標的家族! 公演情報 標的家族!」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    杞憂でよかった!
    実は、フライヤーのストーリーを読んで、これを流山児事務所でやるなんて、さぞ後味悪い思いで、劇場を後にすることだろうと予測していました。
    ところが、あにはからんや!
    初めて拝見する、演出の小林七緒さんの手腕がお見事で、非常に希望を感じる芝居になっていました。
    前から拝見したかった佃さんの劇作の巧さにも感心しました。
    次世代を担う育成公演のどん尻がこの芝居で、本当によかった!
    育成対象の、演者小暮さん、音楽の諏訪さん、美術の小林さん、お三方とも、育成に相応しい技量をお持ちでした。
    この育成公演①の俳小の舞台は、皆さんの演技の仕方に生理的に耐えられないものがあり、こんな演技者に助成しないでと内心思いましたが、この舞台の育成対象者はどなたも大変将来が楽しみな方ばかりで、ほっとしました。
    いじめの標的にされる3家族の話ですが、一人でいじめに耐えるのではなく、家族同士が支え合えるという設定が、どこか安心して、舞台を直視できる所以だった気がします。
    いじめられっ子だった経験のある佃さんならではの作劇だったと思います。
    竹内銃一郎さんの「悲惨な戦争」をモチーフにした、不条理劇の体裁を取りながら、そこにどこにでもあり得るリアルな状況が活写された、実に胸に痛く、それでいて優しく届く、意外な秀作舞台でした。

  • 満足度★★★★★

    カラッと見れるブラックコメディ!
    こう見えて流山児★事務所ファン歴は結構長いと勝手に思っている私ですが(笑)、流山児★事務所の本拠地・Space早稲田に行くのも初めてならば小林七緒さんの演出作品を見るのも初めてという…いってみれば“初物尽くし”の観劇でした。
    物語は端的に言ってしまうと世間から不当なイジメを受け続けている3組の【標的家族】をめぐるストーリーなんですけど、普通この手のお話って見ている方も痛たまれなくなるくらい重いテーマですよね。
    でもこのお話に出てくる3組の家族って不当なイジメを受け続けているにも関わらずどこまでも前向きで明るい。
    最後もイジメという重いテーマを扱っているのに前向きな幕切れで、見ている私も救われたというか気持ちが温まるような感じでした。
    やはり小林さんが女性の演出家さんなだけあってお話の最初から最後まで豪快な演出をなさる流山児さんとは対照的なとても緻密で繊細な演出が随所に見られ、初めて小林さんの演出作品を見た私にはそれがまた新鮮に映りました。
    またSpace早稲田は流山児★事務所のお稽古場兼劇場なんですけど、その濃密な限られた空間でホントに客席のごくごく間近で役者さん達がお芝居をしているので、私も思わず【標的家族】の一員になっているんじゃないかと錯覚してしまうほどリアルに見えてしまいました(^_^;)。
    カラッと見れるブラックコメディ…楽しかったです(^-^)/!

    次回の流山児★事務所は佃典彦新作書き下ろしの第2弾!シニア劇団・楽塾の創立13周年記念公演『ほろほろと、海賊』(4/27ー5/4@Space早稲田)…『標的家族!』と同じ佃さんの作品ですが、こちらは流山児さんの演出です。
    流山児さんはどんな演出で佃さんの作品を見せてくださるのでしょうね…次も楽しみです!

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