An act theater 公演情報 An act theater」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★

    いろんな味わいを堪能
     三つの短編のそれぞれが、優しさ、おちゃめさ、切なさを湛えていて、それが素直で細やかな演出の妙味もあって、心地よく仕上がっていた。

     うん、細かい点ではいくつか??と感じた台詞や情景描写もあったけど、全体としては、これは期待以上に観劇の満足感を堪能できました。こういう落ち着いた作品はもともと大好きなので、私と肌が合ったのでしょうが、はい、とても楽しめましたよ。

     公演が二日んと短かったけど、これはもっと多くの人に観てもらいたかったなぁ。

     3話ごとの感想などはネタバレにて。

    ネタバレBOX

     3羽とも、あらすじは、先にレビューされた、きゃるさんがこれ以上ない丁寧さで書かれているので、そちらをご参照あれ。そのうえで、感じた点を少々。

    【キニサクハナノナ】
     こちらは時空を超えた、あの世とこの世の橋渡し場でのロマンチックな物語。
     お見合いの翌日に召集令状が届き、相手の女性を未亡人にしてしまう男の辛さは、私も胸に迫る思いがある。それを、優しさというオブラートに包んだような作風と演出がすごく好感が持てましたです、はい。
     卯の花とウツギ。実は同じ花なので、どちらの呼び名でも間違いはなかったのだけっど、そこにこだわる男の優しさ、女性を守り続けたいと思う優しさ、それを気付く女性の素敵さ……いやー、いいなぁ、こういうのって。

    【空き地にて】
     こんな遊び、だれでも似たり寄ったりのことはしたことがあるでしょう。それだけに、等身大の可愛らしさ、ちゃめっけが非常に心地よかったです。
     かくいう私も、空き地でのマイホームごっこはないけど、若い時に彼女と湖にスケッチに行き、そこでスケッチブックに二人の家を作るなら、、なんてノリで、まるで小坂明子の「あなた」のように、二人の家を書いて遊んだことを思い出してしまいましたよ。
     まあ、もう1人の男性の登場で、女性が「すご~く軽い女」に見えてしまったけど、コメディとして割りきれば、ま、いっか。面白かったし(笑)。

    【三日月デビュー】
     こちらは、青年団リンクのどこかがアトリエ春風舎ででもやりそうな物語。これから7年間の結婚生活にピリオドを打つ夫婦うにとって、いっしょにいる最後の時が引越しの日。この二人の複雑な思いと、誠実な引越し屋さんの思いのクロスオーバーがとてもよかった。
     こういう作品が大好き。ただ、そのういち、離婚の原因が夫の体の方に原因がある妻の不妊から、不磨の不倫・妊娠という段まで来ると、これはもう心情のすれ違いの範疇ではないだろう。私は、ここまで大きな離婚の原因を明らかにする必要があったのか、と今も疑問に思っています。
     これが、もう少し半透明のベールに包まれたままで物語が進行していった方が、最後の三日月のシーンがより光ったのではないか、と勝手に思っています。
     それでも、電話をしてみたくなる夫の複雑な思いも分からないではないけど、ちょっと違うのでは、と思ってしまうのです。

     まあ、そんな感じで、いろんな味わいを堪能できた3話オムニバス。こんなに素敵なら、ぜひまた観てみたいです。
  • 満足度★★★

    小編三篇
    不思議で何かいい話、不条理的な話、ちょっと切ない話。

    ネタバレBOX

    でも今一つ心に響いて来ませんでした。

    夫のオタクっぽいところが嫌になって別れる夫婦、入居したときに見た月と同じ三日月が出ているからと言って、「そちらでも見えるかい」ってな電話で心変わりするかいな!

    会話をしようとすることはいいことかもしれませんが、もう遅いわ!そして根はもっと深いところにあるんだぞ!って思ってしまいました。

    ところで、ワードで作ったようなパンフレットが全くなく、ちょっと残念でした。
  • 満足度★★★★

    楽しめました
    確かに珠玉の短編3本立て。あの世の手前で思い残したことを告げるファンタジーな1本目、空き地でのマイホームごっこのコミカルでシュールな2本目、別れた夫婦の引越しのちょっと切ない3本目。どれもテイストが違っていて、みな面白い。しかもトータルで1時間ちょっと。気持ちよく観劇させていただきました。満足です。

  • 満足度★★★★★

    切なくて可笑しい
    珠玉の一幕劇3作。
    鄭さん以外は初めて観る作家でした。
    どれも魅力的な作品で、作品と俳優を慈しむような、主宰の西村長子さんの丁寧な演出が光り、若い俳優たちの伸び伸びした演技にも好感がもて、楽しいひとときでした。
    劇団としても歴史が浅く、これから観客と共に育っていくことでしょう。
    今回も公演期間が短かったのが残念でしたが(それでも土曜日夜の公演が追加されたようですが)、これから地道にじわじわとファンを増やしていってほしいと思います。

    ネタバレBOX

    小川未玲 作:『キニサクハナノナ』(フライヤーは「ハナノハ」となっていましたがミスプリ?公演情報欄表記に従いました)

    クワシマという青年(佐野マコト)がソノヨ(久道ゆき)の傍でタマコ(横田裕美)という女性を待っている。ソノヨはあの世へ人間を送る番人のような存在だが、閻魔のように怖くなく、天使のようにみめうるわしい。タマコは90歳を過ぎた老女だが若く美しい姿でソノヨのところにやってくる。若き日お見合いをしたクワシマに断られた過去をもつ。クワシマが断った真相は召集令状が来たため。クワシマは戦地から生きて帰らなかった。見合いのとき、タマコに教えた卯の花をウツギの花と間違って教えたことを気にして詫びたいと思っているクワシマは戦地で書いた手紙を渡す。戦後、幸せな結婚をしたタマコだが自分を守ろうとしてくれたクワシマのことを大切に思い続けている。
    再会もつかのま、クワシマはあの世へ行き、タマコはソノヨに「まだ早い」と言われ再び現世に帰って行く。

    鄭義信 作:『空き地にて』

    銭湯の帰り、若い男女、シンジ(いいづか康彦)とサトミ(石坂みゆき)が空き地で架空のマイホームを想定して部屋のレイアウトを考えていると、「ベッドを共にの会」会長を自称するササキ(佐野マコト)という男がやってきて話をかき回し、サトミと組んでシンジを「トイレ居候」と呼び、ないがしろにする。やがてサトミとササキは意気投合して別の空き地に去ってしまう。

    品川浩幸 作:『三日月ビュー』

    7年目に離婚による引越しを決めた夫婦。妻のリツコ(横田裕美)は夫(櫻井雄一郎)の「限定モデルおたく」ぶりが離婚の原因だと配送業者に話す。夫婦は互いに持ち物の分配を決めたが、口が達者な九官鳥(声・久道ゆき)の所有をめぐって言い争いになる。実は夫に子だねがなく、リツコは妊娠しているのだと夫は配送業者に言う。何か役に立ちたいと申し出る配送業者(いいづか康彦)に「夫婦にしかわからないことがある」と夫は断る。時間はもう戻ってこないと知りつつ、夫は窓から三日月を眺め、妻を恋しく思う。

    タマコとリツコ、まったく違うタイプの女性を演じた横田裕美が印象に残る。
    美しく澄んだ声の古風な戦前の女性と、勝気な現代の主婦を鮮やかに演じ分けた。演技が情感豊かで堂々として素質を感じさせる。

このページのQRコードです。

拡大