国民傘 公演情報 国民傘」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.6
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★★

    流石岩松
    夜の部を観賞。

    昼に観た「浮標」に負けず劣らず、良い作品でした。
    今年今まで見た中では最高です。

    ミステリアスにドラマチックにオカルトっぽく
    3つのストーリーをうまく描いています。

    岩松作品、やはり良いですね。

  • 満足度★★★★★

    翻弄されていてまだふわふわです
    何が真実で何が虚構か?役者か?生きているのか?時代は?背景は?そんな「?」がたくさん入り組んでこんがらがって…。でも不快じゃない。そこに漂う雨の香りとか波の音とか、味とか、…。今日はアフタートークがあってさらに深く考えることができ、もう一度観たい作品です。あのマイナーメロディーがエンドレスです!!

  • 満足度★★★★

    面白かった
    ベンチシートだったけど、それほどケツの痛さが気にならないぐらい面白かった。迫力もあった。一緒に行った友達に「訳分かんない!」と責められたが… ミネラルウォーターとアメのサービスはうれしかった。

  • 満足度★★★★

    演劇的な世界と虚構
    世界は物語で形作られている。
    そして、戦争は近視眼的な世界となる。

    ネタバレBOX

    戦争という厄介なものは、人を近視眼的にしてしまう。
    自分のこと、あるいはせいぜい身の回りのことのみにしか気が回らず、いつの間にかずぶずぶの泥の中にいるという印象だ。

    何のために穴を掘っているのか、どうして隊長を探しているのかもわからなくなっている兵士たち。隊長はどうなったかを知っている者たちだって、自分たちが何をしてどこに向かうのかわかっているのかどうかは怪しい。

    「運命」と言ってしまうような境遇の中にいて、どっちに向かっているのかがわからないままとにかく進んでいる。

    国民傘という制度だって、なんだか変な制度なのに、それをどうこう言う前に自分のことだけで精一杯なのだ。

    お国のため、のような大義名分を無条件で受け入れて、その後の厄介なことをなんとか避けようとするだけで精一杯。それは「しょうがない」としか言えなくなる。

    つまり、近視眼的にならざるを得ない。

    戦争のへの道はそうして作り上げられていって、近視眼的な人々によって、それは固められていく。

    それらが、虚構の中にさらに物語を構築して、進行していく。
    世界は物語によってのみ形作られていくのだ。

    岩松了の溢れるエネルギーを感じた。
    台詞もいいが、役者がとにかくいい。
  • 満足度★★★★

    霧がかかったような幻想的な物語
    の中に、「戦争」に至る道は「日常」と地続きであるという岩松氏のモチーフがくっきりと浮かび上がっていました。

    ネタバレBOX

    ・ひとつのストーリーの中に、別のストーリー世界がフィクショ ンとして登場するという不条理を用いた手法
    ・特定の国や時代を感じさせない場面設定
    ・背景にその影響を強く感じさせるものの、具体的には語られることがない戦争の描写
    ・随所に流れるチェロの生演奏
    これらの要素が合わさって、全編に薄いヴェールがかけられたような、幻想的かつ虚構度の高い作品に仕上がっていました。
    あと、車椅子の骸骨女も良かった! ぱっくり口を開けた黄泉の世界が垣間見えたような気がしました。
  • 満足度★★★

    戦争の“気配”を描く
    単細胞の私にとって非常に難解なお芝居でした。
    プログラムを買って、岩松さんのインタビューも読んだけれど、それでもよく理解できなかった。
    戦争が終わっても、次の始まりの気配はある、一見戦争と関係ないと思われる事象が実は戦争と結びついている、ということらしいが、その“気配”というのが観ていてあまり私には伝わってこなかった。「俺、こんなにわかんなくしてんだ、お前らもわかんないだろう」という岩松さんの言葉を読んで、そう言われてもなぁ(笑)と困惑した。
    身近なことが戦争につながらないためには「日常生活でも程度をわきまえること」というアドバイスは大変勉強になりました。
    チェロの生演奏(荒井結子)が効果的に使われ、難解ながらもひきこまれてゆく魅力的な作品ではありましたが・・・。

    ネタバレBOX

    戦争が終わった後、国民を「死の雨」から守るため国家が考えたという「国民傘」。その傘立ての場所をほんの少し、移動したという罪で、母娘が捕らえられ牢に入れられてしまう。
    そこの看守が読んでいる本の内容が母娘の肉親の青年のことを書いているらしく、一方で本に登場する工場の経営者と弟の会話には、「傘立てを移動した母娘の物語」が出てくる。
    その間に、上官を探して森をさ迷う兵士たちのエピソードがあり、この兵士たちに遭遇する散歩者が看守であるという「入れ子」のような芝居である。
    工場で働くシンの病気の妻が実は白骨化しているというホラー仕立ての場面が印象に残ったが、そのことが物語全体の中でどういう意味を持つのかがよくわからなかった。工場の使用人シンの愛人ナジャを演じる片山瞳が、アングラ女優のような強烈な個性で、舞台出身かと思ったらモデル出身だそうで驚いた。
  • 満足度★★★

    若い
    一応は3つ物語がありつつも、それらが複雑に入れこんでいて、しかも、岩松らしく適度に不条理。エンディングもやや呆気なく、非常に不思議なテイストの作品だった。初舞台も含めて舞台経験の少ない役者も多い中、全体の感触に未熟な部分はなく、面白い、という表現が適切かどうかは分からないけど、意味はある2時間半だった。

  • 満足度★★

    楽しめなかった
    たぶんそれなりに考えはあるんでしょうが
    私には伝わってこなかったし
    わからなくて楽しめませんでした。

  • 満足度★★

    「戦争」は至るところに転がっている
    試みは凄く面白いと思いました。 台詞も恐ろしく良いものが
    ぽんぽんと飛び出してきたし、それだけなら凄かった。

    それだけに、ここまで構成を捻ってしまうのはどうだろう、という気も
    しなくはないです。 これだったら、それぞれがゆるく繋がっている
    感じの連作オムニバス集でも良かったと思う。

    ネタバレBOX

    「戦争は少女が寡黙になる時期」
    「どこにも帰れない者たちが、戦争という場所へ帰っていくんだ」

    上の台詞には痺れた。 なんて、詩的で格好良い台詞…。

    本の中に出てくる母娘が、別の場面では物語の中の人物に、
    さらにそこの場面の登場人物達は、最初の母娘が国民傘を
    動かした罪で収容されている牢の看守が読んでいる物語の中の
    人物達へと変わっている。 

    それが繰り返されていくうち、誰が「実際の人物なのか」「誰が
    物語の中の人物」なのか、どんどん曖昧に、分からなくなっていく。

    存在すらあやふやになっていく中で、唯一実感出来るのは何だ?
    ていうのがこの「国民傘」の主題な気がする。

    思えば、「戦争」という極限状態だと、自分が誰で、何をやっているのか
    だんだん分からなくなってくるのは当たり前に思えるし。

    それを、この形式で表現しようとしたのかな?

    ただ、二幕目は言葉に、完全に舞台が負けていたような…。
    話の筋は何とか追っていけるけど半ば言葉に頼り過ぎて、
    少し退屈だったかな。 幕切れもアレじゃちょっと投げっぱなしな気が。

    舞台装置や言葉のリズムは最高に切れていたのに、思弁的に
    過ぎたような印象を受けました。

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