満足度★★★★
心が目を覚ます瞬間
どのくらいの上演時間だったかを
確認するのも忘れるほどに
がっつりと取り込まれ打ちのめされました。
では、どのくらい理解できたのかというと
見当もつきません。
そう思ったことに確証が持てません。
でも、舞台上の創意に引きずられ
質感と具体性と抽象性のはざまからあふれてくる質感に
背を向けることのできない吸引力があって・・・。
瞬きをする刹那も疎ましく感じるほどに
見入ってしまいました。
満足度★★★
『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』
なかなか解釈の難しい作品でした。正直解らないところも多かった。
時には多重人格の「ひとり」に見えたり、閉ざされた世界の中で過去に
確かに接点を持った人との回想のようでもあったり、被害妄想であったり
楽観的であったり、悲観的であったり、時系列が曖昧に見えたり。
順序はあるようなないような。作者の尺度で思ったことを思いつくままに
突発的に書き殴られたような感じ。原作がそういうものなのかな?
兎にも角にも印象的なシーンが多かったです。
以下ネタバレ。
えらく DULL-COLORED POPだった
自分がちょこっと関わった『心が目を覚ます瞬間』、『プルーフ/証明』、共に、いち観客として鑑賞。とても DULL-COLORED POP な印象だった。全ての上演作品を観てきたわけではないのに、そう感じさせるのは世界観の強度なんだろう。
満足度★★★★★
もう一度、観たい!!
『プルーフ/証明』
いやぁ~、凄い!!
なんて言っていいんだろう。
アングラ/シリアス系で今年一番です。
掴まれてます。
眠れないかも知れません(笑)。
『証明』したいこと、出来ない事。
自分の心、相手の心、愛情、正常、異常…。
あ~、凄かった。
ちょっと整理して、明日書きます。
もう一度、観たいなぁ。
活動休止って、勿体無いよ。
【サイコシス】初日、二日目。
出て来るのが誰なのかは分からない。誰でもないし、誰でもあった。確実に言えるのは「人だった」という事。そしてそれが全て。タイトルを知っているとついその「覚める瞬間」を待ちますが、実際には初めから覚めっぱなし。劇中に波みたいなものはあるけれど、それは目覚めさせる為の流れではなく。むしろ、「閉じる」「途切れる」「壊れる」「失う」などに向けたカウントダウン。
観ていて非常に疲れました。人よってはすぐに何か重なるかもしれないし、しばらく時間差があるかもしれないし、最後まで何も得ないかもしれない。
中身は異なるけど、個人的には「Caesciumberry Jam」を観た時と似た何かを感じた。でも何が似ていたのかはよく分からない。抜け道のない閉塞感かな?うーん。
満足度★★★★★
「プルーフ/証明」 いくつものトーンが重なって・・・。
登場人物間それぞれに
異なるトーンが作られて、
良い意味でまじりあうことなく
ある種の光をもって重なり合っていきます。
役者たちの演技にぶれがなく
個々のシーンに瑞々しさと質感があって
登場人物の想いや感情がまっすぐにやってくる。
深く豊かな密度を持ちながら
しっかりとエッジの立った、
出色のストレートプレイでありました。
【プルーフ】初日、一日目。
反りの合わない姉妹。偉大な数学者であり大学で講義を持っていた父親。彼を慕ってその元で学んでいた青年。妹と父親は愛着のある家で長きを共に暮らし、やがてその生活に終わりが訪れる。変わっていくもの。変わらないもの。受け継がれるもの。途切れるもの。答えのあるもの。答えのないもの。示し様のないもの。これは、ある証明を巡る物語。
誰が何を考えているのか分かりやすい点でいくとある意味「小部屋の中のマリー」とは真逆な様で、そしてまた似てもいたり。そう、この話は非常にスマート。『数学の話は難しそうだなぁ』なんて印象は冒頭の内に捨てたほうが吉。別に数式に当てはめた伏線とかは出て来ないから大丈夫。これ自体は人の在り方についての話。
過去の上演との比較。おやつの時間堂では企画の形式もあって「新鮮味」が、コロブチカでは「深み」があった。そしていよいよ翻訳者自らの演出。個人的には「適切」な印象。上演時間も大分スリムになって脚本をあちこちいじっただろうに違和感はないし、無理に表現を変えた箇所もない。演技の違いは役者の違いが根源であって、演出技法で演技面に特異な見せ方を引き出した感じはない。役者に任せる部分は任せつつ、しっかりチームで作られたのだろうと思う。この座組で上演するに当たっての「適切」。
自分が座ったのは最前列の下手席。たまたまだったけど、個人的にはここがベストポジションだった気がする。役者の顔もちょうど観たい角度で観られたし。とりあえず、舞台上を観る事に集中して入り込みたい人は中央通路からちょっと離れたほうが良いかも。
最後に『今後の活動の為にアンケートを〜』というお馴染みのアナウンスに対して「じゃあ、いつかはその今後があってくれよ」と心の中でレス。劇場は22時退館の様です。夜の回ならアンケートは途中休憩の間に書いたほうが良いです。