ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010 公演情報 ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-20件 / 24件中
  • 満足度★★★★★

    神経細胞に効く。
    性年団リンク・竿☆組「来い!如意棒達」、妄想組曲「組曲「妄想」」、当日券でmicroZOKKY「エロスの解剖」を体験。
    今回は余計なことは何も考えないでただただ圧倒されてきました。
    感想はシンプルに大満足。このひとことで充分です!笑
    ちなみにmicroZOKKY「エロスの解剖」は 岡田あがささんの歌う同タイトルのCDを購入された方は絶対に観たほうがいいとおもいます!

    ネタバレBOX

    ■性年団リンク・竿☆組「来い!如意棒達」

    ある時を境に某所に刺さった釣竿と共に生きることになった沙織(石井舞)は
    漁師の早乙女(和知龍範)にスカウトされてマグロ漁船に同乗し、太平洋沖へ出発。
    荒れ狂う波に揉まれ海水が顔面を直撃するなか、見事黒マグロの一本釣りに成功した彼女はマグロ漁船は男の世界という固定観念の撤廃に一役買うと同時に、男女の境界をも超える・・・。

    生きる意味を見失っていたひとりの女の子がマグロ漁業に出会い、困難を乗り越えて生きる価値を見つけるまでの魂の成長を描いたハートウォーミングストーリーでもあったような。だからでしょうか。底なしにすがすがしかったです。

    しかし冒頭の、沙織の苦悩、釣竿ヒストリーのモノローグは、眼力で呪い殺す幽霊のような形相の顔面どアップでしれっと目を合わせてくるのでギョっとしましたが、チャーミングなトラップだったようで安心しました。笑

    また、沙織に竿の振り方をレクチャーする早乙女の背後で、果敢に竿を振っていた乗組員の橘(松本隆志)が、荒波に飲まれ海へ投げだされる様は、男のロマンの幕引きを無言で象徴しているようでした。


    ■妄想組曲「組曲「妄想」」

    こども相談室にやってきた男(原田紀行)の悩みは、自分が6歳児だということを周囲は誰も信じてくれないこと。
    それもそのはず。彼はどうみても大人の男。しかし心は子どものままで6歳から精神面の成長がとまっている。
    困ったひとね・・・と言いつつも男の無意識下に眠るトラウマを解きほぐすかのようにして、女(葛木英)はやさしくカウンセリングをはじめる・・・。

    多くを語らなくとも男と女がいればいづれふたりは無言で見つめ合うことをはじめるだろうことを、淡い幻影のなか、丁寧に紡いでいるようにおもえました。
    みえないふたりの呼吸が不思議な残像として、胸に残っています。


    ■microZOKKY「エロスの解剖」

    KIKKYを体験した小部屋。部屋に入ると仰向けに寝るよう指示される。
    加えて『男性目線で観ること』という諸注意も。了解した後、透明の筒が渡された。
    両手で筒を囲い利き目にあてて、もう片方の目を閉じる。

    白衣を着たふたり(柴田ヂュン&三谷奈津子)が『眼』を覗く。
    こちらは勿論、覗かれている・・・。
    まさに『マイクロ』な覗き。笑

    どうやら『眼』は2階の女子トイレの便器のなかでみつかった謎の生命体であるらしい。
    研究員の彼らはそう話している。そして挑発してくる。気が気でない。

    やがて、『男性目線で観ること』の意味が判明。
    熟女の痴態・・・に『眼』が泳いだ。笑
    ラストのオチも・・・・・笑った。

    シュールでナンセンスな5分間のSFと、普遍的なエロスの真意に迫る離れ業。
    細胞レベルで響かせる「エロスの解剖」に恐怖を覚えました。
    今回の演劇祭で体験したなかでこの作品が動揺指数&ラブ度数がマキシマムでした。
  • 満足度★★★★★

    なんて素敵な演劇祭!
    ZOKKYのぞき部屋演劇祭2010の第一陣、「15 Minutes Maid」「極めて美しいお尻」「ワイルドオタッキー」を観た。面白い、面白すぎる。

    たった5分で何が出来ると舐めていたが、5分だからこその世界がそこにあった。通常の演劇公演に比べてキワモノではないかと思ったが、観終った感想としては、こちらの方が本物ではないかとさえ思った。

