不思議な空間
円形の舞台だったので、向かいのお客さんの視線が、初めは気になりました。
でも、役者さんの会話が自然で、だんだん客席と舞台の境目がなくなった感じで、途中から気にならなくなりました。
いつの間にか勝手に舞台に参加してた感覚です。不思議。
満足度★★★
初入村。
批判(?)が出るとしたら、きっと、フィジカルとセリフの平易さに集中しちゃうんだろうな~と思った。
劇中劇団の稽古で、身体表現を鍛えるレッスンシーンなどは「いや、もっと形を固めてから見せたらいいのに」と、つい心で突っ込むほど。
円形なので、ある程度は背中しか見えないシーンもある。そこでも、背中の芝居が見えない。
けど?
この話は、そこいらにいる、方向性に煮詰った代表が演出している若手劇団の稽古場だし、そこいらにある生活。
それじゃ、これで成立してるんじゃん?と、思い直した。
そして、「物語」に浸れないまま終わっては損だなと。
おもしろいなどと言えない
「おもしろい」と言うくくりだけでは観れなかった。
いいぞ、いいぞ、いけいけーという感覚。
現代口語調を直接的に表示しなかがらもまだまだ
それを完璧には表わしていない感じの。
たまたま脚本が私のツボとあってたかもしれない。
広島原爆といい、鬱っぽい感じといい、1Q84といい。
他で見れない劇団色なので斬新な試みだったと思う。
円形ホールを上手く使っていた。
満足度★★★
足りないものをもっと探って欲しい。
なんというか、感想を書きにくい舞台だった。
表現は「見たことある」と思えるものがいくつもあり、何をやろうとしているのかが透けて見える。
面白い試みはいくつもあったが、「今までにない」ものではなく、散々見てきたようなものばかり。新しいものはなかった。
脚本も演出も、頭で考えたもので役者の身体に根付いていない。頭と身体が遊離しているようで見ていてしっくり来なかった。
作・演出の方は「頭でっかち」と言われることが多いのではなかろうかと邪推してみたりもしたが、その「頭」がまだまだ足りないと思える。もっと徹底的に考えて作り込むべき芝居だったのではないだろうか。
観劇中に思ったのは、緊張感が圧倒的にないという事。
役者の神経が指先まで通っていない。
これではこちらも緊張感を強いられず、結果、だらけて見てしまうことになる。
また、ハッとするシーン、劇的シーンがないため、見ている方は漫然と見ることになってしまう。
大雑把に言わせていただくと、役者陣は散漫。細心の注意で演技をしていない。
作・演出は何をやるつもりかが見えてしまうものだった。
作者はまだ自分がどんな演劇をやりたいのか見つけてないのだろうと思えた。
「こんなのやってみたい」程度しかなく、まだ「自分の演劇」がないのだろう。
まだ真似だけでオリジナリティがない。
かといって評価してないわけではない。
下がって行く一方、という劇団ではないようだし、「自分たちは出来ている」と思い込んでやっているわけではないのが好感。
いつもながら舞台(セット)は「面白そう」という観客の興味をそそる。