未踏 公演情報 未踏」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    お見事!の一言。途中休憩を挟んで3時間弱の長丁場ですが、全く飽きさせない。サンドアートも素晴らしい。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    金田一さんの半生とアイヌを絡めた舞台、見応え充分でした!
    場面転換でのサンドアート、それだけでも見る価値アリですね!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     べし観る! 華5つ☆。途中休憩15分を挟み約3時間の長尺だが、全く長さを感じさせない。流石文学座も関わっているだけのことはある。例えば女性の立ち居振舞いにしても(和服の着こなし、歩き方、正座の姿勢、仕方等)当時のキチンとした作法である。現代の日本では殆どみることができないが。(追記11.7)

    ネタバレBOX


     今作は日本劇作家協会プログラムの秋の劇場十七として上演されている。作・演出は八鍬 健之介氏。ホリゾント中央にスクリーンを設け、手指を用いて描かれるサンドアートによって物語の情景に伴走するように表される詩的映像が音楽と共にリアルタイムで描かれてゆく。それは知里 幸恵が、最終校正を終えたその日に僅か19歳の短い生涯を終えた衝撃的な死に飾られ余りに切なく美しい。
     サンドアートの手指によるイマージュ表現は、彼女が狩猟・採集民として自然の懐で自然の摂理を深く理解し生活してきたアイヌ民族の実に詩的で美しく精妙でデリケートな口伝を基に生涯を懸けて編集・翻案し日本語訳した書「アイヌ神謡集」との間に橋を架け、唾棄すべき大多数の和人からの差別に対してすら、遥かに深く広い世界に暮らし交感し表象した気高いアイヌ精神に照応するには最適の手法であろう。この稀有な少女の才能を見出し、鍋釜さえ穴が開いて使えないような極貧の中で幸恵を自宅に招いて住んで貰い共同研究に励み遂には世に出した金田一京助、妻・静江の共同も見事。学問的には優秀人格的には高潔でも研究に熱中する余り、実生活については極楽蜻蛉の趣さえある京助をキチンと叱ってくれる静江の姉・林カオルの現実の生活者としての優しさ、日本で比較言語学を提唱し根付かせた京助の恩師で東京帝国大学名誉教授でもある上田 萬(万)年は、大学長でもあり貧に窮した京助に様々な援助の手を差し伸べた。また上田は当時法制局参事官をしていた民俗学の大御所・柳田國男に京助の論文を紹介し殆ど無名であった京助を世に出した。日本を代表するこれら優秀な研究者間の論争シーン等も入り、これらのやり取りの中にある学問を追求する者としての姿勢や研究する者としての高い見識と共に世界に対する態度や倫理、責任感等についても描かれるが、現代我が国の為政者による天下国家の運営に関する完全な破綻を敢えて自らの意識から排除し、詭弁で取り繕う情けなさが嫌でも対比され、同時にそんな政治をコントロールできていない我ら国民の不甲斐なさにも切歯扼腕の念が募る。
     物語は、幸恵が亡くなる迄の前半と幸恵の弟・真志保が東京帝国大学に入学後、寮でも味わう被差別状況と屈折等を、それこそ某大学に標本として残されたアイヌの遺骨に対する態度に現代でも表されている通り、露骨な観察対象や実験動物に対する態度の如き視座の対象とされることへの忌避を表現している。また真志保(後アイヌ民族初の北海道大学教授)登場の伏線として南極探検隊に参加すると京助に会いに来た樺太アイヌ・山辺 安之助を登場させ被差別者の意気地を見せている点も、アイヌというだけで極めて非合理的な差別を受けた総てのアイヌを代表させる意味を汲み取るべきである。
     上記の物語と平行して上田や谷川らの助力、編集者・岡 秋倫らの支えもあり京助の実力も徐々に世に知られるようになり初めは講師職を上田の計らいで得、大学教授迄出世してゆくがその過程に太平洋戦争に突入し敗戦後の混乱期を経た恩師、弟子や編集者らとの後日譚が描かれる。
     ラストシーンは再び、冒頭のような汽車車内である。この汽車は、賢治の「銀河鉄道」のように四次元を行く汽車と重ねられるだろう。金田一京助及び一家の消長と研究者・編集者らの世界、幸恵の「アイヌ神謡集」を仲立ちとした前者和人グループとアイヌ民族、そして様々な地域で暮らす和人たち等々が、現実に暮らす敗戦前・後と現実に経過した実際の時ではなく、賢治風にいえば四次元の時空即ち過去・現在・未来ではない時に揺蕩う“時”内を描いて終わるのだ。
     ところで「アイヌ神謡集」の真価とは何か? 欧米文明が自然破壊の危険について大々的に知るようになったのは、「沈黙の春」出版以降であろう。然し乍らアイヌやネイティブアメリカンら狩猟・採集民族の殆どはその生活の中でこの根本を心得ていた。田中 正造の有名な言葉“真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし”と喝破したことを詩的で神々しい高みのことのはで表現したことだろう。

