ことりとアサガオ【舞台写真UPしました】 公演情報 ことりとアサガオ【舞台写真UPしました】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
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  • 満足度★★★★★

    私も思い出しました
    今日このサイトを観たら投稿があって、感想かくの忘れてたなって。観たすぐあとは、切なくって悲しい話のように感じましたが、そうではなくて「出発」の話だったように今は思います。私も近親者や友人の死に直面したことがありますが、その時はすごく悲しくて苦しくても、やっぱり私は生きていかなければならない。そんなことを今は思います。仙台で色々な舞台を観ますが、この作品が心に残した美しい「欠片」のようなものは、ずうっと忘れない、そんな気がしています。

  • 満足度★★★★★

    今日、ふっと思い出しました
    不思議な作品でした。これまで観てきた三角フラスコさんとは、違うようで、でも変わらないものも確かにあって。観た直後は上手く言葉にできなかったのですが、あれから時間が流れて今日ふっとこの物語を思い出しました。時間がたっても記憶は細部まで鮮明で、あの時感じた「美しさ」は逆に増していて、今さらちょっぴり泣いてしまいました。オープニングのシーン。瀧原さんが微動だにせずに立ち尽くしている時間。身体は止まっているのに、空間がぐいぐい動いていたのを忘れません。時間が経つほどに、人の心の中に染み込んで輝きを放つ、まるで「骨董品」のような作品だと思います。これからずうっと、大事にしていける記憶をありがとうございました。

  • 満足度★★★★★

    じわじわ、くる
    生田さんはいま仙台で一番の劇作家・演出家だと思います。前作の「星屑とボタン」が生田恵戯曲の一つの完成形だとすれば、今作はチラシにもあるようにまさに「チャレンジ」。これまでの、繊細で丁寧な作風に、不条理風味がプラスされて、迷宮のような出来上がりだったと思います。

    見た直後の印象が、じわじわ熟成されて、時が経過するほど、どんどん味わいが深くなって来ています。

    戯曲・演出にマジックをかけられたのでしょうか。日常の中でふっと思い出したときに、あー面白かったな。と思える。そんな「時間に消費されない強度」を持った作品ではないでしょうか。

    そういえば、スタッフワークも抜群でした。洗練された抽象美術・美しい照明・ダイナミックで時にデリケートな音響効果。

    私はこれからも、この作品を忘れないと思います。それってすごいことなんじゃないかなあって思うのです。

  • 満足度★★★

    丁寧な作品づくり
    太宰治の原作は特に読んだ経験も無かったので、素直に作品を拝見しました。ポストトークもあり、それで理解できたこともありましたが、トークでの人柄が伺えるような、丁寧な作品でした。惜しいと思ったのは、作品の世界観に対して、劇場の空間が上手くマッチできていない感じがしたところでしょうか。もっと、小さく緊密な空間で上演されていたら、感じ方が異なったのではないかと思いますが。
    また、ポストトークでお話しをお伺いしたかぎりでは、福島の劇団などのと交流もそれなりにあるようで、地方の演劇シーンの実態を垣間見ることができて良かったです。

  • 満足度★★★★

    お葬式日和
    太宰治の世界を換骨奪胎した埋葬と再生の物語。

    時代設定は現代で、家族を失ったらしい女と、家族がバラバラになっているらしい男(二人は長い付き合いで、男の兄弟をめぐっての因縁もある)の会話を軸に舞台は進行します。

    女の夥しい<思い出>が埋められた庭での何気ないコミュニケーションが、彼らの絶望や自己憐憫をちょっとずつ和らげていく過程に、鳥を探す「作家」というなぞの男との詩的なエピソードが差し挟まれ、ベタなりがちな設定や物語をギリギリ回避しつつ、膨らみのあるものにしていると感じました。

    また、「作家」のかもし出す不条理感も得がたいですね。この「作家」、「作家」かどうかということも含め、全体に対してどう位置しているのか、若干追いきれないところもあり…なんとなくもやもやもする部分もあるのですが、一方でむしろこの不条理、時間間隔を「分かりやすさ」ではない方向にもっともっと
    演出も含め)鋭く磨くことで、「日常」の場面が引き立つのではないか、さらに舞台としての面白みもまた増すのではないかという大きな期待を感じもしました。


    冒頭、男女が会話するあいだに、何をするでもなく「作家」が舞台を横切るのですが、これはちょっとチェーホフなんかも思い出す遊びというかほのめかしで、個人的に好きです。

    最後に舞台とは直接関係ないのですが、前説で本番中に連日続いた地震に触れて、非難誘導の話をされたこと、終演後、劇場出口で知り合いだけでなく、すべてのお客さんに挨拶されていたこと(出演者の人数が少ないからできることではあるでしょうが)、好印象でした。


  • 満足度★★★★

    咀嚼に時間がかかります。
    原作を読まずに観劇しました。前回の「星屑とボタン」のようなオリジナル台本の作品と違い、原作があるためか、いつもの「三角フラスコ」とは一味違った肌触りの作品だと感じました。原作の時代背景から紡ぎだされたであろう言葉と、現代の感覚から紡ぎだされた言葉の間のギャップのためか、いつも以上にセリフとセリフの間に隠れた事柄を想像するのに時間がかかりました。
    観劇後まず思ったのは、三角フラスコの作品はどんどん咀嚼するのに時間がかかるなぁということでした。

