マダン劇「碧に咲く母の花」★ご来場、誠にありがとうございました。 公演情報 マダン劇「碧に咲く母の花」★ご来場、誠にありがとうございました。」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
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  • 満足度★★★

    チェジュ島四三事件を扱ったマダン劇
    マダン劇は、マダン(広場)を観客が取り囲み、演者と観客が声を掛け合いながら一体となって楽しむ韓国の大衆演劇とのこと。正直申し上げてまったく知らなかった。(恥!)

    今回のマダン劇はチェジュ島四三事件、つまり、朝鮮民族が同じ朝鮮民族を思想の違いから大虐殺した事件を扱ったものだったから、戦いの劇だ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    チェジュ島出身の両親が日本に逃れ日本で生まれた娘は、両親が決して語ろうとしなかったチェジュ島での出来事を母の死後になって、やっと知ることが出来た。それは母の遺骨の一部を母の祖国・チェジュ島に埋めるという目的でチェジュ島に渡り、チェジュ島に住む朝鮮民族の人々に触れたことがきっかけだった。

    舞台はチェジュ島四三事件を発端に日本に逃れてきた家族が過去にあった大虐殺の事件を語ろうとしなかった理由や両親と娘の内面を表現した物語だったように思う。演者と観客が声を掛け合いながら一体となって楽しむというマダン劇でありながら扱った題材は重苦しいものだったから、そのギャップに戸惑い、正直申し上げて楽しむことが出来なかった。

    これはあくまでも嗜好の問題だが、重いテーマを扱うならマダン劇ではなく、歴史を扱った芝居として立ち上げたほうが観易かったと思う。キャストらはあまり客扱いに慣れてなかったようにも思う。

  • 満足度★★★

    マダン劇初めて観ました
    ステージと客席に境界なく皆で楽しもうとのことでしたが、初めてなので照れてしまってうまく参加できませんでした。次回はもっと積極的に楽しもうと思います。海の表現がステキでした。

  • 満足度★★★

    好みでない
    故郷への思いがないと世界に入り込みにくい。作品の良しあしとは別に個人的に馴染めなかった。

  • 満足度★★★★★

    心の飢えから溢れる愛・・・
    今回で金哲義氏作品を観るのは4作目である。それは非日常性を描く演劇とは異なり、偏に自己のルーツ感から心の飢えの如く祖国愛が溢れ出て、単編の戯曲と言うよりも4本連続の戯曲としても観られる精神性の高いベタな日常作品かも知れない。 以下は、ネタバレにて・・・。

    観劇される方は、編集もあり、全てが正しい報道ドキュメントかは判りませんが、
    ■NHK・Eテレ2008年4月放送「悲劇の島 チェジュ(済州)~「4・3事件」在日コリアンの記憶 」
    (参考URL  :  http://www.youtube.com/watch?v=BABNLB4HEig&feature=related  )

    ■チェジュ島四三事件 立命館大学文京洙教授 
    (参考URL   :   http://www.youtube.com/watch?v=i3jIdlH5XNg&feature=related   )

     以上などで、多少の知識を得てからの方が、この作品も少しだけ理解し易いかと思います。

    ネタバレBOX

    2周りも若いアラフォーの金哲義氏が、作家のライフワークの様に「沈黙の歴史・済州48/4・3事件」を正面から捉え勇気を持ち「碧に咲く母の花」を書いたことを心から尊敬する。
    敗戦により日本統治時代を終えても、反共を国是とした日本統治時の「治安維持法」警察機構を温存した李承晩・軍政権の行為が端緒にあり、日本人の我々も知る必要がある。

    古くから日本は、済州島及び朝鮮半島と壱岐・対馬経由で、人を含めた交流をしていた。
    実は、13年程前に私はある団体の事務局長をしていた関係で、その団体で壱岐・対馬を訪問した際、4・3事件犠牲者と思われる手脚縄縛の夥しい程の遺体が、海流に揉まれて流れ着いた歴史がある事を聞いた記憶があり、遺体を供養している寺院(太平寺・西山寺等)も覚えている。国家と雖も、犯した罪は非情悲惨過ぎる事件である。しかし、非情悲惨な歴史でもその事実を知り、継承しながら事実の解明と、再度過ちが起こらぬよう反省と清算により工夫して生きていかねばならならない。

    その難しいテーマを、母・貞雅(斉藤友恵)とその娘・晴美(木場夕子)の母娘を中心にして描き、歴史の苦悩を抉る男(柴崎辰治)、晴美の父(倉畑和之)などの役を、見事に演じたMayの劇団員の皆さんは、例え隣国と雖も、歴史を勉強しながらの難しい演技だったと思う。過去60年以上も前の4・3事件だけれども、その清算事業は盧武鉉大統領の登場で始まったばかり…。しかも彼の死と38度線など民族の本質的な解決の道筋は未だ遙か遠くて見えない。娘・晴美も母の死から得た歴史の発掘により、人生は再スタートしたばかりである。彼女は今後母の魂と歴史にどう向き合って生きて行くだろう…?その答えは観ている私達側へ投げかけられていると思う…。友人の淑恵・清子ではなく、晴美なのだ…と。!

    演出では、晴美が母の卵おにぎりを美味しい!亡くなった母の卵おにぎりを食べたい…でも、もう食べられない!と言う台詞がある。それが済州島の家庭料理かは判らないが、コリアン料理は刺激が強い食べ物と連想するが、卵は味をマイルドにする。それと同様、重いテーマが、劇団タルオルムの女史3人の素晴らしい助演(特に歌は美しい!)とマダン劇での上演で、舞台がマイルドになって実現している。但し、カーテンコール時には、劇団Mayの団員紹介と、演じる役者の殆どが在日でもない、日本の若者が学びながらの公演である事は伝えて欲しい。何故ならそれが、マダンによる大衆との文化交流・改革の意義であり、物語の昇華であり、人の心に国境は無いMayの実践で想いは理解出来るからである。

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