東京裁判 公演情報 東京裁判」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
21-25件 / 25件中
  • 満足度★★★★★

    やはりやはりやはり
    この作品はすばらしい。裁判の仕組みも軍事裁判の意味もまるでわからなくても、そこに存在する男どもの生き様だけで十分。息が苦しくなるくらいの濃密さを体感できる。

    初演も観ていて、膨れてはじけるくらいに期待が大きかったのにそれを全く外すことなくすべてを超えて存在してくれたのがうれしくてうれしくて。

    ネタバレBOX

    普通席から観ました。

    ずいぶん書き変えたらしいですがそれに気づかない自分はどうなのかと。。。

    変わったと言われれば確かに弁護団全体の雰囲気は軟らかくなっている気はします。もっと中で揉めながらやっていたような気も。でもちゃんとそれまでの生き方や出自も含めて人間がしっかり描かれているので、ディテールが変わっても作品としてのすばらしさは変わらない。

    おそらく原爆に関する部分とかは新たに加えたんじゃないかと思うんですが、それ関連の弁論で涙涙でした。

    観劇環境としてはものすごくよくないけど、自分も何回でも観たいし、多くの人に味わってもらいたい作品だと思います。今後も再演をしてほしいし大きい劇場でも通用するだろうけど、ぜひpit北で、ってのを続けて欲しい。ここくらいの息遣い、距離感がぴったりだから。
  • 満足度★★★★

    傍聴席より
    東京裁判に関しては最近また新しい事実が出たりしているので、この芝居が史実に忠実かどうかということにこだわり過ぎると面白みは半減するかもしれない。東京裁判の法廷という大きな舞台の中で、登場人物を主任弁護団の5人に絞って描くというアイデアが奏功している。裁判の結果はすでにわかっているわけで、5人がどんなに頑張っても結果がくつがえることはない。大きな敵に対峙して、負け戦さと知りつつも挑んでいく5人の心意気こそが芝居の見所ではないだろうか。

    ネタバレBOX

    再演ではいくらか脚本が改訂されたようだ。5人の人物像がいくぶん書き加えられたのではないだろうか。個人的には小野ゆたかの演じる末永弁護人の「だってほんとなんだもん」という台詞がなくなっているのがちょっと残念だった。初演ではあそこが笑い所だったので。

    劇団のホームページで先行予約しておいたら、特典として入場の際に板チョコをくれた。劇中にも小道具として出てくる同じチョコだが、包装紙の文字はHersheysではなく、Paradoxだった。
  • 満足度★★★★★

    歴史を傍聴したような・・・
    作品が実に緻密に編みあげられていて
    台詞の一つずつに質量がしっかりと乗っていて。

    よしんば傍聴席から見ていても
    感情が舞台上の人物と同化するような
    力を感じました。

    ネタバレBOX

    以前にこの劇場での座席の辛さを体験済なので、
    楽をして傍聴席にて観劇。

    冒頭からの空気の作り方に
    観ている側にすら緊張感が伝染してくるような・・・。

    裁判長が入廷してくるときの起立の姿勢や
    弁論のタイミング。
    主任弁護団の会話のみで進められるシーンの積み重ねが
    実に効果的で
    裁判長や検察側、さらには判事たちや、
    被告たちの表情や気配の描写が
    市ヶ谷の旧陸軍士官学校講堂の
    その日、その時間の感触を今とするに十分な力をもって
    観る側にしっかりと伝わってきます。
    レシーバーから伝わってくる同時通訳を繰り返す声や、
    舞台上の弁護人一人ずつの返答、
    裁判の雰囲気が歴史の縛めを解かれた
    リアルタイムな臨場感を持ってやってくるのです。

    彼らの会話や弁論の中で、個々の弁護人たちの
    個性や抱えているもの、さらには裁判に対する想いが
    滲むように浮かび上がってきます。
    史実を借景にした物語のダイナミックさと、
    弁護人ひとりずつの繊細な想いの質感が重なるとき
    舞台には高い密度が醸成されていきます。

    重箱の比喩、
    検察にニュルンベルグ裁判を持ち出させるための苦闘、
    歴史の足跡としてすら刻まれていく
    ひとつずつの言葉が持つ人間臭さ・・・。
    それぞれに戦争での痛手を負いながら
    一方で戦勝国の正義に噛み付くように
    たとえば戦争は政治の一手段であって犯罪はないという理論を盾に
    その戦争を導いた被告たちを弁護していく姿。

    5人の弁護人の想いに心を震わせ、
    目頭を熱くしながら
    一方であたかも歴史のひとこまを目の当たりにしたような高揚に
    身を任せておりました。

    劇場を離れてからも、いろいろな思いが去来して・・・。
    本当に見応えのある作品だったと思います。








  • 満足度★★★★★

    絶対に観にいくべき
    ホントに凄い。
    2年前の初演の時すごかったというここで見て知ってたが
    期待以上だった。

    ここ最近、若手の有名な劇作家の作品結構見たけど
    この野木さんっていう人の作品は、
    とびぬけて高密度な芝居だと思う。
    出てる役者の人もそれに負けないくらい熱いし。

    たぶん、もう一度観にいくと思う。


    観にいく際は、ウィキぺディアでもなんでもいいや
    東京裁判についてかんたんに調べていった方がすんなり入っていけるかな。

  • 満足度★★★★★

    【一般席】 重厚さにしびれる!
    あの若さで、しかも女性で、これだけ重厚な芝居が書けるなんて、野木さんの頭の中はどんな構造になっているんだろう。50歳、60歳の大御所が書いたと言われても信じる作品だ。

    また役者が素晴らしい。誰一人、見劣りする役者がいない。いやそれどころか、それぞれがピンで主役を張れる役者が5人揃っている。

    実は若手劇団が東京裁判をやると聞いたとき、パロディか何かかと思った。正攻法でしかも作家の想像力でおそるべきリアリティを持たせている。ただただすごい。

    Pitには一階席、二階席とある。一階席は観客席が被告席となる。そして二階席は裁判長、検察団の席となる。どちらで見るかが見方も変わるかも。両方から見てみたい芝居だ。

    ネタバレBOX

    ときどき、役者達が観客席をにらむ。要は我々は検察団であったり被告であったり裁判関係者であったりするわけだ。その目線が強烈だ。通常芝居で役者と目線があったりすると瞬間でもうれしいものだが、今回はもう痛いくらいだ。思わず身震いがした。

    しかし、終わった後、えも言われぬ快感を得た。小劇場でしか味わえない楽しみだ。

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