無償の愛 公演情報 「無償の愛」の観てきた!クチコミ一覧

★ 満足度の平均 ★ ★ ★ ★ ★ 4.6
1-5件 / 5件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    とても魅力的なおふたりの二人芝居の会話劇。演じ分けも見事だったし、考えさせられることもあって、とても良い時間でした。
    おすすめします。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     極めて詩的な作品。

    ネタバレBOX

     奥中央に衝立を立て袖として用いる。下手壁に沿うように長方形の台、載せてあるのは奥から白っぽいトートバッグ、赤いトートバッグ、ペンギンのぬいぐるみ、ノート。台の前に紙コップと水の入った容器を載せた机、衝立の手前客席側にベンチとテーブル、上手には斜めに設えられたベッドがある。因みにベッドのあるエリアは、狭い小屋なので部屋の仕切り迄は作れないものの病室を表している。後で説明するようにこの病室である事件が起こるのを遮蔽物なしに見ることができるので却って効果的ですらある。(他にもイツキの娘の部屋になったりするシーンもある。)
     物語は病院の従業員休憩室で出会った2人の女性を中心に展開する。1人はイケメンだと直ぐついて行き、遊ばれては捨てられるという経験をしてきた掃除婦・イツキ、もうすぐ10歳になる娘・サラが居るが産み落とした時以来会わせて貰えない。サラは現在イツキの母が育てている。
     もう1人はミヅキ、現在は看護助手だが、看護師になる為の勉強をしており、この道を取るか偶然イツキの娘と同名の恋人サラを取るかで紛糾、結局同棲していたLの連れ合いと別れてしまった。
     この2人各々の最も大切な人それぞれに対する愛が中心となって展開するが、イツキは自称・バカで読み書きも苦手だが丁度山下清が精神薄弱児とされながら実に本質的に物事を観ていたような鋭さを持つ。彼女は今、数日後の娘の誕生日に最高のパーティー、最高の贈り物をする為に現金が欲しいのだが生憎経済的にはかなり厳しい。そんな折、病室の年老いた患者から頼み事をされた。老婆は、既に筆記する力も無いから娘への伝言をノートに書きとって欲しいというのであった。老婆はその言葉を言い終えると息を引き取ってしまった。ベッドの脇に老婆のバッグがあった。何気なくそれをみると中には現金が入っていた。イツキはそれを盗む。
     暫く経ってイツキは娘の誕生日に実家を訪ね娘にプレゼントを渡したものの娘は余り喜ばなかった、既に似た物を持っていたからである。だが、娘はペンギンの話をした。何でもペンギンは自分の連れ合いが死ぬと生涯その亡骸を保持し死骸と性行為迄するというのである。
     さて、娘の誕生日が終わった後休憩所で再び会ったイツキとミヅキだったが、互いにいつもと違う。ミヅキは何があったかを尋ねるが、イツキは互いの秘密を共有することを提案した。ここに至ってイツキが老婆から124万円入りのバッグを盗んだこと、然し娘の誕生日にはその金に手を付けなかったこと、遺言を書いてくれと頼まれたことを話す。ミヅキは自分がレズでパン職人で恋人のサラと別れたこと、経緯を話した。その上で老婆が言い残そうとしたことをイツキが娘に対して述べたいことに置き換えて創作しようと2人で文面を作成してゆくのだが、この文面が当に詩として昇華されたものになっている、殊にその前半は完全に詩である。
     ところで、詩に迄昇華したこの文章は、ラスト イツキが破り捨てる。
     その意味する所は明らかである。様々な困難や思うようには回らない人生に怖気をふるい落ち込んで人生から降りて仕舞わず、それらを総て引き受けて生きてゆく態度表明である。
     ところでパン職人のサラが随所に登場するが、イツキの反応がグー。パン屋の匂いの心地良さを子供同様に喜んだり、知恵遅れとされる子供たちのように五感を用いて興味を持った対象に積極的にアプローチしてゆく仕草が、我々頭でっかちになりすぎた凡庸な人間に多くの可能性の扉を拓いてくれるからである。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    とても面白かったです。お二人のお芝居や映画は何度も拝見しており、応援しているお二人です。今回も内容、お芝居共に素晴らしかった。難しいテーマと言うか演じるのも難しいと思いますが、見事だったと思います。間近にお二人を拝見できてとてもよかったです。内容も自分なりの解釈を加えながら考えたいとおもいました。今後も、ご活躍期待してます