    現在の演劇が失った見世物小屋のわくわく感、ちょっといけないものを観るという背徳感、そして視覚的にえも言われぬ刺激がある。まだ3本観ただけだが虜になったと言っていい。

    ネタバレBOX

    なにしろ役者の顔が10センチ先にあったりするのだ。特に美女が登場するとほんとうにどきどきする。

    円形の筒から見える範囲をよく計算しており、遠近感が物凄くある。一番遠いところで2メートルくらいか、そこはもう全身が見える。一番近いところは、もう壁がなかったらキスをしているような感じ。

    この演劇祭を主催する小林タクシー氏には、個人的に表彰状をあげたいくらいだ。
  • 満足度★★★★★

    視覚演劇!
    妄想組曲「組曲妄想」、ニュウリンバズウカ「揉む痛み」、性年団リンク・竿☆組「来い!如意棒達」とmicroZOKKYを拝見した。今回の作品は女優の競演が見どころだった。妄想組曲葛木英、ニュウリンバズウカ川村紗也、竿☆組石井舞、いずれ劣らぬ美女達が、直線距離10センチくらいまで近づいて、色々と挑発してくれる。

    あらためてのぞき部屋演劇がなんたるかを考えてみた。最初は のぞくという行為の中にある人間の罪深い欲求を刺激するものだと考えてきた。しかし、本公演9作品を観て感じたことは、のぞき部屋演劇の意義は、視点を集中させたということにあるのだと覚った。ともかく視覚的にとても美しいのである。この視覚を実現したことに今回の成功がある。

  • 満足度★★★★★

    第二シリーズもさらに面白く!
    今回は第二シリーズ、劇団スクール水着の「NOT BACK 堀 PLAY」と、失禁蝶々の「日本にトイレが無くなる日」、エロムモリブデンの「不躾なQカップ」と、当日券でKIKKYを観た。

    今回は第一シリーズを見た後なので落ち着いて観られるかと思ったが大違い。この第二シリーズ、第一シリーズよりさらに刺激的だ。

    今回、この4作品のうち、2作品は壁がない。壁のないのぞき部屋公演なのだ。この壁がないという公演、刺激的というより怖いくらいだ。壁で隔たっているということがなんという安心感があったのかと、今更ながら驚く。

    ともかく心臓の悪い人にはお奨め出来ない公演だ。もちろん、それだけ面白かったということ。

  • 満足度★★★★★

    ヤバイ!!
    「極めて美しいお尻」「不躾なQカップ」「揉む痛み」を観劇+「本能」「エロスの解剖」を体験。。。
    zokky初体験でしたが、想像以上!
    のぞいてるんだけど、観せつけられてる感じ。
    こんなに面白くて刺激的な世界があったのね…
    他のも全部観たかったなぁ。。。

    会場に着いてから音楽聴きながら待ってる間、お見かけするのが見るからに「大人」な方達ばかりだったので、内心ドキドキでした。

    ネタバレBOX

    「極めて美しいお尻」→お尻フェチ。変態っぽかった…。
    「不躾なQカップ」→Qカップがそうなっちゃうのか…。
    「揉む痛み」→そんな妄想するなんてどんだけMなの…。
    どれも真剣なおふざけ感がなんとも言えない感じで素敵。

    「本能」→目隠し+拘束!気配とか吐息とか、エロいよ!!!
    「エロスの解剖」→自分が仰向けになってのぞかれる・・・ある意味羞恥プレイ。自分の後に初老の男性が体験していたが、どんな感想をもたれたのか気になってしかたない。
  • 満足度★★★★★

    うわ、
    あんなに楽しかったのに感想書いてなかった!すみません、、、ネタバレBOXにこっそり書いておきます。

    ネタバレBOX

    (ブログのコピペです。遅すぎてすみません。はい。)

    ・場所は王子小劇場の「裏」
    ・駐車場の奥の小さなエレベーターで地下へ
    ・エレベーターの中は青い光とミラーボールで既に怪しい
    ・地下に降りるとやはり暗くて怪しい
    ・待ってる間はヘッドホンで音を遮られる

