実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。
初日観劇。新宿花園神社境内の特設ステージは満席。テント内に威勢のいい掛け声が飛び、その熱気とアルコールに酔いしれる。中央上部で観たから、俯瞰するような感覚…豪快な躍動感 と 繊細で抒情豊かといった違う世界観が 同時に楽しめる公演。観応え十分。
初演は42年前の1981年、片目片腕の剣鬼が駆け回って大活躍をしたらしい。そんな半世紀近く前の剣士を再び現代に登場させるが、なんと今の悪しき社会 風潮を切りまくる痛快劇へ。時代遅れどころか、進化した「丹下左膳’23」が眼前で大暴れ、同時に出生の逸話から人間臭さや滋味溢れる内面まで観せる。物語は色々な説話や伝説等を巧みに織り交ぜ紡いでいくが、それを旅芸人一座の劇中劇のように…。江戸という時代、その世相を現代に照らし合わせ痛烈に皮肉り批判する。
知らなかったが、左膳は相馬中村藩の藩士だったという設定らしい。その藩は 現在の福島県浜通り北部を所領していたことから、東日本大震災に係る問題も抉る。が、それら諸々の内容(問題)を殺陣は勿論、歌や踊り そして人形芝居といった観(魅)せ方をし飽きさせない。さらに大掛かりな舞台装置とその変形に驚かされる。これはもう 特設ステージへ。
(上演時間2時間30分 途中休憩15分)