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    なるほど~ 思いの丈をぶつけたといった感じの物語である。女性二人の或る意味 特異な情況を濃密に描いている。物語の面白さは、それをどのように表現するかがカギになる。少しネタバレするが、そこに登場しない同じ名前の女性<2人>を それぞれ1人二役で立ち上げることで、悩み苦しむ今の状況を描き出す。勿論 違う人物を表現するため 細かい仕草<外見含む>や別人としての性格<演技>が求められる。そのため、現に登場しているミヅキ(阿久澤菜々サン)とイツキ(伊藤梢サン)には、或る設定をしている。二人の演技力は確か、その設定によって更に明確な別人が立ち上がり、それによって奇妙な関係が鮮明になる。全体としては「無償の愛」ならぬ「無性に会い」たい といった印象である。

    物語は、病院の休憩室で出会った清掃員のイツキと看護助手のミズキの奇妙な会話が 漂流するように展開していく。互いに抱えるジレンマがいつの間にか錯綜し、それによって問題が複雑化したり単純化したりする。その揺れる想い…可笑しみと感傷的という絶妙の心情を織り込んだ珠玉作。
    (上演時間1時間10分) 

    ネタバレBOX

    舞台美術は中央奥に屏風のような衝立、その前に横並び椅子とテーブル、上手にベット、下手にカウンターがあり、縫いぐるみ等の小物が置かれている。その小物は全て劇中で使用する。病室内の休憩室という設定であり、二人の会話劇としては十分なセットである。

    物語は、ひょんなことで知り合い 自然と心を通わせていく過程が微笑ましくもある。そのうち、読み書きが出来ない清掃員 イツキと同性愛者で看護助手 ミズキの思うようにならない日々、その鬱積した それぞれの思いをぶつけ合う様な会話へ変転し切なさが溢れ出す。その〈人物〉設定の妙と情況が秀逸である。
    イツキには10歳になる娘サラがいるが、事情があって一緒に住んでいない。その娘がもうすぐ10歳の誕生日を迎えるのを心待ちにしている。一方 ミズキは同性の恋人サラがいたが、自分が看護師を目指すことによって、別れを告げられた。或る出来事を契機に、二人はそれぞれが抱える秘密を打ち明けることになり、図らずも自分自身と向き合うことになる。「なるほど」は、劇中 ミズキが頻繁に発する言葉で、自分を納得させ 他者を肯定〈共感〉するかのようだ。

    知的障害のようなイツキのピュアだが、どことなく危うい言動と行動。ミズキの知的で思慮深さを思わせるが、精神面では脆さも見える。人は完ぺきではない、その揺らぐような心の彷徨と咆哮、それを瑞々しく描いている。共通しているのは、葛藤を抱えながらも前進しようとする〈日常の〉姿。静かな心の交流を観せつつ、冷徹な観察眼によって ぎこちない感情の機微を丁寧にすくい上げる、そんな描き方が上手い。

    一人二役は、髪の毛を結う 梳くことで、サラという娘や恋人という別人を表す。移動しながらさり気なく別人格を立ち上げる。このサラや入院患者、その観えない人物との関係〈演技〉が巧い。
    どのような生い立ちで境遇なのか、そこは説明を省くことで理解することが難しそうな〈気になる〉過去を観客の想像力に委ねる。本作は今を切り取り、人が人とどう繋がりをもち、どう生きていくかといった未来を描いている。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白かったです。
    病院の休憩室で出会った2人の会話劇でした。
    役者さん2人の熱演に惹き込まれました。
    果たして、この2人の愛は無償の愛なのか?という疑問も感じ、観劇後も考えながら帰りました。
    役者さん2人は、とても魅力的でした。
    良い舞台でした。

このページのQRコードです。

拡大