丹下左膳'23 公演情報 丹下左膳'23」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-6件 / 6件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2023/07/16 (日) 19:00

    めちゃくちゃ面白かった。アングラは祝祭だなーと思った。

    夏の野外テントのむき出しの土の上で躍動する人々がときに歌い、ときに踊る。ご存知、丹下左膳の物語のはずが、過去と現在、生者と死者、虚構と現実をないまぜにして新たな物語として立ち現れた。

    毎年恒例野外テントの会場も雰囲気があって好き。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    おなじみの椿組の夏芝居。今年は酷暑の日に見ることになった。
    「丹下左膳」はかつて見た、と思っていたら、なんと四回目の十八番だった。ほとんど過去公演は忘れていたが、今回は大幅に手を入れたらしく一層祝祭劇的なはじけ方だ。忠臣蔵を枠取りに使い、山椒太夫や民間伝説などを組み込んだ丹下左膳物語だが、芝居を見ているだけでは、筋立てはわかりにくく、それよりも、五十人にも及ぶ出演者が、舞台の土間を大きく横切って組まれた太鼓橋の上下で、繰り広げる、大殺陣をうちわを使いながら呆然とみるという結果になった。そこが、年中行事化したこの芝居の値打ちでもある。


  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    いや うん~内容は説明通りです
    でも台詞とかは放送禁止用語
    満載で38年の歳月を感じさせる芝居でした
    野趣溢れる野外演劇は
    まさに芝居小屋って感じで熱気が凄かった
    暑さは無料配布された団扇でしのぎつつ
    開演前にはよく冷えたドリンク販売もありました
    熱気の凄さからか蚊などはあましいなかったが
    まぁ虫よけスプレーとかはあった方が安心ですかな
    いろいろと仕掛けの楽しめた2時間半(休憩15分を含む)作品です

    ネタバレBOX

    初日杮落とし公演観劇となりました
    客席中央が出入り口で開演中は役者さんの花道ともなり
    中央左右が指定席で端の両側黒座布団背もたれ無しが自由席です
    観光客らしい外人さんカップルも自由席に入ったが
    1部で抜けてしまったなぁ言葉があまし解らんかったからかな
    充分なインパクトとかはあったと思うのだが
    1部ラストに2部ラスト
    いろいろと見せ場が凄かったが
    集団でとか端々で台詞の聞き取り難いシーンや
    野外劇なのでしょうが無いのだが
    外のノイズが結構入ってきますなー
    割とシーン的には緊張感とかも多くて
    サイレンとかがバックで入ると合うときは合うが
    外す時もあってなかなか凄いと思ったわ(^-^;)
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2023/07/11 (火) 19:00

    「姓は丹下、名は左膳」お決まりの科白が終演後も耳に残る。
    真夏の夜、花園神社の野外劇・舞台初日にて約3時間の椿組公演を観ました。
    近くに座っていたお客さんが「お祭りみたいで楽しいね」と一言。
    そう、夏祭りには欠かせない太鼓と笛の音、キンキンに冷えた缶ビールとお茶が販売されて
    劇団員からも直接買うことが出来ます。うちわで仰いでもやっぱり熱い!熱中症対策にお気を付けください。
    以下、本公演の感想です。

    ネタバレBOX

    丹下左膳は大衆文学や時代劇などに登場する、左腕一本の架空の剣士。
    時代劇を観るのは今回初めてだったが、想像以上に手が込んでいる舞台装置。
    客席から役者がロープで降りて来たかと思えば、組み木の橋が崩れ落ちて龍蛇が現れるシーンは圧巻。
    芝居はセリフ回しが古典的で、アンサンブル(乞食や一座)が一同に発すると言葉が聞き取りにくい。
    (斉唱はむしろ音程がまばらな方が雰囲気があって良かった)
    殺陣の演技が爽快で、皆が剣を持ち戦う場面は観ていて気持ちが良かった。
    初演の1981年から42年、当時とは気温差もかなり大きいとは思うが
    夏が来るたびに思い出せるような、季節を感じる1作品となった。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    初日観劇。新宿花園神社境内の特設ステージは満席。テント内に威勢のいい掛け声が飛び、その熱気とアルコールに酔いしれる。中央上部で観たから、俯瞰するような感覚…豪快な躍動感 と 繊細で抒情豊かといった違う世界観が 同時に楽しめる公演。観応え十分。

