい芝居でした。

  • 満足度★★★★

    楽しく元気をもらえるお芝居
    初の時代物とは思えないぐらい、江戸のいい雰囲気と爽快感がありました。役者さんが皆上手い。舞台上の全員が演技をしていて、一丸となっている感じ。大きな声の台詞も全くうるささを感じさせず、江戸らしくポンポンとテンポのいいしゃべり、それに負けず劣らずの関西弁も聞いていて気持ちよかったです。様々な要素を盛り込んで舞台も華やか。見世物小屋、吉原、武家屋敷とわずかな小道具の変化で、見事に表現していました。楽しかったなぁ。勢いと熱気があり、楽しさ満載のストーリーで最後までにぎやかにテンポよく突っ走って、観客はみんな元気を貰ったと思います。お姫様の衣装にもう一つ華やかさがあれば満点。

  • 満足度★★★

    純正喜劇
    当日パンフの用語説明に構えてみていたが、そんな必要はなかったのでした

  • 満足度★★★

    梅の参拾五番
    時代は江戸でも内容はファンタジー色が強い。
    オープニングの口上から楽しく観劇。
    田中玲さんの歌をもう一度聞いてみたい。

    ネタバレBOX

    藤原さんが出演していて驚いたけどパンフを見て納得。
    辻沢さんを見るのは良いんだけど、笑わせようとする件や、長八郎との関係などその分長く感じたかも。
  • 満足度★★★★★

    直感で好きになった女性
    三谷智子さんとの出会いは、芝居ではなく、脚本が先でした。

    横内さんが大層押したのに、劇作家協会の公開審査で落選された時の作品で。

    この方は、近い将来、大物になられるに違いないと直感しました。

    あれから、何年??

    初見の芝居では、まだ綻びが見えたけれど、今回の作品は、素敵でした。

    初の時代劇と伺って、もっと破綻があるのかと予想したのですが、さにあらず。

    もちろん、時代考証や、衣装考証等、重箱の隅をつつこうとすれば、いろいろありますが、とにかく、まず三谷さんの演劇制作者としての躍進振りが、嬉しく感じて、最後は、初日の友人の報告同様、涙しました。

    キャストの皆さんが、適材適所の布陣で、これだけの登場人物に全て光りを当てる、作・演の裁量にまず感じ入りました。

    文月堂さんの今後にも、期待感が膨らみました。

    そうそう、余談ですが、以前サントリー美術館の「鳥獣戯画展」で見た、意外なある事象の庶民の飛ばしあい競技を、この花咲男の特技で思い出しました。
    江戸時代って、そういうおおらかな庶民の楽しみもあったんですよね?

    その絵の模写を、屏風に使ったら、更に面白かったかも。

    ネタバレBOX

    当パンの三谷さんのご挨拶文に、まず甚く共感。相手に必要とされているかはどうでもよい、ただ、相手の存在を欲しているだけ…という文章に。

    これを読んだだけで、既に涙腺が緩みました。

    始まった芝居は、この挨拶文を素直に舞台に投影したような、心温まる佳作でした。

    たくさんの既製の芝居や物語等のエッセンスが巧みに織り交ぜられ、それでも、きっちりと、三谷さんの独自性が色濃く…。

    女性らしい、細やかな作品作りが、胸を打ちました。

    吉原遊女お二人の美しさ。佐藤さんの口跡の良さと、確かな演技力、霧島さんの軽妙洒脱な演技に、小劇場ではなかなかお目に掛かれない、プロの芝居の醍醐味を感じました。

    同じ年齢の同じような芝居流儀の小劇場芝居を見慣れたせいか、こういうプロの技を感じる舞台に出会うと、それだけで、富くじに当たった気分でした。

    前回の見逃した公演では、最後に、私の好みではない収束の仕方だったと聞いていたので、最後まで油断できないなと、恐々観ていましたが、最後まで、爽快!心から、安堵した次第です。

    伊之助と美鈴の最後のシーンは、演じ手の佐藤さんと佳那枝さんのピッタリ息の合った名台詞が生き、まるで、時代劇の名作にも劣らない哀れを感じて、涙が自然に流れました。

    本当に、素敵!!大おススメ作品です。
  • 満足度★★★★

    気分爽快!!!
    時代劇って良いな…そう素直に思わせてくれたお芝居でした。そりゃあ史実と見比べたらあり得ない展開あるかもですよ?でもそこはフィクションですから!2時間強の上演時間でも「長い」と感じなかったのが素晴らしかった!!!誰かに「観た方がいいよ」と薦めたくなる舞台です☆

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