のばら心中 公演情報 のばら心中」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    着物の女性は良い。
    着物と言うのはとても艶かしくて良い。
    白菊の一番最初の入り方は良かった。
    それだけに、あのように印象的な演出に耐えうる女性陣がいるのだから
    大見得を切らせるシーンがもう少し入っても良いのではないかと思った。

    男性陣にはもう少し頑張ってもらいたかった。

    展開や、人物の絡み合いはシンプルでわかりやすくて良かった。
    言葉も光るものがある。
    それだけに、心情を表す演技がとても大切になると思う。

    ネタバレBOX

    絵師で遊郭にもぐりこんだあの男が、
    どこまで本気で遊郭に残りたいのかわからない。

    左手なら差し出すというのが
    師匠や兄弟子たちを見返すために来たというのでは
    説明のつかない演技だった。
    絵を書くには左手は必要だし、その後
    師匠に認められて白菊を裏切る段でも、男がどこに思い入れがあるのかわからない。
    絵か白菊か意地か、どれを取りたくて、現在どの葛藤にとらわれているかを
    台詞の無いところで描くことができないと、あの役は非常に難しいと思う。

    女性陣の物腰が丁寧で、それなりにピシッと決まっているので
    なにか心にひっかかるオトコと言うのでなければ、釣り合いが取れない。
    優柔不断な男を演じるにしても、心に何かを秘めていなければ。
    話の柱となる人物ならば特にそう。

    男性陣は花魁とは別の、時代劇としての動きの様式美が欲しい。
    どうにも現代人ぽい。あと、もう少し声張ってもいいかと思う。
    男と言っても、オカマの俳優の方は良かった。

    また、白菊が死んだあとののばらは、もっと寡黙な演技に重厚感が出るとよかった。
    自暴自棄になってる風なのだが、それ以上の何かをもっと観客に感じさせることができそうだ。
    それでこそ主役、どこまで思いつめてあのような行動に出たかを
    観客は納得することができる。

    盛り上がるシーンを、もっと大胆に山を作っても良いかと思いました。
    なんたって時代劇だもの。今回はちょっとすんなり行き過ぎちゃったかなと。

  • 岡場所のようでした
    スタッフもキャストも、良い舞台を創ろうという、真摯な姿勢を随所に感じ、大変好感が持てました。
    これが、大学の余興芝居とかで、尚且つ、私がまだ若く、近世吉原の知識が皆無な人間だったら、間違いなく、大賛辞を送れる舞台だったと思います。

    ですが、残念ながら、この世界になまじやや精通していたため、今回の公演は、心から楽しむことが困難でした。吉原のしきたりとか、衣装とか、考証的に、これはあり得ないと首を捻る部分があまりにも目についてしまいました。
    もっと、舞台自体が、デフォルメした表現なら、こんなに違和感を感じなかったと思うのですが、スタッフの、懸命に、当時の吉原の遊郭を再現しようとする工夫が隋所に見えたせいで、逆に、それが裏目に出てしまったように感じました。中尾さんの紡ぎ出す、心の琴線に振れる台詞が幾つかあっただけに、この綻びが残念でなりませんでした。
    小劇場レベルで、吉原の遊郭を舞台にするなら、最初からリアルさのある衣装やセットにせず、むしろ裸舞台で、観客の想像に委ねる舞台様式にした方が成功するのではと思います。

    のばらと白菊は、どう見ても、高級遊郭の花魁には程遠く、この舞台は、どうしたって、岡場所風情に見えました。

    中尾さんの時代劇戯曲の才は素晴らしいと感じ入っているので、次回の更なる成長を楽しみにしています。

    ネタバレBOX

    現代の材質の紙に描かれる浮世絵や、硯のない絵師の絵道具、遊郭の女将の衣装、花魁の言葉遣い、下駄と言いながらどう見ても草履…
    とにかく、間違い探しのように、あれこれ、目に付いてしまいました。

    ストーリー展開に独自性があり、既製の時代劇にない魅力を感じる戯曲だけに、とても残念でした。

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