    もう既にこの時点で怖い怖いww 何が起こるのだろうとガクブルでした。

    私が予約したのは大川翔子さんと堀越涼さん出演の劇団スクール水着『NOT BACK 堀 PLAY』。覗き穴から見ると思ってたら、この演目だけ演出が違うらしく。

    ・中に入ると、非常に狭い空間(2畳くらい)に立つ役者さん二人
    ・その間に仰向けで寝かされる
    ・左目を左手で隠して、15cmほどの長さの丸い筒を右目に当ててその中から観る
    ・時間は5分

    寝かされた時点で既に観客はまな板の上の鯉状態。そしてスクール水着姿の大川さんと涼さんが超絶至近距離でお芝居。 大川さんがいつの間にか巨大になってしまったという設定なのですが、顔を思い切り穴に近づけて妖しい目つきで演技をしたり、私の身体を東京に見立てて「この辺が東京タワーで」とか二人で言ってたりしてめっちゃ近いしめっちゃエロいし、ヤバすぎて発狂寸前。 これ、男性のお客さんだったら間違いなく○○でしょうwwwww(あ、だから東京タワーなんだ(爆))涼さんも何気に上半身裸だし、もちろん演技は上手いしで、危うく惚れそうになりました(笑)


    ということで、5分間で超悶絶、失神寸前。息も絶え絶えに部屋を出ました(笑)


    ちなみに、全11演目の中から私がなぜこれを選んだかというと、堀越涼さんがproject anaume『よせあつめフェスタ』 で素敵な演技を見せてくれたから。またあの繊細な演技を見たかったのです。しかも至近距離だしね。

    そして。 当日券だけということで、KIKKY『本能』という演目を勧められましてて。なんでも、役者の姿は見えない「囁き演劇」だと言うので、せっかくなのでチャレンジ。

    で。

    ・暗くて狭い部屋の中に入ると、拘束椅子_| ̄|○
    ・座らされて両手を肘掛にベルトで固定されて、目にはアイマスク

    何も見えない中、3人くらいの女優さんが入ってきて私の周囲をグルグル回りながら、ひたすら「信長、どこじゃ。出ておいで。信長、信長」と幽霊のように囁き続けるのです。時には遠くから、時にはめちゃくちゃ近くで吐息を腕や首に吹きかけながら。思わず「怖い」と口走ると、「怖がらないでよいぞ、出ておいで」。最後には「そこか、そこの茂みか」と耳元で囁かれて。

    何のプレイですかこれはwwwwwwwwwwwwww

    で、部屋を出るともう、超絶ぐったり。なんだかレズプレイで犯された気分でした(笑)

    目隠ししてたから誰がいたかなんて分からなかったけど、終演後にパンフを見たら佐々木なふみさんの名前が。なにやってるんですか(爆)

    んー。 エロスでした(笑)

    5分×2本で、こんなに悶絶させられるとは。予想外も予想外。帰りのエレベータで一緒になった知らない女の子と、王子駅まで興奮状態で話しながら帰りました(笑) こういう超絶悪ふざけも面白いですね。

    大川さんも涼さんも、面識はないけれどそこそこ好き、というくらいの役者さんだからいい具合に楽しめたのかも。面識のある役者さんだったり全く知らない役者さんだったら、多分ここまでのエロスは感じないんだろうな、と。


    ああ、面白かった☆
  • 満足度★★★★★

    観劇「15 Minutes Maid」
    まず裏から入り,エレベーターで地下1階へ。なんか怪しげな受け付けがあって,待合ブースに案内される。なんか怪しげな風俗店みたいな感じ。ヘッドフォンを渡され,CDで案内を聞く。前にいた客が案内され,次が自分の番となる。もうこの時点で心臓はドキドキ。去年も観劇しているけど,慣れないなぁ。お目当ての原田優理子さんを間近で観れると思うと暴発寸前(爆)。で,観劇するが,あ!という間の5分間。ただ5分間とはいえ中身が濃い。終わったときには凄い脱力感に襲われた。ふー,ZOKKYは心臓に悪い^^;また,初心者には絶対オススメできない。それが異性の友人ならばなおさらである。

  • 満足度★★★★★

    「舞台芸術アワード!2010」に、
    すでに投票確定したので、「観てきた!」に書かざるをえない。2作品しか観ていないんだけど♪

  • 満足度★★★★★

    たまらない。
    そうだよ、演劇ってこういうもんなんだよ!と大層興奮させてくれました。昨今じゃテレビや映画から人が浮き出て見えるそうだが、冗談じゃない。それは役者の吐息が聞こえるか?光る汗の艶っぽさをみて息を呑めるか?抑えられないほど胸の高鳴りを感じられるか?500円で買える贅沢。ヨドバシに行ってポイント貯めるか使うか悩んでる場合じゃないぞ。王子へゆけ。

  • 満足度★★★★★

    贅沢な時間。
    今回初めてでしたがかなりショッキング。近い!近すぎるし目線合わせてくる!吐息まで感じる!のぞき部屋じゃない、のぞかせ部屋だった。想像ではもっと人知れずに盗み見る後ろめたいイメージだったのに、あたりまえだけどどうやら向こうはのぞかれているのを知っているようだ(笑 こんな演劇スタイルを実現してしまう集団に敬意を表します。予約の時点ではかなり胡散臭い感じがありましたが(笑 それでも好きな役者さんが出演している作品は押さえておきたいと第一ステ:「5 Minutes Maid」「ワイルドオタッキー」第二ステ:「日本にトイレが無くなる日」「不躾なQカップ」を2日に分けて観劇。今はなぜ全作予約しなかったのだろうと後悔しています。

    ネタバレBOX

    当日受付可のKIKKIも体験しました。観劇の待ち時間にKIKKYを勧められ二つ返事で部屋の中に。目隠しに手を拘束され至近距離で何やらエロい感じで囁かれゾクゾク感を味わうも緊張と室内の暑さで汗が吹き出し、それが気になって集中しきれなかった。本編もそうですが場所柄空調が効かないのが難点。まぁ普通なら9月半ばで地下なら快適な気温だったはずですが・・・
  • 満足度★★★★

    KIKKY
    生バイノーラルドラマ!

  • 満足度★★★★

    ヌキバカ 「ワイルドオタッキー」
    1?15

  • 満足度★★★★

    5分のメイド
    5 minutes maid というタイトルが、思い返せばなかなか味がある。きわめてシンプルなネタながら、見せ方のシチュエーションで贅沢で濃い演出に仕上げているところが、他にはないであろう味わい。ご主人様の、それ以前とそれ以後の物語が浮き彫りになるようで、5分で尽きない余韻が面白い。

  • 満足度★★★★

    なんだかんだで全部観た!
    そういえば、これも観たな。書き忘れ。

    なんだかんだでKIKKYとmicro ZOKKYまで11作品全部観た!
    何回通ったことか裏の入口に。
    最初はのぞきにいくのがはずかしくて躊躇していたんだけど…。
    そのうちだんだん楽しくなって中毒に。

    1つ1つの作品がすごく丁寧に、バカバカしく、妖しく、
    エロチックで完成度が高い作品が毎回楽しめた。
    女性が観てもおもしろいですよ!

    そうだ岡田あがささんのCD「ZOKKY Premier/エロスの解剖」
    両トラックともいかしてる。

  • 満足度★★★★

    岡田あがささん
    岡田あがささんの回を観た。
    いやー、あちらから見えてるのかどうかが分からない空間で
    こっちも緊張してしまいました。

    でも、本当に素晴らしい企画だと思います、

  • 満足度★★★★

    KIKKY体験っっ!!!
    昔懐かしき「バイノーラル録音」の効果をナマで体験、的な感覚だが、囁く息使いまで肌に伝わるのがナマナマしい。
    それにしてもあの椅子、わざわざ作るとは恐れ入る。その後の再利用のアテはあるんだろうか?(笑)

  • 満足度★★★★

    勢いのある混沌
    「ワイルドオタッキー」。ヌキバカという団体名(?)が、最後に当意即妙の面白さ。

    真下かおるさんのライトなアホっぽさが、引きもせず乗り遅れもしないちょうどいいリズムを作ってて、5分間にエピソードが上手く入り組んでいる。ネタの肝は誰でも思いつきそうな駄洒落に近いノリながら、それを見事に仕立てあげた演出が楽しい。