     自然破壊の央、我らの為した愚かな文明の結果を後目に、名著と評される「アイヌ神謡集」は、その気高い精神を今に伝え高く宙(おおぞら)を舞う。そしてその断片が雪の如くに降り積み、ほらここに 我らの心の内に! 今も大切なことを伝えている。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    休憩を挟んでの約3時間は、あっという間でした。

    ネタバレBOX

    金田一京助の家を傍目から見ている感じで、彼のアイヌへの情熱,妻や義姉からの視点での家族の苦労が、よく描かれていました。
    サンドアートも、良いアクセントでした。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    この作品のテーマは、「言語学者、民族学者 金田一京助の伝記」でしょうか、それとも「少数民族アイヌに対する差別問題」でしょうか。いつも地味な脇役の文学座 助川嘉隆が熱演です。3時間にも及ぶ芝居ですが、アクセントを付けたのは、サンドアート、白黒の画像が舞台に映し出されます。『銀の滴降る降るまわりに』はアイヌの神謡のひとつ。「梟の神の自ら歌った謡」知里幸恵の編訳『アイヌ神謡集』(1923年)に収録されている言葉が出てきます。2013年の文化座の舞台を思い出しました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    前人未踏の道を歩んでいく京助の険しい道のりが、アイヌ研究の奥深さを醸し出していました。

    ネタバレBOX

    中身の濃い、しっかりとした内容の物語でした。国語学者の苦悩を通して、アイヌについての理解が深まりました。サンドアートがいい具合に物語を引き立てており、舞台セットの巧みな展開も合わさって、役者の演技がいっそう魅力的に映りました。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    とても面白く、あっという間に時間が過ぎていました。サンドアートも美しく、楽しめました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    国語学者の金田一京助は、啄木の舞台では、学友の役でよく脇役登場する。後年辞典編纂でも高名になった。この舞台は最近珍しい実話に沿った金田一京助の伝記劇である。金田一は日本のアイヌ語の未踏の分野に踏み込んだ学者で、言語と差別問題が賑やかな昨今、上演企画が上がったらしい。戯曲作者(八鍬健之助)は始めて見る人で北海道の出身という。あまり経験のないグループの新しい挑戦にあれこれ言うのも気が引けるが、二三感想を。
    皆が実生活を話生半可に知っている時代を舞台に上げるのは実に難しいものだが。まず、斜めに正面をとって横長に組んだ舞台にちょっと張り物を出しただけで明治から昭和までの舞台を見せるのは、伝記劇は実録が基盤だからリアリティに欠けすぎる。登場人物はほぼ五十年も劇中年をとるのに、金田一を始め時代と共に変わっていかない。奥さんは旅館の若女将みたいだし、反抗する息子はタウンボーイである。見た目だけでなく年をとれば人間変わる。そこの面白さも伝記劇のポイントである。
    日本家屋の上下(カミシモ)の設定’(皆無意識に配慮するものである)で演技するのは常識だが、出入りを始めまるで配慮がない。
    脚本が焦点を見失っていて、アイヌの言語の研究秘話なのか、金田一本人の伝記なのか、学者の家庭のホームドラマなのか、大きく構えて言語を巡る歴史もの社会劇なのか、締まりもなければデコボコもない。アイヌ語を始め、日本辺境言語の研究(これは面白い話題だった)の研究の進捗もよくわからない。各エピソードが団子刺しになってしまっている。
    肝心のアイヌ語の代表的なユーカラを語るところは、あるに違いないと大いに期待していたのにほんの一節おざなりにあるだけだ。言語伝承の話だけにたとえ三分でも上手くやれば全編大いに締まるのにと残念に思った。
    と、目をつむりたいところも少なくないが、井上ひさし亡き後、久し振りに正統な伝記劇を目指す若いグループが出てきたことは今後に期待しなければなるまい。目新しく効果があったのはマッピング風のサンドアートの映像。客席は半分足らず、の反応だった。


  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2023/11/03 (金)

    圧巻でした。素晴らしいの一言です。3時間の舞台も長く感じませんでした。サンドアートも素晴らしかったです。言語学をやっている人にはぜひ見てもらいたいです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2023/11/02 (木) 19:00

    明治〜昭和の国語の歴史、アイヌ語研究の裏話が満載。日本で暮らすいろんな人間の使う言葉から我々のアイデンティティー形成の歴史を語った傑作。難しいことを話しているのに、笑いを交えて楽しく見ることができました。

    ネタバレBOX

    金田一家の歴史を知ってるので、お腹の大きな奥さんが「この子は学者だけには絶対になってほしくありません」と語るシーンは爆笑。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白かったです。先駆者は尊敬できる。それを支える妻は本当に素敵です…アイヌの差別色々な側面で考えることが出来た

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    面白かったです。役者さん1人1人の実力を感じました。
    時間は長い方だと思いますが時間を忘れました。砂アートも素晴らしい

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2023/11/01 (水) 19:00

    脚本が素晴らしく、是非、観て欲しい舞台です!

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