国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集) 公演情報 国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-20件 / 42件中
  • 満足度★★★★★

    駆け抜けた若者たち-『異常ナシ』
    解散公演ということもあるけれど、いろんな意味で思い出に残りそうな作品です。
    国道五十八号戦線が本作でグランプリを獲った年のシアターグリーン学生芸術祭は全く観ていないのですが、今回観てこれならグランプリも納得の力作だと思いました。
    劇団の解散を知ったのは友寄さんのブログの文章で、彼の胸の内を想像するに、読んでて苦しくなるほどでしたが。
    活動期間はけっして長くなかったけれど、「記憶に残る」劇団となることでしょう。
    大学の先輩にあたる谷賢一さんが演出し、自分の見知った他の劇団員さんたちも蔭でスタッフとして公演を支えていたようで、厚い友情を感じました。
    最初で最後の観劇となりましたが、解散に立ち会えて本当によかった。
    HPの劇団員たちの写真を見ても、みんな「面魂」という言葉がピッタリのいい表情をしている。
    駆け抜けてきたカッコよさを感じる。
    俳優たちは解散後も個々に活動を続けるのだろうから今後の活躍が楽しみだ。

    ネタバレBOX

    ここで描かれてる「オキナワ」はあの沖縄と思ってもいいし、架空の地だと思って観てもいい、と思った。
    現実の沖縄が抱えている問題や日本の核保有、防衛問題も描かれ、社会的な視点もしっかりしているが、笑いもあり、臨場感があって飽きさせない。
    オキナワ復帰闘争を闘って挫折を経験した住民のスージー(詩森ろば)が自ら述懐しながらセイテツ(山本卓卓)を説得する場面が特に印象に残った。
    彼らの根城の小屋は復帰闘争時代にも使われ、ドアを開けたら、なぜか壁が迫っているが、セイテツはその向こうに何かあると信じて闘いたいと言う。私には70年安保の時代の活動家の若者を連想した。
    しかし、ラストのアナーキーで突き抜けたノーテンキな明るさは21世紀の若者だ。そこに救いを感じた。
    「何事もヴィジョンがないとダメなんだな」ということを痛感した芝居。現在の政治状況にも通じる。
    女優としての詩森ろばを観るのは初めてなのでワクワクした。スージーはシャーマンの能力がある女性だが詩森は力むことなく驚くほど淡々と演じるので、役の人物に信頼感を抱いてしまう。しかし、炊飯器と米を使った妙チクリンな呪術で同じ劇団の浅倉洋介演じる外務省のガモウに米をぶつける場面、風琴工房ファンの私は思わず笑ってしまった。浅倉は翻弄されながら必死に抵抗するさまが面白い。ハマカワフミエが楽天的な南国の娘を好演。
    こういう床にゴミがちらかってるような埃っぽい芝居は本来は苦手だが、脚本が面白いので気にならなかった。
    観られなかった家族へのお土産と記念に初演のDVDを買って帰りました。自分で公演DVD買ったのは初めて。
    記憶に残る舞台をアリガトウ、さらば国道五十八号戦線!
  • 満足度★★★★★

    異常あり。
    すごく温かい、居心地のいい客席の雰囲気。だから。ここからはじまって欲しい、と思った。なにかがはじまるはず、と信じている。

  • 満足度★★★★★

    ∑(゚ω゚ノ)ノ異状アリ!!
    とりわけ、友寄書き下ろしの新作「三鷹の男」のハマカワフミエが素晴らしかった。愛憎入り混じる複雑な国道五十八号戦線への想いと告別の辞、そして新たに踏み出す一歩への決意にも似た。
    他の3編も谷演出でオリジナルと異なる魅力で、俳優陣の熱演も素晴らしかった!

  • 満足度★★★★★

    異常アリ!!
    すべて終わり・終わらせ方のお話なんだけど、面白い!
    一番好きなのは「テンパってる奴」。
    なにその悪ふざけ!!ってくらいに笑える・・・で、あの終わり方!
    ナシ・アリ両方観て感じたのは、演出した人スッゴイSだな・・・って事。
    それに応えて、あのお芝居をした役者さんたちスゴイ。。。

    これで解散なんて残念で仕方ないです。
    「マイグランパズアッシュダイヤモンド」いつか観られるんじゃないかと楽しみにしてたんですけど・・・。

    ネタバレBOX

    「さっき終わったはずの世界」→始まり、あの曲が始まった時点でニヤニヤしてしまう。それで状況を分からせるって、ある意味スゴイ。
    「テンパってる奴」→あの始まり!最後見るまでは、大人の悪ふざけって感じで笑いっぱなし。最後で、そうくるんだ!ってゾクゾクしました。
    「三鷹の女」→それまでと打って変わって1人芝居。人の為につく嘘か自分の為につく嘘か・・・。ついた本人にしか分からなくても、判断するのは他人なんでしょうねぇ。
    「三鷹の男」→そうつながるかぁ・・・と感心。三鷹といえばジブリ美術館か太宰の墓・・・って思ってました。
  • 満足度★★★★★

