愛獣-改訂版- 全公演日程無事終了いたしました 公演情報 愛獣-改訂版- 全公演日程無事終了いたしました」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.4
1-10件 / 10件中
  • 満足度★★★★★

    もののけ!
    白いお面を付けた「かおなし」みたいな女が登場する。闇夜に瞬く獣のようだ。どうやらこの「かおなし獣」が物語の「愛獣」のようだ。しかしこの「愛獣」は一人という箪称ではない。それは心に潜む象徴なのだ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    舞台はいつもの霧がかった怪しい世界。そこに「愛獣」が登場する。かつて獣でなかったころ、彼女は一人の男性を愛したのだった。しかし、男性が自分の元から去ってしまうと、愛に餓えた獣となって執拗に男性を追いかける。果てに「私以外を誰も見られないように目を、私以外誰も抱きしめられないように腕を、何処へも行けぬように足を切り落としてしまおう。」と呪いのような言葉を吐く。

    一方で女に裏切られた咲田は女を殺して自分も死のうと考えナイフをポケットに忍ばせる。その途中、ジョニーと会い、ジョニーは咲田の行動を察して、自分の過去の出来事を話し始める。

    そして、ジョニーの過去へと物語はトリップする。
    ジョニーが幼いころ父が他界してからずっと母子家庭で育っていたがママの満ちあふれた愛情のおかげでジョニーは幸せだった。「美しく優しく非の打ちどころがない完璧なママが俺には眩しすぎた。」と話し始めるジョニー。
    しかし、ジョニーの将来を考えたママが再婚した夫は暴力男だったのだ。ぶたれても「あなたのためなのよ。全てあなたのためなの。だって愛してるんですもの。あなたは私の全て・・。」とジョニーに言いながら耐えるママ。ママの愛を得られないことに心底苛立つ義父。ジョニーに対して特別な愛情を抱く義弟。これらの愛が重すぎたジョニーは盲目の愛が恐ろしくなって、逃げる。

    少年ジョニーとママとの情景を白い衣装をまとったバレエで魅せる。美しい風景だった。少年ジョニーと美しいママとの繊細なシーンだ。やがて・・・カルメンのような動のダンスに変わっていく。

    逃げたジョニーはなるべく人と深く関わらずに生きた。しかし、そんなジョニーにも明子という存在が深く関わってくる。明子はジョニーが油断しているうちにグングンとジョニーのアパートに押しかけ一緒に暮らすことになる。明子はジョニーの隙間にいつの間にか入り込んで、その隙間をせっせと均していく。この二人の生活風景がギャグなのだ。実に楽しい!コメディだ。

    やがて、ジョニーは「これ以上俺に入ってこないでくれ!」と叫んで明子の元からも逃げてしまう。母の愛に素直になれず、義弟・ケンとも向き合えず、明子からも逃げてしまう。
    そして、月日は流れて20年後、憶病で誰の気持ちも受け止められなかったジョニーはやっと明子のもとへ帰る決心をしたのだった。
    「あの人たちは美しいと思った。俺は愛されるのが恐かった。自分が傷つくことが恐かった。自分自身が愛獣になってしまうのが恐かったんだ。明子を愛するがゆえに醜くなるのが恐かったんだ。」と、ジョニー。


    この物語は一人の臆病な男が素直に愛情を受けられるになるまでを描いた本だ。不器用な少年が他者からの愛情を上手に受け止められないで、その愛情を重く感じてしまい、自分自身を外界から閉じてしまう。他人と接触する気のない閉じた気配を身にまといながらも、それでも温もりは欲しいと心底は思っている。この冷えた心を癒してくれたのが明子だ。ジョニーは天真爛漫の明子を想うだけで愛しさがあふれてくるのだと、20年もかけて気づくのだ。そして悟る。自分に必要なのは明子だと・・。
    序盤、登場する「愛獣」はジョニーの中の「愛獣」だ。普通の人よりも深く人を愛してしまうジョニーは、愛する人を失うのが恐いのだ。失った後の喪失感が恐いのだ。いつまでもジクジクと傷ついた傷は癒されず膿となって心を支配されるのが恐いのだ。

