5分だけあげる(終幕御礼・御感想お待ちしています。次回公演は2012年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭参加決定) 公演情報 5分だけあげる(終幕御礼・御感想お待ちしています。次回公演は2012年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭参加決定)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
21-30件 / 30件中
  • 満足度★★★★★

    ちゃんとした大人
    とにもかくにもキャストの演技力が素晴らしい!マチネで演技力がイマイチな舞台を観たから特にそう思った。笑
    セットも素敵だ。舞台床の段差の隙間に単行本を無造作に並べてある。物語は学級崩壊を扱った静かな破壊力のある作品でワタクシの好みのど真ん中だったので評価は高い。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    教師役の久保亜津子(向陽舎)がひじょうにいい。本当に教師に見えちゃうところも臨場感バッチリ!そして小学生を演じた今城文恵 宮川珈琲も素敵だ。
    ハセガワアユム 自身が破壊的な小学校と高校時代を送ってきたせいか、こういった闇についての描写は群を抜いてると個人的に思う。

    そうしてメッセージ的に使われる「ちゃんとした大人」という、云わば造語のようなものはこの世に存在しない。笑)  元々、人間そのものがどこかしら欠陥だらけだからだ。ワタクシが子供だった頃も大人に対して神々しい感情を抱いたことはなかったし、教師にしたって、まともな教師に出合ったことがない。そうして今度は自分が大人になったときに自分自身も含めて世の中の大人と称する人たちの子共じみた行為や言動が、当たり前のように氾濫しているのだ。

    もし仮に大人のような大人を見かけたらそいつの服を剥ぎ取ってみるがいい。笑

    ここで登場する教師も保護者も、まともな大人はいやしない。ぶっ壊れた小学校の授業参観日に裏サイトで呼びかけボイコットする生徒ら。ミサの母親とシュートの父親の不倫を知ったミサがシュートとセックスをしてしまう闇。しかしこの2人が「この街を出よう」と誓いあう行為の先には希望がある。

    既に学級崩壊したクラスの担任・梶浦はどうにもならない現況を破壊してしまおうと爆弾をしかけるが猿山のボス的存在の教師に一度崩壊したクラスをリセットする力量はない。そこにあるのは破壊だけだ。しかしそういった暴力に対して神々しく上から目線で「みんなに5分だけあげます」と微笑み、その5分の間に「感じる事よりも考えることに意味がある」とのたまい説法のような道徳を吐く姿が滑稽だ。爆弾を仕掛けた教師が生徒に対して「未来について考えろ」という。なんとも理不尽な言葉だ。笑

    こういったナンセンスコメディ的なバイオレンスが好みならドツボにハマル。
    更にトークイベントも楽しかった。意外に若宮の司会が絶妙で感心した。トークの司会としてもイケルんじゃないか。笑

  • 今回は
    王子小劇場
    空間は広く シックに クールに
    登場人物は
    ホット
    台詞に
    ビビッと きたり
    いろいろなメッセージが はいりつつも

    55分
    の凝縮

    今城さんは あの年齢に みえてくるなあ

  • 満足度★★★★

    ボレロ♪
    教師、爆弾とくると「告白」を連想。目の前にある恐怖を消してしまうのか、恐いとしりつつ笑顔を引きつらせ付き合っていくのか?「便所の落書き」を消すにはナニが必要か考えてみる。

  • 満足度★★★

    人間ってみんな狂っているの?
    舞台は小学校。
    でも小学校が舞台のこども向けなほのぼの楽しい雰囲気とは全く違う、暗く、ブラックでゾッとするブルっとするそんな大人な芝居。
    担任、副担任、生徒、親。全てがこの舞台では狂っている。まともな人間なんて一人もいない。
    だけれど、違和感がない。この舞台が社会の縮図だからか?
    そう思うと怖い。
    そしてその世界をぶっこわそうとする担任。こいつが一番狂っている。
    ぶるぶるきます。
    そんなことを終わってから5分考えてみた。
    でも、僕の中では舞台が小学校というのは違和感でしかなかった。うーん。