    初演は42年前の1981年、片目片腕の剣鬼が駆け回って大活躍をしたらしい。そんな半世紀近く前の剣士を再び現代に登場させるが、なんと今の悪しき社会 風潮を切りまくる痛快劇へ。時代遅れどころか、進化した「丹下左膳’23」が眼前で大暴れ、同時に出生の逸話から人間臭さや滋味溢れる内面まで観せる。物語は色々な説話や伝説等を巧みに織り交ぜ紡いでいくが、それを旅芸人一座の劇中劇のように…。江戸という時代、その世相を現代に照らし合わせ痛烈に皮肉り批判する。

    知らなかったが、左膳は相馬中村藩の藩士だったという設定らしい。その藩は 現在の福島県浜通り北部を所領していたことから、東日本大震災に係る問題も抉る。が、それら諸々の内容(問題)を殺陣は勿論、歌や踊り そして人形芝居といった観(魅)せ方をし飽きさせない。さらに大掛かりな舞台装置とその変形に驚かされる。これはもう 特設ステージへ。
    (上演時間2時間30分 途中休憩15分)

    ネタバレBOX

    二幕劇。
    舞台美術…冒頭は太鼓橋が架かり、白地に「二十年前 左膳は死んだ!」との垂れ幕。
    色々な事〈話〉を錯綜させ、その場面毎に愉しませ、全体を通してみると 不思議な味わいを出している。まるで 寄せ鍋のようで、夫々の食材が美味(上手)く煮込まれ熱々に出来っている、といった印象。

    忠臣蔵における吉良方の観点から描いた話から始まる。当時中村座で上演していた人気演目が「忠臣蔵」だったらしい。その題材を枠にして「丹下左膳」も過去・現在という時代の違いの中で生きる。勿論、20年前の丹下左膳とチョビ安が騙る丹下左膳、そこには時代の間隔という見えるようで見えない世相・風潮の流れがある。
    この人物を縦(時間)軸に、「さんせう太夫(人形劇)」、「甲賀三郎伝説」で弱き又は負け者観点で描く。テント上部から縄梯子で降りたり、地を這うようにして布を波打たせ大海原を連想させるなど、観せる工夫。何より驚かされたのが太鼓橋の崩落、そして下手から白大蛇が現れる。

    二幕目。下手に小さな櫓。中央の広いスペースは ダイナミックな殺陣を確保するため。
    一幕目と二幕目を巧みに繋ぐ、夜鷹 三姉妹の話術と艶やかさを以って二幕目が…。
    日光東照宮の修繕の命に端を発した「こけ猿の壺」の探索、丹下左膳とチョビ安、お美夜との邂逅といった人情噺が入る。現代の政治 世相…例えばマイナンバーカード、高齢者保障などの問題を一刀両断にする痛快批判。背景には、片端者・河原乞食・夜鷹などを引き連れており、いつの時代でも虐げられる弱き者=庶民を主役に据えている。因みに左膳の生まれた時の逸話も描かれ、その生い立ちが片端者・非人などといった者へ同調していく素地になるよう。
    勿論、「浅間焼け」といった噴火や大波(津波)=東日本大震災を連想させる場面も挿入し、自然災害の恐怖、慰霊への思いを強くする。

    テントの後ろが開き 闇夜に篝火が、その幻想的な光景が見事。境内のテント公演らしく、自然を借景した一体感ある絵柄が何とも力強く印象的だ。ラスト、雪が舞い 縄梯子で宙に浮いた お美夜が見守る中、登場人物が皆 丹下左膳の格好(南無阿弥陀仏と染め抜かれた着物姿)をして花道を駆け去る。
    全体を通して、中村座で上演している公演仕立てにしているようだが、そこは曖昧にしている。「丹下左膳」という大衆の娯楽時代劇として楽しめれば、それで良し。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     初日を拝見、裏切られなかった。兎に角、テント公演ならではの様々なテクニック、大仕掛け等も楽しめる。観るべし! (追記後送)

    ネタバレBOX

     オープニングでは赤ん坊が泣き喚く声が満場に響き渡る。
    「姓は丹下、名は左膳」云々の啖呵は自分のような年頃の方々なら子供心に覚えてもいよう。姓は、は兎も角、名はその出生の因縁に纏わる。彼の母は許されぬ出産故左膳を一度は葬ろうとし鎌で新生児の目を切りつけて失明させ、腕を落とした。然し母は矢張り母である。愛しい我が子を何で好んで撃ち殺せようか⁉ かくして一命を取り留めた左膳は残った左で生き抜くことができるようにとの念と食べ物に困らぬようにとの念を込めた膳という二文字をその名に刻み熊笹で編まれた大きな船に載せられ流された。(この逸話が出てくる時点で無論蛭子伝説に左膳の出生が重ねられているのは明らかである)この流された左膳を拾い上げ養い育てたのが武士であった為、彼は剣術を習い頭角を現していたのである。

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