    素晴らしいと思った。ジョニー役の奥山は相変わらずちょっと病んだ屈折した男の演技が上手い。なんだろ?内からにじみ出るようなあのくすんだダークさは!(笑)  合間に入るダンスのシーンも素敵だった。そして何よりも、受け止める愛情の不器用さ加減が愛しいと思ったのだ。繊細な物語だ。



  • 満足度★★★


    よくわからないのだがこういうテンポでこういう雰囲気の芝居はなんていうんだろう。新劇的?小劇場を観始める前に抱いてた「小劇場」の一つのイメージってああこんなだったなと思い出した。
    こういう感じが好きな人はいるのだろうが、残念ながらその雰囲気(演出)と、直接的なリードをとる台詞の数々がむず痒すぎて、自分には合わなかった。
    そして個人的にはダンスがあまりいただけなかった。要所要所感情や展開の動きを言葉ではなくダンスで表現する試み自体は好ましいし、ダンスも美しくはあったのだが、物語的な「言葉」の役割を、少なくとも代替する熱動を表現しきれていたかというと、いまいちよく響いてこなかった印象がある。結局言葉でバッチリ補っていたのもちょっと。

    ジョニーと同居人の同居生活のくだりのステキさには拍手。

  • 満足度★★★

    やりたいことたくさん?
    ダンスやオピニオンの誘導など、やりたいこと、言いたいことがたくさんあって、その殆どを劇中で何らかの記号として残しておかないと...という気分だったのでしょうか、脚本・演出の人は。せっかくの美しいダンスなので、これを多用して抽象化しちゃったほうが良かったのでは。

  • 満足度★★★★

    何時日かの~
    人間の怨念の深さ、何時日か愛の重さに慄くさまが良く表現され素晴らしかったです。欲を言えば、最初の切り出しが物足りないかなって思ってしまいました。難しいのかな??

  • 満足度★★

    はあ?
    まるでおもしろくなかった。

    ネタバレBOX

    必然性のない
    バレエだアコーディオンだ、
    隠し芸大会か。
  • 満足度★★

    ダンスシーンは
    ダンスシーンは美しかったと思います。ただ・・・それ以外のシーンはもっと凝縮して,1時間30分程度にできないものかな。なんか間延びしていて,自分には全体として伝わり辛い芝居になっていたような気がします。グロテスクさも苦手です。集中力を欠いてしまい,傘を持った人のにやけた微笑だけが記憶にこびりついてしまいました。

  • 満足度★★★★

    あっいう間
    だった。初めて観たが時間を感じさせなかった。

    ネタバレBOX

    ジョニー役の役者が気に入った。
    なかなか良い眼をしている。
    しいていえば、若干詰め込み過ぎだと思う。
    各シーン毎の完成度は高いが、一本の作品となると少し弱くなる。
    だからと言ってけっして悪いわけではない。
    十分に良作と言ってよいと思う。
    さらにどん欲にこの路線を突き進んでもらいたい。
  • 満足度★★★★★

    ダンス♪ダンス♪ダンス♪ダンス♪
    やはり魅せられました。
    ダンサーが踊るダンスとはまた一味ちがう。
    役者のダンスとしてはかなりの完成度だと思います。

    ネタバレBOX

    ママと若いジョニーのダンス美しかった。
    愛獣の舞恐ろしく醜くそして悲しかった。
    ケンと若いジョニーのダンス、力強くも切なく悲しい。
    群舞気持ち悪いがそこが素晴らしい。

    ストーリーは愛獣とは哀獣でもあると感じた。
    確実に私の中にも愛獣・哀獣は住んでいるとも。
  • 満足度★★

    ん…
    残念。

  • 満足度★★★★

    色々な愛のかたち!
    すばらしいバレー風のダンスパフォーマンスが印象的でした。

    ネタバレBOX

    愛したくて愛したくて苦しむ愛獣の紙粘土?の面も印象的!!

    愛に臆病…、言い寄られると逃げてしまう寅さんと、未練の気持ちを手紙で確認するうじうじした幸せの黄色いハンカチを一緒にしたような男。

    盲目的になりすぎる愛、愛の思い出に生きる女、子を思う母の愛、同性愛的愛とそれに応えられない男、…、色々あります愛獣!!

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