    異状ナシ観劇
    登場人物のキャラがきっちり描き分けられているせいか、
    少年マンガと同種の面白さを感じた。
    特に山本卓卓。
    ルフィであり、孫悟空であり、坊屋春道だった。
    小劇場の役者で陽性のヒーローを体現している人は初めて観た。
    その前に役者として観るのも初めてか。
    演出のキレもいいし、これは完成度高いと思う。

    ネタバレBOX

    異状アリもそうだったが、カーテンコールはなし。
    いろいろ理由はあるのかもしれないけど、
    拍手を贈りたい観客はたくさんいると思うな。
  • 満足度★★★★★

    冴えわたる演出
    4.48サイコシス、人間失格と続く谷賢一演出の1つの集大成が見られた。
    リアルな息遣いのまま登場人物を分かりやすくキャラ立ちさせる。
    沖縄問題を越えて普遍的な「風景」を観ることができた。

  • 満足度★★★★

    観てきた
    まだ、無しバージョンだけですが、本当に解散すると思わせない感じがする!

  • 満足度★★★★

    気持ちのいい「卒業公演」
    まずは同じ装置なのに「ナシ」でのとっちらかりぶりがウソののようにスッキリした舞台にビックリ。

    そうして始まる「さっき終わったはずの世界」は、15 Minutes Made の vol.8 で上演したものの再演ながら演出と配役の違いによりオモムキが大きく異なる。共通のキャストが1人いるものの、役が異なるというのにも「あ、そっちか!」的な。

    続く「テンパってる奴」と一人芝居「三鷹の女」(いずれも既発表作ながら初演は未見)は、前者で散らかした装置内でそのまま後者が上演されるほか、かすかな太宰ネタに勝手にリンクなど感じてしまう。

    ラストの「三鷹の男」(書き下ろし一人芝居)は天井の蛍光灯まで点けた状態での上演であることにハマカワフミエの自然な語り口が加わり、まるで芝居ではなく素の語りのよう。
    で、解散公演ということもあって、「実はワタシ、結婚するんですよぉ」なんてコトバから始まる内容を真実と受け取ったお客さんもいたとかいなかったとか。(笑)

    気持ちのいい「卒業公演」(むしろそう感じた)だったなぁ。

  • 満足度★★★★

    また会う日まで…
    初日ナシ→千秋楽アリ観劇。

    ナシは学生時代に書かれた作品ということもあってか
    向こう見ずな若者のエネルギーが満ちあふれていました。

    千秋楽、何か挨拶でもあるかなと思いきや
    カーテンコールすらないというのは
    彼らの意地のようなものなのでしょうか。

  • 満足度★★★★

    両方見てナンボ?
    「異状アリ」を見ました。「異状ナシ」の感想から判断すると、短編4つの「異状アリ」は前菜もしくはデザートでしょうか。ひとり芝居2作品では、即興的な緊迫感もたくさん感じられました。

  • 満足度★★★★

    「ナシ」見ました。もっと見たかった
    舞台の前提となる「その前」が、パンフレットに挟まれてたんですね。見ていなかったので(暗かったし)ちょっと話のすじをつかむのに時間がかかりました。
    それでも面白かった。

    セイテツ、サイコー!
    サトミ、背中が生きてる!(座席の位置的に、後ろ姿が印象に残ってる)
    エイリョウ、存在感あり!
    カシュウ、いつからそこにいたんだ!
    あかり(なんでこの人だけひらがな?)、セイテツと争う勢いが素敵!
    ガモウ、スージー、私的にはもう一歩テンパッてほしかった。
    でも、みんな素敵だった。

    二転三転する話が面白く。
    いや、やりかねないよね、と思わせる。

    台本買ってしまいました。

    「アリ」も見たかったです。都合つかなくて、最後だと言うことにも残念です。

    ネタバレBOX

    セイテツ王国の場面、よかったー。
    スカッとして、でも最後に轟音が・・・
  • 満足度★★★★

    ( ゚Д゚)ゞ !!異状ナシ
    異状ナシをまずは拝見。とにかく俳優が皆いいですね。そして、とてもこの劇を楽しんでいるのが伝わってきて、こっちまで彼らの仲間になったような錯覚を覚えました。そんな役者を活かしきっている谷さんの演出もいつもながらロックでエッジが効いていてニヤニヤして観ました。今となっては叶わぬ願いですが、友寄演出のオリジナルを観てみたいと思いました。

