公演情報
「獄中蛮歌」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/12/28 (水) 19:00
このライブハウスに来るのは初めて、というかそもそもライブハウスに行くこと自体がほとんどない。
“生きることから逃げないために、あの日僕らは逃げ出した”(生き逃げ)という長い名の団体、「生き逃げ」と略すようだが、もはや正式劇団名は思い出せない「熱ら。」(主宰は夢麻呂といったっけか)みたいだ。第5回公演とのことだったが、中に入ると客のほとんどは若い女性。私も含めてちらほらと浮いて見える高齢者の男はCoRichのチケプレで来場したものか。場違いさを覚えながらも、下手側前方に座って開演を待つ。
演劇とハード・ロックライブの中間ともいえる内容だったが、この種のステージでこれほど大きな満足感と感動を覚えたのは初めて。
(以下、ネタバレBOXにて…)
実演鑑賞
満足度★★★
激情キネマ舞台『生きることから逃げないために、あの日僕らは逃げ出した』という源から派生した集団演じるフライヤーには、囚人服姿の登場人物たちが描かれている。無論上演中、何度か呟かれるように「僕たちは笑う為に、泣きながら生まれて来た」という美しいフレーズに結晶するリリックな部分が無い訳ではないが、脱獄を試みて失敗し続ける姿を描く今作から感じるのは、諦めないことは評価するにせよ、失敗から本質的な教訓を学ばず敗北主義に甘んじ真の対決を避けようとする甘さと決意性一般で総てを曖昧化しようとしている意志である。真の戦いは、論理による勝利を確実にし、当初の計画を実現するものである。その辺りを勘違いしてはいけない。華3つ☆
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/12/29 (木) 19:00
檻の中にいる方が楽だろう?別に何不自由なく生きられる。だから何?お前らはそれで良いのか!?そうやって自分とちゃんと向き合わず、自分の殻に閉じこもったままで良いのか!?実際の監獄は勿論のことながら、心の檻からも脱獄しないと本当の自由は得られないという二重の意味を脱獄という行為に込め、教訓的じゃなく、押し付けがましくなく、ハイスピード、パンク・ロックあり、激しい社会批判や過激な言葉やえげつない言葉、大麻などを連発するラップを取り込んだ、ダンスあり、アクションあり歌ありの一風変わったミュージカルで、音楽も含めて、気付くと、その独特な世界観にのめり込み、自分も迷える囚人の一人と錯覚させられるほどに没入していた。
囚人を演じているのは全員男優だったが、男優たちの実際の実生活やアルバイト、ホームレスなどの真実、男優たちの性格や感情の機微を個性的でアクの強い囚人たちの性格やその囚人たちの今までの生い立ちに、ところどころさり気なく混ぜられていて、抱腹絶倒したり、悲しくなったり、感動したりと感情移入し、あまりに俳優が演じる囚人に俳優が寄せてきている感があって、男優が囚人を演じているのか、それとも、囚人が男優を演じているのかの見境がつかないほど、肉体全身を使って全身全霊で表現していて、眼を見張る程見事だった。
ロックやラップに乗せて2.5次元俳優を猛烈に批判したり、自虐があったり、社会、政治批判に、戦争批判、現状批判、常識に対して鋭く疑問を叩きつけたり、ディズニー批判に、しまいにゃ著作権問題に対して辛辣に批判、さらには個人的な恨み辛みもねじ込んでくるその無神経さ、図太さ、言いたいことを言う感じに、共感し、大いに笑い、時にハッとさせられた。
『獄中蛮歌』というパンク・ロックな曲が劇の終盤とアンコールでも再び流される頃には私も、ノリに乗って、体中のアドレナリンが爆発し、公演が終わってもしばらくは興奮が覚めやらなかった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、パワフルな公演で、その熱量に圧倒される。
「生きることから逃げないために、あの日僕らは逃げ出した」は逆説的な言葉にすることで、現状打破を試みる力強いメッセージ性を発している。勿論、監獄からの脱走は比喩であり、その獄中とは慣れ親しんだ居心地の良い環境(場所)、もしくは忸怩たる思い…そう自分のことだ。現状(維持)か反発(刷新)か、7人の葛藤を熱い語り掛けで(ラップを踏むように)展開していく。劇中、何回も繰り返す「脱獄しよるときさ 誰か俺の服 引っ張ってなかった?」は”葛藤”を表す台詞として実に印象的であった。
この7人は時代や置かれた状況は区々で、一人ひとりに負わせた問題や課題によって 普遍的とも思える味わい深い内容に仕上がっている。鉄格子前後で、行くのか留まるのか、その揺れ動く心情を熱く激しく ぶつける様な演技は汗だく。しかし不思議と清々しさを感じてしまう。満員の会場は、外の極寒とは対照的に異様な熱気に包まれていた。
メッセージ、そのテーマは一人ひとりの内なる「叫び」であり、それまでの生き様ーー未練・後悔・トラウマといった自分自身に囚われた牢獄(呪縛)から脱することを意としている。それを外見の奇抜さ、白塗り化粧の顔、横縞の囚人服といったインパクトある観せ方で観客の関心を引き、一気にその世界観へ誘う。
生バンドーーギター、ピアノ、ドラムが観客の心を激しく揺さぶる。役者の大声(叫び)と共鳴するようで、地の底から唸るような声と音のコラボレーションは迫力があり圧倒される。勿論、バンドメンバーは化粧も衣装も同じ、ただ鉄格子の中にいることだけが異なる。この公演はライブハウスという場所でないと、その効果的な観(魅)せ方が出来ないのではないだろうか。そこに何となくコアなファンだけの<公演>になっているようで勿体なさを感じる。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし)