満足度★★★★★
2010年も生きるぞ、と思える。
羽衣サイコー!今年の一本目がコレで、本当に良かったかも・・・。
死にたくさせてくれる芝居も、ハッピーにさせてくれる芝居もあるけど、ハッピーになりながら号泣できるのはココだけ。まぁ、私の場合ですが。
小さい空間をぎっちり濃厚にみたすのが得意なのは知ってたけど、トラムの後方の席までもしっかり羽衣ワールドに包み込まれて、・・糸井さんの手腕には脱帽です。俳優陣も素晴らしい。
なんでこんなに、生きることを肯定してくれるんだろう?
満足度★★★★
デフォルメなのにリアル
いいらしいという噂以外何の予備知識もなく行ったので、作演は深井さんとばかり思い込んでいました。で、アンケートに深井さん大賛辞を書いて来てしまいました。(糸井さん、失礼しました)
観ていて、感嘆したのは、作演の糸井さんの並々ならぬ才能。彼は、演劇界の吟遊詩人だと思いました。
人生スケッチがデフォルメされて描かれているのに、時々、思い当たる光景や科白が随所に現れ、非常にリアルなので、その度含み笑いやクスッと笑ったり、こんな年齢のおばさん観客も充分楽しめました。
科白の中にピカソが登場しますが、まさに糸井さんは、演劇界のピカソだという印象でした。
ただ、ちょっと残念なのは、気になる役者さんがいても、誰が誰だかわからなかったこと。最後に深井さんが紹介して下さったけれど、叫んでいるので、よく聞き取れませんでした。当パンに、役どころとお名前が明示してあったらなと思いました。
それと、せっかく詩的な興味深い女優さんの科白が、やはり叫んで言う時に、しっかり聞き取れなかったのも、もったいない気がしました。
満足度★★★★★
トラムを制した羽衣!
シアタートラムが有望な若手劇団を発掘する企画シアタートラムネクスト・ジェネレーションvol2に選ばれての公演。いつもより一回り大きなステージだが、見事に使い切った。
今回も、作・演出・音楽・振付・美術を一手に担当する糸井幸之介、どれだけ才能があるのかとあらためて感心した。
今年はこの後、東京芸術劇場で2週間の公演、その後、小さめの劇場で1カ月公演なども企画しているらしく、羽衣にとってまさに飛翔のきっかけになる年だが、そのスタートを切る公演として、劇団がいかにこの公演に賭けているかがひしひしと伝わってきた。間違いなく、今回の公演、FUKAIPRODUCE羽衣の代表作として評価されることだろう。
役者では伊藤昌子、藤一平というベテラン勢が光った。伊藤昌子の体を張ったコミカルな動きと、藤一平の哀切たっぷりのセリフの確かさ(そして声がいい)、それに二人とも歌がうまいのだ。
鯉和鮎美の演技は相変わらずかわいらしく、この劇団のかわいさ部門を一手に引き受けているが、声はハスキーで(セクシーで)そちらにもしびれた。また召田実子の軽快な動きも新鮮で素敵だった。なかなかあの動きは出来ない。貴重な役者だ。
シアタートラムに立ち見まで出るほどの活況。前説にさえ拍手がわくほどの盛り上がりで、終始観客を味方につけていた。二日で終わってしまうのがもったいないくらいだ。
満足度★★★★★
過剰な演技
出演者たちの演技が、どこまでも過剰だ。そこまでやるのかというほどに、全身全霊で演技をし、歌を歌う。街を見渡せば、気だるそうな省エネスタイルで生きている人たちがほとんどだが、彼らは決してエネルギーの出し惜しみをしない。これでもか、これでもかというほどの過剰な演技と歌で、エネルギーを観客にぶつけてくる。
桟敷席の、最前列で観たが、それが良かった。彼らの息遣いや汗の飛び散り具合などを、間近で体感することができた。
仕事の疲れか、それとも悩みのせいか、今日は一日中鬱々とした気分でいたけれど、これを観て、そんな気分はぶっとんだ。一時の気晴らしではなく、悩みに対する答えが見つかった気がする。
エネルギーの出し惜しみをするな。過剰に生きろ。
公演終了後、迷うことなく前回公演のDVDを買ってしまった。
満足度★★★
愛に満ちた糸井ワールド
糸井ワールドのひとつの到達点と呼べるような作品ではないでしょうか。音楽、詩、アート、肉体、空間、そのすべてが糸井さんの愛に満ち満ちていました。ちょっとたっぷり過ぎて中盤に気を失いかけましたが・・・。絶対に観客より演者の方が何倍も気持ち良い舞台だよなあ、と思いました。いい意味で。