  • 満足度★★★★

    (極々個人的に)イライラしてムカツク
    なんだろうな、この感じ。
    ムカツクんだよな。

    テンション?
    なんだろ。

    って思って観た。

    ネタバレBOX

    最初に副担任が出てきて、「ここだけの話」と言った後の、あたりを気にする演技にムカツイた。
    ところが、「ああこの人はこういうキャラなんだ」と納得しつつも、その動きとテンションにいちいちムカツク。

    そして、小学生の親たちの登場にイラつく。
    なんか中身のないイヤなテンションなのだ。
    で、「ああ、そういうところがネライだったりしたわけね」と思いつつ、やっぱりイラつく。

    彼らのテンションが高いくせに平板というか、それにムカつきつつ、「あっ」って気がついた。
    何に対してこんなにイラついて、ムカついているのかが。

    それは「先生」だ。これにムカついているのだ。
    先生、教師というものは、すべて使命感を持って仕事をしている。その「使命感」がどんなに独善的であったとしても、「私は正しい」「私は正義」ということについてまったく顧みることもなく、平然と生徒にぶつけてくる。
    「私の指導方針」「私の教育方針」と言い放ち。
    密室の、特に小学生のときの教室は、担任と児童の密室だから、児童は先生の言うことがすべての世界で、まだ社会を知らないので、自分たちの前で偉そうなことを宣っている先生が、どんなに社会からかけ離れた存在なのかは知らない。すべての先生がそうだとは言わないが、ほとんどの先生はバカだ。しかも無自覚のバカ。
    …もっと汚い言葉を使いそうになるが抑えておく(笑)。

    そんなバカが使命感という錦の御旗でもって、生徒や児童を「指導してあげる」と思い上がっている。自分は生徒や児童を「良い人」になるように育てているのだ、と思い込んでいる。しかもタチの悪いことに、「愛情」とともに、と先生ご本人は思っているのだ。
    そんな輩にいろいろ吹き込まれる生徒・児童はたまったものではない。

    この舞台にいる担任の先生は、なんだかステレオタイプな教師像なので、ゾッとした。ああ、これだこれに対してイライラして、ムカツイているのだ!
    先生役の久保亜津子さんがうまいんだよな、その雰囲気。

    あの「5分だけあげます」という指導のようなもの、また、毎回机と椅子を倉庫から教室まで児童本人が持ってくること、そんな儀式めいた「(トンデモ)教育方法(メソッド)」を体験したことのある人は多いのではないだろうか。一見意味がありそうで、実のところまったく何もあるわけのない、そんなことを。そして、ご本人は悦に入って。

    だから爆弾で児童やその親たちを爆死させるのも、彼女にとっては、「私がやってあげる指導の一環」程度のことであろう。
    もちろん、比喩的な意味でもいい。そんな爆弾を指導の名の下に児童やその保護者たちに降り注いでいるのだ。
    児童も保護者も「先生様の言うとおり」なので、文句すら言えない。言えば「モンスター」と呼ばれてしまう。
    「あなたの闇なんて知ったことではない」という先生の台詞がすべてであろう。自分しかいないんだろもの。ご本人は「愛情」があると思っているのにね。

    確かに、親たちにも問題はある。それは普通。
    それを乗り越えるのは子どもの務め。

    子どもたちの設定が健気すぎ、やけにナイーヴ。
    MUの舞台ではナイーヴな登場人物が必ず出てくるが、この2人は群を抜いている。
    まあ、小学生だからということもあろうが。
    小学生を演じた今城文恵さんの、目、表情は刺さった。

    で、この2人の存在は、年齢的にも「未来がある」ので、MUらしからぬ灯りがあるように感じた。先があるというか、どん詰まりではないということ。
    つまり、彼らは「大人になること」を信じているからだ。それはこの日上映された過去作品『90%VIRGIN』とも共通している。こちらは「音楽」を信じているのだ。「未来」(信じるモノ)がある者にとっては、「希望」があるのは当然で、それを感じた舞台と上映であった。
    ハセガワアユムさんは、2008年ぐらいにはそれなりに希望があったんだ、と思ったりした(笑)。この設定を使ってそれを見せたと。

    全般に流れる空気は、激するのに乾ききった感じ。乾いているのにゴリゴリやってくるのでヒリヒリしてしまう。
    あいかわらず台詞に細かく気を遣っていて、気が利いている。

    ただし、(初日の)全体のテンションについては、まったく支持しない。じっくり内に秘め、じわじわ責めてきたのであれば、もっと響いたと思う。台詞の効き方も、届き方も違っていたと思う。

    意図とは言え、イヤなテンションについて考えると、★3つ。ただし、上に書いた感想、特に先生を巡る感想はあまりにも個人的すぎるかもしれないが、そんなイヤな想いを喚起させてくれたこと、つまり、私のムカツキ(笑)対して★1つプラスとなった。くそーっMUにしてやられたぜ(笑)。

    MUって面白い。


    初日は、上演後、過去作品『90%VIRGIN』の上映があった。この台詞の感覚は素晴らしいと思った。しかし、機材トラブルで、何らかの事件が起こって、それがどう解決されたのか、という大事な2点が飛んでしまい。不発でモヤモヤ。

    ※上映後、機材トラブルについて主催者からお詫びがあり、そのDVDを送るというアナウンスがあった。早い対応は素晴らしい。観客は納得するだろう。私は申し込まなかったが、MUのつぶやきによると、アンケートに住所を書いた人には送るとのことらしい。
  • 満足度★★★★

    どんどん拡がっていく。。。
    この脚本が2008年に書かれたもの、というのにビックリした。

    「3.11以降の日本の状況をシニカルにとらえた作品だったんだな」って、帰りの電車でパンフレットを見るまで、そう思ちゃってたもんだから。。。

    きっと、ハセガワさんの思いは、人間の感情の深いところを描きたかったんだと思うんだけど・・・やっぱボクは浅いなぁ・・・。

    梶浦先生の行動が、冒頭の携帯での通話の内容から、「いろいろ考えたけど・・・もうどーでもいいやっ!」みたいな半分ヤケっぱちのものに感じちゃって・・・考えた挙句のヤケっぱち行動って「よくある話」だから、現実に起こってる事象と重ね合わせちゃったのかなあ。。。

    ネタバレBOX

    一番アブない行動を仕掛けている梶浦先生が、一番マトモな意見を言ってるのが、興味深く感じたなー。

    「キミたち、1日に5分だけでも考える時間を作ってる?本当に、立ち止まって考えてる?楽をして、コメンテーターの意見やネットの情報をまとめただけなんじゃない?そもそも、まとめることすらしないで、反射的に右往左往してるだけんじゃない?」ってボク自身が、梶浦先生に説教されてるような気になっちゃった。

    まあ、梶浦先生も「絶対に信念を曲げない」あたりに、二・二六事件の青年将校やyoutubeに投稿した一色さんのような危険な匂い(コトの善悪は別)を内包しているように感じたけど・・・。

    「政治も経済も偽装ばっか。こんな国、一度ぶっ壊さないと、日本は壊滅する」という意見が、一定の支持を受けている現状・・・たぶん2008年時点では、今ほどの支持は受けていなかったはず。

    そう思うと、梶浦先生のような「学校をダイナマイトで吹き飛ばしちまえ!」的な存在は、大震災以降、リアルになりつつあるのかもしれない。

    副担任の小笠原先生は、「その場を取り繕うタイプの人間で、基本的には他人の意見に影響されやすい」・・・なんかテリー伊藤さんみたい。

    「小学生の子どもがセックスをしている」という重大な事態を目の当たりにしながら、いざ自分自身に災難(パートナーの浮気)が降りかかってきたら、感情が先走って、子どものことはさて置いちゃう近視眼的な親たち・・・なんか、震災復興や自らの判断ミスから目をそらして、新エネルギーにチカラ入れちゃってる菅総理みたい。。。


    あっ・・・長々と、ハセガワさんの思う趣旨とは異なるであろうコトを書き連ねてしまった。。。


    あの2人の小学生たち・・・なんだったんだろう?