    司会がかなり狭いもどかしさをウマク使ってる感もなかなか。

  • 満足度★★★★

    5分間のワンダー。
    ZOKKYの超ラグジュアリーなR&Bナンバー『エロスの解剖』を聴きながら現地へ。当方、ZOKKYは初見です。観劇したのはヌキバカ『ワイルドオタッキー』。
    何となく全力でアホをやってるテンションが高い感じの作品なのかなぁなんて想像していたのですが私のこの考え、相当に野暮でした。
    『わたしだけがそれをみている』という特別な感覚が、空間に一歩足を踏み入れるとぐわんと身にせまってきて。
    美しく色鮮やかに塗りこめられていくとびっきりの嘘や、愛欲にまみれた乞食などに板挟みにされた窮屈な現実が生きるか死ぬかのオセロゲームをしているようで。息をつく間もなくファンタジアに出会うのです。
    そしてファンタジアの可能性を追求した超ウルトラ立体構造のフレームワークにもノックアウト。
    たった5分、されど5分のワンダーランド。必見です!

    ネタバレBOX

    王子小劇場を右目で見送りぐるりと迂回し王子小劇場裏口へ。B1へとつづくエレベータのボタンを押してしばし待ち。扉が開くと、エレベータのなかには天井からミラーボールが吊り下がり、その足元にはスポットライトが取り付けられていて。(←ちょっと手狭なワンルームディスコ状態で。笑)まさかここでZOKKY??とおもったのもつかの間、何なくエレベータはB1Fへ。あのミラーボールは一体何だったんだろうか・・・。という疑問を残しつつ、タキシードに身を包むシュっとしたスタッフに迎え入れられる。足元には赤いビロード、その周りに電飾がキラキラ光ってて。アレ?来るところ間違ったかしら。なんて一瞬おもった。そういえば、ZOKKYの先行予約を購入した際に封入されていたMUのハセガワアユムさんのCDレビューに『まるで六本木の間接照明で照らされているようなラグジュアリーさが・・・』って書かれていることをふと思い出し、なるほど合点がいった。

    受付を済ませるとスタッフの方からヘッドフォンが渡された。しばし装着。近未来的なエレクトロポップミュージックを数曲聴いた後、名前が呼ばれた。超緊張する。なんだか特殊な治療が施される診察室へと誘導されるような気分。笑 赤いビロードをてくてく歩き、数段階段を上がった小部屋。いよいよ鉄の扉が開かれた。事前に目を通しておいた観劇の際の諸注意を反芻する。
    『足元に描かれている足の形にあわせて両足を乗せて待ち、前方から壁がせり出してきたら壁の中央部にある穴から覗く。』

    扉が閉まった途端、ZOKKY・・・と数回エコーがかかり、中央部に不思議な黒い幾何学模様がペイントされた白い壁の上方部にピンク色の艶めかしい雰囲気のスポットライトが点滅し、それを盛り上げるようにして左右に橙色のスポットライトが数回踊るオープニングの後、本編がはじまった。

    物語は、ある主婦のモノローグから始まる。
    彼女は昨日娘のサクラを保育園に預けた後、不倫相手の男とホテルでふしだらな行為に耽っていた。どんな風にして冒されたのか。その感触を確かめるようにして、ゆっくりと身体のパーツに触れていく。そうして男との思い出も心の中へとよくなじんでいくように。

    そんな彼女は大手家電量販店に只今絶賛パート勤務中である。ふしだらに花開いた妄想をあっけなくフロアチーフにへし折られ、AV機器売り場への販売応援を指示された。
    「AV?」
    AVはアダルトビデオの略であると自動的に脳内変換した主婦の妄想は芳醇な花の香りを放つランジェリー姿のうら若きAV女優として立ちあがり、彼女の現実を押しのけて覗き人の目に飛び込んでくる。(←主婦の若かりし頃の幻影、叶わなかった願望(イメージ映像)、さらに覗き人の願望が三位一体となったスゴ技!笑)