  • 満足度★★★★

    見た
    ラストが爽快なのは既成概念から独立して精神的に自由になったからかな。物理的には独立してなくても。詩森ろばさんかわいい♪

  • 満足度★★★★

    そして「異常アリ」
    まず場内入って、異状ナシとはうって変わった綺麗な状態にセットに驚かされる。
    観終わって、これは終わりの芝居ともいえるし、新しい事というか始まりの芝居とも言えるなと感じました。
    面白かったです。

    ネタバレBOX

    「さっき終わったはずの世界」
    もう、まずは朝倉先輩の暴走が凄すぎ(笑)
    そして、中村梨那のぶっ飛び衣装が面白すぎ(笑)
    そのためか、15MMで観たときよりコメディよりの仕上がりになってたと感じました。

    「テンパってる奴」
    もう終始笑いっぱなしでした。単純に面白かった。
    また、佐野さんが、異状ナシとはうって変わったキャラがよすぎ。

    「三鷹の女」
    伊神さんの一人芝居。
    面白かったが、前2本が割りとハイテンションできたので、急激なテンション変更にしばらく着いていけず(笑)

    「三鷹の男」
    ハマカワさんにより一人芝居。
    いやー面白かった。
    しかし、短い時間ではあったが、役者の負担は相当だなとも思えた。
  • 満足度★★★★

    異状ナシ
    ラストだと思うと勢いやらで、感慨深く見えてくる。ふさわしい作品なんだな、やはり。

  • 満足度★★★★

    異常ナシ!?
    あらすじは分かっているのに、覆された感じ。
    若者の単純さ・純粋さ・柔軟さと、大人の世界の事情と・・・。
    良くも悪くも「真っ直ぐ」。
    舞台に近い席で観た方が楽しめると思います。
    できれば開演5分前には席について。。。
    明日観劇予定の「異常アリ」も楽しみ。

  • 満足度★★★★

    まずは異状ナシ
    解散公演の初日なのか、前半は相当な緊張が感じられ少し固く、また物語を何とか進めてる感じだったが、緊張がある程度ほぐれた中盤以降はグイグイ引き込まれラストまで一気でした。面白かったです。

    ネタバレBOX

    今回客席が三面客席となっていますが、基本正面が見やすいと思います。
    (初日は正面で無いと、ある映像が見れなかったし)
    後、当日パンフに、あらすじというかプロローグが書かれた紙が挟まっておりますので、初演を観られてない方は読んでおく事をオススメします。
    (書かれている続きからとなっていますので)
  • 満足度★★★★

    「異常あり」個々の作品にとどまらない・・・
    短編集とのことで、個々の作品の味わいに浸るとともに、
    セットのつながりや作品の並べ方からの
    連作(ではないけれど)的な構成にも
    引き込まれました。

    常ならぬ踏み出しの感覚に浸潤されました。

    ネタバレBOX

    ・「さっき終わったはずの世界」

    この作品は15MINUTES MADEでも見ました。そのときにはもっと行き場のなさやシニカルな感じがあったのですが、今回はメリハリの強いポップなテイストに仕上げられておりました。

    カップルの見事な下世話さと宇宙人自身の内外の落差が相乗効果をもってで物語の輝度を作り上げていく。

    コミカルさが薄っぺらにならず、舞台の枠の中で温度があがっていく感じが見る側をひきつけていきます。

    その勢いが、パンチラインとしての暗転に小気味よい力を与えておりました。

    ・テンパってる奴

    はじめてみるお芝居。物語の仕組みとしてはありがちだけれど、中盤までは視座の作り方もきちんとしていてきちんと見る側を引っ張っていってくれます。でも、そこから演技の崩しみたいなものがちょこちょこ入ってきて、戯曲の構成ではなく、舞台上の危うさのようなものでニュアンスが伝わってきます。

    危うさに前のめりになり、疾走感にぞくぞくする。演じることと演じられることのハザマあたりで舞台が構成されて、その不安定さが舞台の色に不思議なグルーブ感すらかもし出す。

    ちょっと常ならぬ感覚がとても魅力的でした。

    ・三鷹の男

    この作品は別の集団の公演で見たことがあります。そのときには地図が浮かぶような演出でした。

    前の作品から片づけられることなく
    とり散らかった舞台で語られる、男自身のその心情は
    あからさまで、直情的で
    ゆらぎ、どこかあやふやで・・・
    間違いだらけで
    どこかピュア。

