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満足度の平均 3.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★

    芝居は生物だから、うまくいかないことはある。
    それにしても、という出来である。やはり、一番の原因は戯曲だろう。素材そのものは、今の時代に合いそうな家庭崩壊と回復の話なのだが、設定があまりにもご都合主義である。だれか、制作側でも指摘しなかったのかと思うが、場当たりの行き当たりばったりで話がどんどん進む。親と離れて施設で育った男(田中駿介)が出来ちゃった結婚しようと妻(武田玲奈)の家庭を訪れるとそこは百の家訓がある家庭で、母親(宮地雅子)の強権のもと気のいい父(堀部圭亮)は右往左往。弟(堀夏喜)は家訓を破って永の座敷牢暮らし。
    この設定で、妻の出産まで。気がめいるような2時間で、三十代の女性客が多い客席もシーンと静まり返って見ている。喜劇でもなければシリアスドラマでもない。陰鬱な時間が流れる。
    救いは、舞台の現場が投げていなかったことで、役者は神妙に勤めているし、演出もとにかくつじつまを合わせようとする。宮地雅子など、ガラに合わない役でだいぶ苦労しただろう。
    パルコが、有望な人材を次々と起用して時代に合わせた都会の中間演劇を作ろうと熱心なのはいいが、無手勝流にならないように。蓬莱竜太、横山拓也、小劇場でもまれて出てきた人たちは大丈夫だろうが、若い人にはケアしなければ。なにしろナマものなのだから。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    100の家訓のある三上家、破ると減点されて、減点がたまると懲罰がある。懲罰は10点で物置に1カ月監禁、20点で離れの納屋で2か月謹慎というもの。長女(武田玲奈)の婚約者の大夢(田中俊介)は最初戸惑う。しかし、母に捨てられ施設育ちの大夢は、幸せになるには「自由よりルール」と家訓を必死に身に着け、すっかりなじんでいく。実は家訓をつくった三上家の母・奈津子(宮地雅子)は、かつて大夢の中学で担任だった。一緒にある事件に遭遇したことで、「自由よりルールだ」という確信を共有する。

    しかし、三上家には弟・朔太郎(堀夏喜)がいた。懲罰として1年半も換金されている弟を見て、揺らぐ大夢。朔太郎が包丁を持ち出して、まず、最初の事件が起きる。ベテラン宮地雅子の最初のかたくなさ、次第に心情を見せていく演技がぴか一だった。田中俊介は初めて見たが、あたふたしたり、頑固になったり、決して誇張でなく自然に感情の起伏を示してよかった。

    リビングと物置を裏表にした回り舞台のセット。最初は貧相に感じたが、家訓を巡る衝突が激しくなる場面では、右に左にゆらゆらとゆっくり回っては戻るのを繰り返す。家庭の動揺を示すよう。この演出はよかった。

    ネタバレBOX

    中学生の大夢「幸せって何?」、担任だった三上母「不幸じゃないことだよ。社会の求めるままにして受け入れてもらえば、不幸になることはない」という言葉が、「規律が大事」という大夢の人生観の根底にある。それに対し、三上弟が「大きな危険があっても、それに挑んでもっと大きな幸せになりたい」と、昔の母のような教師になりたいと繰り返す。ここに、本作の大きなポイントがある。記憶で書いたので、このままのセリフではない。ただ、これに近い。もう少し練り上げた言葉であれば、一層心に刺さっただろう。

    家訓にすっかり染まった大夢をみて、奈津子は自ら作った家訓の残酷さに気付く。まさに「反面教師」。しかし、家訓をやめることに今度は大夢が強硬に立ちはだかる。主客が逆転したような思いがけない展開に、果たして三上家の家訓はどうなるのか…。
    「今度はあなたが子供を捨てるのね!」ラストの一言に崩れ落ちる大夢の姿が、すべてを語っていた。エピローグの朔太郎も、後味の良い終わり方だった。

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