    欲望が新たな欲望を呼び寄せるかのように、彼女の背後に影をひそめている現実の裏側、深層心理に眠りつづける妄想の扉が開かれると緑色の怪しい光に照らされた、四つん這いになった女が振り子のように規則正しく尻を振り、見知らぬ誰かによって鞭で叩かれ喘ぎ続けているかのような光景が広がる。彼女の冒されたいという欲求は、愛されたいというこころの叫びのようだ。
    彼女の背後の奥へ、奥へと無限に続いていくような赤いビロード上に厳然と続いていく長い階段は、苦しいことが積み重なった開かずの扉のようであり、また一度足を踏み入れるともう二度と戻ることができないが、ほんの少しの間だけ何度でも夢を観ることはできる魔法の扉。魔界の入口のようであるようにも思えた。この場面が私はこの作品のなかで最も幻想的だと感じた部分である。

    ただ、現実を隔てたその向こう側に見とれてしまったが故に、フロアチーフが歌い出したあのカラオケが何のことやらすっかり忘失してしまった。(←苦しい言い訳)しかし、あのフロアチーフはやたら目線を合わせてきたし、そればかりか覗き穴から飛び出してくるほど顔を近づけてきたので、もしかしたらここが作品のなかで最も重要なシーンだったのかもしれないのだが。汗

    さて、妄想と板挟みになり、というよりもむしろ妄想にひきずり込まれそうになっていた主婦の現実はこの後、ひとりの『オタッキー』によって救われる。

    彼が「DELL コンピュータは販売しているか?」と尋ねてきたのである。主婦をバックショットにしてわざと表情を見せない演出がとても憎い。(自分の脳内にはこの瞬間、相対性理論の「らぶずっきゅん」が掛かりました。)

    「・・・・でる?」
    その言葉を聞いた途端、暴れ出す彼女のなかの妄想たちは『ヌキバカ』らしくはっちゃける!
    いわずものがな、AV(女優、ビデオ&機器)浮遊のDELL(パソコン&射精)着地。

    個人的には、でる・・・・?で主婦がオタッキーをさらって(←逆のパターンも可)駆け落ちとかしてしまうほうがファンタスティックなのに!とかおもったのだけど、主婦の妄想劇だから、それはないか、と勝手に納得。

    この作品を選んだのは、やはりワイルドなオタッキーがわさわさ出てくるだろう!という勝手なイメージが先行していたこともあって、案外オタッキーが普通っぽすぎて、ちょっと肩透かしを喰らってしまった。ワイルドになれないオタッキーを表現してたのかな。だとしたら、オタッキー側からの視点もないと辻褄があわないような・・・。ともあれ、こういうのはあんまりリアルすぎると切実すぎて、おもしろさが半減してしまうのかな。

    しかし覗くということが、こんなにも楽しいものだとはおもってもみなかった。
    最初からドキドキワクワクしっぱなしで。
    まばたきをする度に1ショットづつ場面がぐるぐるとメリーゴーランドのように展開していく緻密な構成――カットイン/カットアウト、フェイドイン/フェイドアウト、クローズアップ、早回し/長回しなどすべてを俳優の距離感や存在感で表現する演出が挑発的で舞台空間におけるフレームワークの限界に挑戦しているようにもおもえた。
    そしてやはり何といっても俳優がこちらを見つめる瞬間が格別!!
    いやはやこれはクセになりそうだ。笑
  • 満足度★★★

    唇エロス
    ZOKKY初体験。
    ニュウリンバズウカ「揉む痛み」を観劇。
    そのまま当然のようにmicroZOKKYへ。
    これがさぁ…(笑)

    ネタバレBOX

    「揉む痛み」は川村紗也の唇とSっ気を全面に押し出した分かってる演出で満足。
    大塚さんの半裸もあるので、そっち方面の人にもオススメ。
    microZOKKYは完全な羞恥プレイなので、Sの方は怒り出すのではなかろうか。
  • 満足度★★★

    本能に響く。
    失禁蝶々『日本にトイレが無くなる日』&耳だけで感じるささやき演劇、KIKKYをつづけて体験。
    前者は人間にとって切実な生理現象を扱う話でその内容は私見ではタイトルがすべてと言っても過言でないようなものでしたので、あらすじを追うというよりも、吐息がかかるほどの至近距離から見つめる臨場感だったり、美し過ぎる岡田あがささんにクラクラしたり、濃密な空間を丁寧に描く構図(カット割り)にニヤニヤしたりしながら楽しく拝見しました。
    ちなみにKIKKYの方は、なんだかもう、新感覚のアトラクションって感じで、衝撃度&体感温度に関してはZOKKY超えました笑。
    ただこちらはかなりアダルティですので、女性の方はちょっとした勇気と覚悟が必要かもしれません。(もちろんエスプリの利いたギャグは健在ですが。)

