『プルーフ/証明』 『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』 公演情報 DULL-COLORED POP「『プルーフ/証明』 『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 【プルーフ】初日、一日目。
    反りの合わない姉妹。偉大な数学者であり大学で講義を持っていた父親。彼を慕ってその元で学んでいた青年。妹と父親は愛着のある家で長きを共に暮らし、やがてその生活に終わりが訪れる。変わっていくもの。変わらないもの。受け継がれるもの。途切れるもの。答えのあるもの。答えのないもの。示し様のないもの。これは、ある証明を巡る物語。
    誰が何を考えているのか分かりやすい点でいくとある意味「小部屋の中のマリー」とは真逆な様で、そしてまた似てもいたり。そう、この話は非常にスマート。『数学の話は難しそうだなぁ』なんて印象は冒頭の内に捨てたほうが吉。別に数式に当てはめた伏線とかは出て来ないから大丈夫。これ自体は人の在り方についての話。
    過去の上演との比較。おやつの時間堂では企画の形式もあって「新鮮味」が、コロブチカでは「深み」があった。そしていよいよ翻訳者自らの演出。個人的には「適切」な印象。上演時間も大分スリムになって脚本をあちこちいじっただろうに違和感はないし、無理に表現を変えた箇所もない。演技の違いは役者の違いが根源であって、演出技法で演技面に特異な見せ方を引き出した感じはない。役者に任せる部分は任せつつ、しっかりチームで作られたのだろうと思う。この座組で上演するに当たっての「適切」。
    自分が座ったのは最前列の下手席。たまたまだったけど、個人的にはここがベストポジションだった気がする。役者の顔もちょうど観たい角度で観られたし。とりあえず、舞台上を観る事に集中して入り込みたい人は中央通路からちょっと離れたほうが良いかも。
    最後に『今後の活動の為にアンケートを〜』というお馴染みのアナウンスに対して「じゃあ、いつかはその今後があってくれよ」と心の中でレス。劇場は22時退館の様です。夜の回ならアンケートは途中休憩の間に書いたほうが良いです。

    ネタバレBOX

    観ていて入り込むとふと日常感覚を失い掛けるけど、姉のクレアは何も間違っていなくて。妹があの状態なら姉の立場として取るべき行動を取っているだけ。ただ、キャサリンが家にいたがるのがピュアだからクレアが悪に見える。同じ様に気が違って極寒の屋外で数学にのめり込む父親もピュア。その時のキャサリンの対応も結果的にはクレアと大差ないはず。ピュアは汚されるものであり、儚い。
    最初の場面のキャサリンが他の「Proof」よりもダルそうだった。日常で有り得るテンションだったからこそ、観る側も目線を定めやすかったはず。その分、初見の方にとっては父親が既に死んでいると分かった時の意外性は大きかったかと。
    例のノートが「発見された」となった時にキャサリンが言い出すまでの顔。これまでのバージョンよりも早い段階で分かりやすく表情に否定の色が出ていた様な。このほうがすんなりしていて良かったかな。
    あぁ、場転方法は好き嫌いあるかも。休止前作品だから演出家が好みの音楽を使いたかったのか?という気も。少なくとも思い入れがあっての形なのは確か。

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    2009/10/08 05:23

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