無題
サイトとチラシで印象の異なる文章が書かれている。舞台から受ける印象はまたさらに違う。『藪の中』のように各自の視点から描かれる構成を取っているが、実際の描き方はむしろどれも客観的だ。とはいえ真相らしき視点が無いまま終わるのはやはり『藪の中』だ。
鳥公園は、乞局で役者をしていた西尾佳織が独立して作った団体とのことで、その演出は乞局に似た印象を受けた。ただ、乞局のように嫌な登場人物ばかりというわけではなく、むしろ弱くて流されてしまった人たちのようであり、断片的には感情移入できなくもない。
家族とか親子を題材にした作品は個人的に痛いのだが、特にこの作品は子供のいない夫婦が発端になっているため、なんとも切ない。そして物語としての味はとても苦い。嫌いじゃないが。苦い。
満足度★★★★
ひしゃげたキャビネットが象徴するいびつな家族像
アメリカで実際にあった事件がベースとは聞いていたが予想以上に複雑な(?)状況。
焼け焦げた柱や錆びたシンクなどを使った装置はその象徴か?
中でもひしゃげたキャビネットにいびつな家族像がよく顕れていたように思う。
満足度★★★★
観ているのがつらくなる
ストーリーが重いテーマを抱えている。観ていて気分が重たくなってしまいました。劇場の外の日差しの明るいこと。実話を基にした舞台。不幸な子供たちが救われるように祈るばかりです。