    ネタバレBOX

    失禁蝶々『日本にトイレが無くなる日』

    空きのトイレを求めてさ迷う成人男性(鈴木浩司・時間堂)のもとへひゅるりあらわる華麗な女(岡田あがさ)。
    漆黒のドレスに身を包む高貴な女はしかしどこか魔女めいていて、片手にはシンデレラを殺した時に用いたような真っ赤なリンゴが握られている。

    女は、男の気を惹くために召使に天津甘栗を買いにいかせた話などを聞かせるが、男はそれどころではないらしく、ちっとも話を聞いてくれない。

    もうすぐ世界が終わるとしたら、命を乞うことよりも尿意から解放されることを願うような男と、不思議の国での暮らしが長いのか、人間の男の誘い方がよくわかっていないような女の相容れないふたりの欲望は、やがて時計の針のようにぴったり重なり、ふたりにしか理解しえない愛に溺れる・・・。

    誘われる男と誘う女以外の4人キャストたち――斉藤マッチュ(劇団銀石)、さいとう篤史、石黒淳士、浅見臣樹が覗き穴から前方後方部の階段を上がりきった右手にあるという設定のトイレの前で、いまにも『失禁』しそうなサラリーマン風男性といった様相で、ポーズを決めこんでいて、5分間ほぼそこから動かない(というか動けない)というのがとってもシュールで笑いを堪えるのに大変でした。

    今回は数日前に見た『ワイルドオタッキー』よりもいくぶん、慣れたせいもあって、アングルやフォーカスを自分のなかで微調整しつつ観ていましたのですが、観ればみるほど、精密なつくりで非常に幻惑させられました。
    特に、誘われる男の顔右半分が覗き穴を塞ぐ静止画から、女に声をかけられ目玉をギョロリと動かしスッと斜め後ろから女が立ち現れる時のタイミングと遠近感、男が女の方に振り向く速度と角度、ひとりごとのように自分のことを話まくる女の声をバックミュージックのようにして誘われる男の唇から鼻、目へとなめらかにパンをしていくあのエッジの利いたフェティシズムには、崇高なる美を感じました。
    また、ラストの方で誘う女が覗き人にウィンクをする瞬間などは、自分が男だったら即キュン死してました。笑

    それだけに、ストーリーにももう少しゾクゾクするような何かがあってほしいなぁ、という欲も生まれました。といいますのも、トイレに並ばなければならないという必然性のようなものが見えにくかったのです。
    ヘンな話、よっぽどの緊急事態であるならば、ひとはその辺で用を済ませることを視野に入れるのではないかしら、と。そうおもうと、その辺で用を足そうとすると魔女狩りされるとか、むしろ魔女に承諾を得ないと放尿できないというストレス社会だったり、そんな世の中すら謎の機械生命体によってもうすぐ終わってしまったりする方が空恐ろしいような。なんておもったりだったのでした。


    KIKKY――耳だけで感じるささやき演劇。

    ZOKKYの右隣の真っ暗な部屋。扉がひらくと白い椅子が一脚。
    そこに座り、肘掛に両腕を乗せ両手首を固定、更にアイマスクで視界を遮断される。ラジカセからチープな戦の音が流れた後、扉が開く。

    最初は遠くから聞こえてくる声が、だんだん近くなってきて。その声は耳からどんどん派生していき、全身に広がっていく。吐息のシャワーを浴びるといったらいいだろうか。

    複雑なことは何もないのですが、観客・キャスト双方が隠れている、もしくは騙しているのではないか、という予感も相まってエキサイティングでした。

    本能寺の変をモチーフにしていると思わしきプロットもエスプリが利いていてすてきです。ひょっとして観客の本能に響くことへの願いもこめられてたのでしょうか。

    一応念のため18禁推奨します。特に純情ボーイ君たちは。想像力の翼を広げすぎぬよう・・。笑

    篤姫だったりマリー・アントワネットを体験できる女性向きヴァージョンがあってもいいかもしれません。

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