満足度★★★
足りないものをもっと探って欲しい。
なんというか、感想を書きにくい舞台だった。
表現は「見たことある」と思えるものがいくつもあり、何をやろうとしているのかが透けて見える。
面白い試みはいくつもあったが、「今までにない」ものではなく、散々見てきたようなものばかり。新しいものはなかった。
脚本も演出も、頭で考えたもので役者の身体に根付いていない。頭と身体が遊離しているようで見ていてしっくり来なかった。
作・演出の方は「頭でっかち」と言われることが多いのではなかろうかと邪推してみたりもしたが、その「頭」がまだまだ足りないと思える。もっと徹底的に考えて作り込むべき芝居だったのではないだろうか。
観劇中に思ったのは、緊張感が圧倒的にないという事。
役者の神経が指先まで通っていない。
これではこちらも緊張感を強いられず、結果、だらけて見てしまうことになる。
また、ハッとするシーン、劇的シーンがないため、見ている方は漫然と見ることになってしまう。
大雑把に言わせていただくと、役者陣は散漫。細心の注意で演技をしていない。
作・演出は何をやるつもりかが見えてしまうものだった。
作者はまだ自分がどんな演劇をやりたいのか見つけてないのだろうと思えた。
「こんなのやってみたい」程度しかなく、まだ「自分の演劇」がないのだろう。
まだ真似だけでオリジナリティがない。
かといって評価してないわけではない。
下がって行く一方、という劇団ではないようだし、「自分たちは出来ている」と思い込んでやっているわけではないのが好感。
いつもながら舞台(セット)は「面白そう」という観客の興味をそそる。