    経験を積み重ねることで、大人になれると思う少女。

    経験を積み重ねることで、大人になる恐怖を払拭しようとする少年。

    「経験したところで大人になんかならないんだ!」と街から脱出する少女。

    「経験して大人になったけど、いいことなんて一つもない。子どものままでいたい」と絶望する少年。

    そして、子どもを産んでいない梶浦先生。。。


    きっと、「深い」んだろうなあ。。。


    「梶浦先生!ボクは、5分どころか1日中考え続けても、なにも、わからないような気がします。どんどん対象が拡がっていっちゃう気がして。。。

    なんらかの思いが生まれたところで・・・的外れなことを言うのが恥ずかしいから、言いたくありません。。。」


    嗚呼。
  • 満足度★★★

    ギッシリ
    55分の中に、いくつものちょっと重いテーマがギッシリという感じです。
    もう少し笑えると楽に観れたかも。
    と言っても、何か懐かしさを感じました。
    公演後の映画版『ミロール』は、小説を読んだあとの感じがしました。うまく説明できませんが。。。

  • 満足度★★★

    5分の重さ
    なるほどなぁ。学校という特殊な空間の中,梶浦先生の「5分」はとても大きな意味を持つ。ただし,自分にしてもそれは今であるからこそわかることだし,自分が学生のころやましてや小学生の親であったとしてもわからなかったことだとは思う。そしてそんな状況に絶望しての爆弾であるが・・・。55分という上演時間以上に,結構,重い思いの話にも思えました。イベントの映画「ミロール」もそうですが,疲れている身体と心には応えますね。悪い意味じゃないですよ。クールです。過去の上演のように短編集の中の1本として人気が出たことはわかる気がします。初見の劇団(前から観たかった)でしたが,この作風以外の作品にも興味がわきました。

  • 201106281930
    201106281930@王子小劇場

  • 満足度★★★★

    これも青春…いや、うーん
    コリッチのチケットプレゼントで招待いただいて観劇して来ました。舞台上の洗練された言葉はまるで現実味を排除されてるんだけれど、その無駄を削り抜いて造られた会話で見える、不思議な世界があるなと思いました。足元がほんの少しだけ浮いてる感触を覚える、そんな公演でした。

    ネタバレBOX

    「感じるより考える事が大事」だというメッセージを観劇して受け取りながら、ブルースリーのようにあまり深く考えずに感じたままに感想書きます。

    5分の間で、「自分達の未来について感じるより考えること」は『ちゃんとした大人』になるにはどうしたら良いか考えること。幼稚でだらしなくてくそったれの大人達が作った世界なんて願い下げだと、周りの大人を否定して、あぁはなるまいと懸命に勉強したり、大人になることを拒絶して自殺しようとしたり。小学生にもなれば、学校内でも大人と同じように息苦しい人間関係は付きまとう。その息苦しさと、自立した大人への漠然とした不安が相まって「学校」という特殊なコミュニティなんだなぁと感じました。何歳になれば大人か、年齢では機械的に線引き出来ないけれど、自他の人としてダメな部分も許容出来るようになると大人なのかな、とか考えさせられました。逃げても良いから生きていて欲しいなぁ。

    でも僕は、最後までどうして爆弾を爆発させたかったのか『ちゃんとした大人』だけではピンと来ませんでした。

    同時上映の『90%バージン』(ミスチルのCDを割る話??)も、共通のテーマを感じて見ることが出来ました。『90%~』は笑えるシーンが多かったから楽しい。DVDが止まるアクシデントは残念でしたが、でも面白かったです。

このページのQRコードです。

拡大