櫻の園 公演情報 櫻の園」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    「新釈版」として加筆・割愛
    【総論】
    90年頃の映画、東京芸術劇場小ホール1での舞台版初演、青山円形劇場での再演、比較的最近の青山円形劇場など上演される度に観ており、原作(や21世紀版の映画:これは妾の子的存在だが)も好きな身として「やはり名作」と再認識。で、今回は「新釈版」として加筆・割愛してあり、その意欲やよし。結果的に加除部分は一長一短…いや「二長半短」といったところか?←大好きな作品であるがゆえの個人的思い入れや偏見・私見に基づくモノも含む

    【各論】
    終盤で志水と倉田を見る杉山を花道に置いたのは画的にアリだが、そのために過半数の観客が彼女の存在に気づかないのは惜しい。何とか舞台上に置いて見せることはできなかったか?

    また、進路指導室での志水の問いへの回答をマイルドにしたのは何故? あそこはストレートだからこそ次の「別に。言葉通りの意味ですけど」が活きるのでは? 敬語に関するやり取りの割愛も残念。(この2点は完全に私見)

    一方、20年前の作品をイマにするべく携帯を登場させたり(オリジナルにもあったが忘れているだけかも?)、2年生たちのパートを膨らませ「あんな作品」のタイトルを出したり、あと、本番直前にチェーホフの「桜の園」のシーンを多めに入れたりの工夫は◎。

    さらに、装置の工夫で部室、進路指導室、外(校門あたり)、講堂の舞台などを表現し分けたことや、客席開場時から本編開演直前まで「前夜の部室での稽古風景」を見せること、そこに開演前の諸注意を入れるその方法なども良く、総じて満足。

    ただ、前夜の稽古が遅くなったようだが、あの後に美容室が開いていたのか?という疑問は残る。(笑)

  • 満足度★★★★

    青春
    決定的に事件っぽい事件が起こる前の、ハラハラ感の演出が、淡々とした展開に上手い味を添えていて面白い。上演の可否やらタバコの行方やら恋路の行方やらが、結果がわかる前の高揚というか、青春の些細なところに感じ入る繊細さなどを髣髴とさせて、些細な出来事を大きく膨らませる演出が見事。

  • 満足度★★★★

    携帯が導入
    お話の中にね。韓流も。時代に寄っていく?

  • 満足度★★★★

    神奈川まで行った甲斐がありました
    開演時間前30分位から既に本編の序盤的に芝居は始っており、演劇部教師・里見先生が演劇部の演技指導をしているシーンから観たのだが、この演技がみな自然でびっくりしたほど。また指導が終わり、高校2年生らが掃除をサボり戯れる場面はリアルだった。これから観に行く方は少し早めに会場入りされると楽しめる。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    高校の創立記念式典では、毎年演劇部によって、アントンチェーホフ作「桜の園」が上演されるならわしとなっていた。この物語は演劇部の女子校生と教師が奏でる部室での情景と、本番当日、幕が開くまでを綴った物語だ。

    高校演劇をこよなく愛するワタクシとしては、この演劇は好みのストライクど真ん中で終盤、不覚にも落涙したが、女子高校生特有の不安定な思春期をごくごく自然に描写した舞台だった。女子校にありがちな同性に恋焦がれるさまや、一人の生徒の不祥事によって「桜の園」の上演を中止されそうになるさま、熱血先生で生徒思いの里見先生が教員室での出来事などを巧妙に描写していたと思う。

    彼女らの「桜の園」の上演は一回きりの最後の舞台だ。悲喜こもごも上演中止に追い込まれそうになりながら、部員らの人間模様を巧みに演出し涙を誘う。最終的にめでたく上演されることになり、生徒らは喜んで舞台に挑むのだ。そうして「桜の園」の最後の練習風景を見せるのだが、ここでの演技は今までと打って変わって学芸会レベルだ。そう・・、この演出も「高校生の演劇」を演じた結果だ。

    こうして本番の幕開けは桜吹雪の舞い散る中、彼女らの「桜の園」は始るのだ。この最後の場面はとにかく美しい。大きな一枚の絵画だ。やがて彼女らがこの女子校を卒業しても、それでも桜は毎年同じように咲いて同じように散るのだ。変わらず、同じように・・。

  • 満足度★★★★

    始まる前も緊張感があって良かった!!
    全席指定だと思って余裕で行くべからず!

    入場すると、そこは発表会前日4月13日夕方の里見先生と演劇部員たちの最後の練習風景のシーンでした。

    お芝居本編は演劇部員たちが中心です。練習風景では岩野未知さん演じる里見先生の熱血指導振りが見られますので早めに行って要チェックです!!

    ネタバレBOX

    フレッシュな若手女優陣の活躍、中でも主役ラネフスカヤを演じる倉田知世子役の尾崎ななみさんは大柄で見映えのする女優さんでした。ただ、芝居の中止を期待するくらいテンパっていたと最後に言われても、ああそうだったの、あらすじを読んでいたから知っていましたという感じで、演劇部のみんなも緊張していたはずですから、群像劇の中で一人だけ特にテンパっていることを表現するのは難しく、もう一工夫必要だと思いました。

    色々事件は起きましたが、それにしても二年生の城丸さんの自由な行動は騒動を引き起こす一因でした。只者ではありませんね。

    中野敦子のお姉さんで櫻華学園を中退した綾子、別に構いませんが中退した理由は明かされないままでした。

    ところで、女子高生たちだけで場面転換を行うというコンセプトなのでしょうが、奥の方にある黒いカーテンを開け閉めするだけというのは陳腐な感じがしました。特に、グラウンドにみんなで走ってきて、さあアップするぞと言いながら、隅の方では机と椅子を片付けているのはやはり不自然でした。先に片付けるべきだと思いました。

    一回、裏方さんがカーテンの間を歩いているのが見えましたが、これはご愛嬌ということで。

    手前が幕が開く前の舞台、少しばたばたしてみんなで気合を入れて奥の幕が開いて桜の園のお芝居が始まる、素晴らしい光景でした!!

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