5分だけあげる(終幕御礼・御感想お待ちしています。次回公演は2012年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭参加決定) 公演情報 MU「5分だけあげる(終幕御礼・御感想お待ちしています。次回公演は2012年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭参加決定)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    どんどん拡がっていく。。。
    この脚本が2008年に書かれたもの、というのにビックリした。

    「3.11以降の日本の状況をシニカルにとらえた作品だったんだな」って、帰りの電車でパンフレットを見るまで、そう思ちゃってたもんだから。。。

    きっと、ハセガワさんの思いは、人間の感情の深いところを描きたかったんだと思うんだけど・・・やっぱボクは浅いなぁ・・・。

    梶浦先生の行動が、冒頭の携帯での通話の内容から、「いろいろ考えたけど・・・もうどーでもいいやっ!」みたいな半分ヤケっぱちのものに感じちゃって・・・考えた挙句のヤケっぱち行動って「よくある話」だから、現実に起こってる事象と重ね合わせちゃったのかなあ。。。

    ネタバレBOX

    一番アブない行動を仕掛けている梶浦先生が、一番マトモな意見を言ってるのが、興味深く感じたなー。

    「キミたち、1日に5分だけでも考える時間を作ってる?本当に、立ち止まって考えてる?楽をして、コメンテーターの意見やネットの情報をまとめただけなんじゃない?そもそも、まとめることすらしないで、反射的に右往左往してるだけんじゃない?」ってボク自身が、梶浦先生に説教されてるような気になっちゃった。

    まあ、梶浦先生も「絶対に信念を曲げない」あたりに、二・二六事件の青年将校やyoutubeに投稿した一色さんのような危険な匂い(コトの善悪は別)を内包しているように感じたけど・・・。

    「政治も経済も偽装ばっか。こんな国、一度ぶっ壊さないと、日本は壊滅する」という意見が、一定の支持を受けている現状・・・たぶん2008年時点では、今ほどの支持は受けていなかったはず。

    そう思うと、梶浦先生のような「学校をダイナマイトで吹き飛ばしちまえ!」的な存在は、大震災以降、リアルになりつつあるのかもしれない。

    副担任の小笠原先生は、「その場を取り繕うタイプの人間で、基本的には他人の意見に影響されやすい」・・・なんかテリー伊藤さんみたい。

    「小学生の子どもがセックスをしている」という重大な事態を目の当たりにしながら、いざ自分自身に災難(パートナーの浮気)が降りかかってきたら、感情が先走って、子どものことはさて置いちゃう近視眼的な親たち・・・なんか、震災復興や自らの判断ミスから目をそらして、新エネルギーにチカラ入れちゃってる菅総理みたい。。。


    あっ・・・長々と、ハセガワさんの思う趣旨とは異なるであろうコトを書き連ねてしまった。。。


    あの2人の小学生たち・・・なんだったんだろう?

    経験を積み重ねることで、大人になれると思う少女。

    経験を積み重ねることで、大人になる恐怖を払拭しようとする少年。

    「経験したところで大人になんかならないんだ!」と街から脱出する少女。

    「経験して大人になったけど、いいことなんて一つもない。子どものままでいたい」と絶望する少年。

    そして、子どもを産んでいない梶浦先生。。。


    きっと、「深い」んだろうなあ。。。


    「梶浦先生!ボクは、5分どころか1日中考え続けても、なにも、わからないような気がします。どんどん対象が拡がっていっちゃう気がして。。。

    なんらかの思いが生まれたところで・・・的外れなことを言うのが恥ずかしいから、言いたくありません。。。」


    嗚呼。

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    2011/06/30 02:27

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