    荒廃のにおいと男の存在感に
    さらに散らかされていく舞台。

    目を離すことができませんでした。

    ・三鷹の女

    舞台はもはや劇場の素明かりそのままとなり
    まるで戦いのあとのような景色のなかで
    女性のモノローグが始まります。

    新しい生活に踏み出すことを語る演じ手に
    終焉の色がただよう舞台。

    そこには舞台の体はなく、
    素語りでキャラクターの心情などがつづられていくだけ。
    三方の客席に礼をして去っていくその姿は
    演劇と現実のどちら側に置かれているのか
    もはや区別すらつかず・・・。

    ただその姿を見送ってしまいました。

    ********

    単純に4つの作品が並んでいるというだけではない
    上演時間をとおしての高揚と崩れの流れがとてもしたたか。

    作品たちの外側に
    もうひとつの作品が綴られていくような感触もあって、そのことが
    個々の作品の色をより強調していくようで。
    役者や作家に加えて
    演出家の非凡な力をあらためて感じました









  • 満足度★★★★

    国道五十八号戦線異状ナシ 観劇
    悲しいことに…「国道五十八号戦線異状ナシ」が初見。
    もっと早く観るべきでした。
    力みなぎり若さあふれ爆発感のある舞台だった。
    雑然とした舞台美術がピッタリだ。
    極限のらんちき騒ぎといったかんじも。
    チラシを読んだ時はもっとシリアスな作品かと
    思っていたがそうではなかったな。
    これでは終わらないという強さを感じた。

  • 満足度★★★★

    「異常ナシ」 鮮やかさと細やかさと・・・
    ある種の輝きと高揚感が残る作品でした。

    いまさらながらに
    この劇団の魅力を感じることができる作品だったと思います。

    アリ・ナシ両方の作品を観終わって、
    なにか満ちるものがあって。
    解散公演を観るのって
    基本的にはあまり好きではないのですが、
    今回は観にいってよかったと思います。

    ネタバレBOX

    入場すると暗い・・・。
    そこからドラマが始まっているように感じられる。
    開演時間が迫ると客入れと舞台上の動きがかさなって・・・。

    とりちらかった舞台、
    その場所に一様でない個性をもったキャラクターが現れます。
    ファンキーな人物や冷静な人物、
    さらには観る側にとってキャラクターが掴めない人物や、
    彼らにとっての支柱となるような
    世界観を持つ人物も・・。

    一見デフォルメされたような人物たちの描写が
    次第に観る側に馴染んでいくのは
    役者たちの芯に熱量があってぶれないから。
    彼らがそれぞれに抱く想いや価値観が
    したたかに、そして鮮やかに伝わってくる。

    彼らが弄ぶ
    世界を滅ぼす力を持ったスイッチを吸引力にして
    物語が回っていきます。
    冒頭では観る側として
    どこか被害者的な感覚があったのが
    気が付けば舞台の空気に絡め取られるように
    彼ら側に視座が取り込まれいて・・・。

    すると、驚くほどくっきりと
    個々や彼ら全体の想いが伝わってくるのです。

    それぞれの距離感なども
    ステレオタイプではなく
    互いを照らすように細やかに組み上げられていて。
    そこに入り込む外務省の役人(?)や
    彼らの枠組みとなり安全弁となる
    シャーマンの女性の存在などが
    自らのキャラクターや想いにとどまらず
    メンバーたちの立ち位置を際立たせていく。

    終わってみれば
    独立を願う彼らの感覚と
    よりどころとなるスイッチの存在が
    ひとつの集団のコアを満たすものの
    輝きのように思えて。

    ただ能天気な突き抜け感があるわけではない。
    希望を超える閉塞もしっかりと舞台上には醸されていて。
    でも、その中でも、
    なにかを凌駕する輝きにこそ
    強く惹かれてしまう。
    終演後も舞台に醸された高揚に
    しっかりと捉えられておりました。

    ========

    それほど昔からを観ていたわけではないのですが
    ここしばらくは、何かに強く引き付けられて
    足を運んだ劇団の最後の公演・・・。
    惜しいなぁとは思う。

    でも、この解散公演で、何かが満ちたようにも
    感じるのです。

    アリ・ナシの両公演を観終わって、
    惜しいと思う気持ちが消えたわけではないのですが、
    それを凌駕するように
    今回のお芝居たち、さらにはこれまでに観た劇団のお芝居を
    作り上げ演じきった側と
    取り込まれた観る側に重なる時間こそが
    とても深く愛しく感じられて・・・。

    説明できるような因果も脈絡もないのですが、
    にもかかわらずそう感じさせるだけのなにか・・・。
    うまくいえないのですが
    そういう内外をしっかり持った公演だったと思う。

    解散公演というものを観るのって
    実はあまり好きではないのですけれどね、
    今回の解散公演は観てよかったと思います。

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