    照明はぜいたくにささやかだなぁと思いました。公演期間中、2度の地震が起こったので、シビアな当たりを修正するのは神経質な作業だったと思います。
    舞台美術と融合したきれいな明かりでした。

    気合いの入った良い作品でした。ただ、やはりこの作品はナンバリングタイトルではなく、三角フラスコのアナザーサイドストーリーであって欲しいとも思いました。

    ネタバレBOX

    オープニング、咲子の右腕がゆっくりと持ち上がり、掌を開いて始まる。たっぷりと時間をかけ、空間の重さを感じる動きが秀逸でした。第一声の空間を切り開くような圧力も見事でした。

  • 満足度★★★

    作家独自の美意識が息づく三人芝居
     太宰治の短編小説「燈籠」をモチーフにした三人芝居。原作があるとはいえ、セリフに「コンビニ」「週刊少年ジャンプ」などが出てきますし、設定も大幅に変わっているようで、現代を舞台にした新作と受け取ってもよさそうな作品でした。全編に作・演出の生田恵さんの美意識が息づいており、エンディングに静かな思索の時間としての余韻が残りました。

     ただ、美術や照明などの空間全体の演出にはまだ上が目指せる余地があるように思いました。劇場の舞台の横幅が広いので、客席との緊密な関係が生まれづらいのもあると思います。東京でいえばアトリエ春風舎(約50席)のような劇場で拝見したかったですね。

     生田さん、プロデューサーの森忠治さん、福島の劇団満塁鳥王一座の作・演出家である大信ペリカンさんの3人によるポスト・パフォーマンス・トークで、色んな謎が解けて大変助かりました。生田さんは「別役実研究会」という名の会を開き、月2回、別役戯曲を読んでいるとのこと(もう13本は読まれたそうです)。作家さんはお2人とも別役さんやイヨネスコなどの不条理劇に興味があるそうで、貪欲に戯曲を研究されているのが素敵だなと思いました。

    ネタバレBOX

     咲子(瀧原弘子)は種を植える、石を置くなど、何かを象徴するような行動をしますが、果たしてそれが何を意味したのかがわかりませんでした。努(小濱昭博)との関係も私にはよくわからず。2人が口にした“マコトくん”とは彼らにとってどんな存在だったのかしら。物語が立ち上がるための布石というか、ヒントが足りないように思いました。

     鉢を頭に被り、はおりを着た奇妙な男(真田鰯)が登場します。彼の役名は作家。でも作家らしい振る舞いや言動はなく、その役名も何かを象徴しているのだろうかと想像しましたが、私にはヒントが少なすぎました。作家が立ってぐるぐる回転しながら長いセリフを言う場面は面白かったです。

     色とりどりの照明が家(?)の白い壁を裏から照らすのが美しかったです。詩的情緒あふれる無人のシーンでした。

     ※終演後のトークで話してくださったのでわかったことですが、原作の咲子は両親のもとで暮らす25歳の女性とのこと。でも今作では両親は亡くなったとされていましたので、『ことりとアサガオ』は生田さんが創作された新作と解釈していいだろうと思います。
  • 満足度★★★★

    刺激的で、美しい芝居
    感覚を揺さぶられるというか、撫でられるというか。
    視覚では見ることのできない何かを感じることができた気がします。

    実に刺激的な芝居。
    そして美しかった。

    役者の強度が高かったですね。
    登場人物が言葉を発するまでの力、動くための動力、そういったものが意識的で力強く感じました。

    余白というか、物語の奥行きを感じさせる劇構造も素晴らしい。

  • 満足度★★★★★

    上質な体験
    舞台美術も照明も音響も、隅々まで美しさが張りつめられていて、改めて生田さんの演出力の高さを感じました。原作を読んでから観たのですが、脚本は自由に大胆に再構築され、心の奥の中に飛び込んでくるような感じがしました。一緒に観に行った友人と帰りにお茶をしながら、作品についてあれこれ話し込んでしまったことも含めて、私はとてもとても満足いたしました。

  • 満足度★★★

    独特の気品あふれる作品
     太宰治の短編小説「燈籠」が原作だと知って驚いた。時代が違うだけでなく、ありとあらゆる面で生田恵のオリジナルと言っていい作品に仕上がっている。むしろあの「燈籠」を原作にこの作品を書いたということに生田恵の想像力の豊かさ、発想の斬新さを感じた。

     しかし、確かに作品の中に漂う独特の空気感は太宰の世界に近いものであり、退廃と気品が同時に成立する世界は太宰そのものとも言える。そう、この作品にはえも言われぬ気品があるのだ。

     そして「ことりとアサガオ」というタイトルの付け方が絶妙だ。ひらがなとカタカナが若干の違和感とともに混じり合う。どちらも和風のイメージでありながら、どこか異質なものが混じっている感じ。それがこの芝居そのものであり、その違和感の中に不思議な情緒があるという劇構造が見事だった。

    ネタバレBOX

     生田恵が登場させた作家という登場人物がとても気になった。最後までこの作家がどういう存在かがわからなかった。いや、むしろ作者としてもわからせない存在としてこの作家を登場させたのであろう。

     非日常的要素を強調する役割は感じたが、私には少し難解だった。
  • 満足度★★★★★

    美しい時間
    いつまでもその空間に浸っていたいような、そんな素敵な時間でした。生田さんの美意識の一部にそっと触れるような、そんな体験をしました。とても満足いたしました。全てはわからなかったけれど、見終わった後に満足感が身体にひろがりました。とても良かったです。

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