凡骨タウン 公演情報 凡骨タウン」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.4
1-19件 / 19件中
  • 満足度★★

    硬質
    乗り切れず。

  • 満足度★★★★

    木下恵介の「惜春鳥」を思わせる作品
    もともと、暴力場面が多い芝居は苦手で、しかも、前作を観ていないので人間関係がよくわからない点もあったが、引き込まれ、胸を深くえぐられた。
    正装し、ご馳走を並べたテーブルにつく出演俳優たちを撮影したフライヤー。一見、公演の記念写真のようだが、この物語の登場人物たちにはまったく無縁の世界なのだということが芝居を観るとわかる。逆説だけにいっそう切なくなった。
    この芝居を観た直後に、名匠木下恵介の「惜春鳥」を観る機会があり、時代状況も人物設定もまったく異なる作品だが、非常に酷似したものを感じた。
    「惜春鳥」は会津を舞台に幼馴染の同級生の友情と裏切り、挫折を描いた作品。この映画の中で主人公の青年が悟るのは「立場が違えば心情的に理解できる部分もあるけれど、自分は自分の生き方しかできない」ということ。木下作品は救いようのない人間関係や貧困の泥沼の中で懸命に生きる人間を描いて感動を呼ぶ。蓬莱竜太のこの作品もまた、現代の「惜春鳥」だと思った。

    ネタバレBOX

    劇の冒頭、早乙女がケンに語る「もしも、俺がおまえだったら、こうするという考え方はまちがってる。その人間に生まれたら、何から何まで条件は同じ。まったく同じことが周囲にも起こり、違う考え方や生き方なんてできっこない」
    という意味の台詞。これが胸に突き刺さった。この台詞で始まらなければ、感情移入して観ることはできなかったかもしれない。この町に転校してきたケンは妹と祖母と3人暮らしで、ほとんど寝ている祖母の口癖は、「金持って来い、食べ物持って来い、男連れて来い」だった。たとえ盗んででも、ケンはそれを実行し、祖母は時にはケンを布団の中に引き込むこともあったという。
    そういう異常な生活の中でケンは早乙女兄妹と出会い、早乙女の妹キヌ子とも互いに好意を抱くようになる。早乙女は、不良少年グループを統率し、仲間のしるしとしてからだに墨を入れることを強要。少年たちはひるむが、一番最初に刺青を施すことになったのはキヌ子はだった。キヌ子は少年たち以上に兄には絶対服従で、兄の命令で人に言えないような仕事もしてきたようだ。キヌ子はきれいな仕事(スーパーのレジ?)で稼いだお金だから、これを持って町を出るようケンに勧めるが、ケンはとどまり、仲間が離れても 早乙女に抵抗し、敗北の瞬間を迎える。回想場面も挿入されるので、前作を観ていないと時系列的にわかりにくくなるところもあった。
    萩原聖人のケンは、真に迫った演技で、その説得力がこの芝居の根幹を支えている。私は萩原の舞台はこれ以前に一度しか観ていないが、そのときも妹と2人で世間から隔絶して暮らし、そこに入り込んできた男に支配される役柄だった。
    千葉哲也の早乙女は不気味で迫力があって本当に怖い。古山憲太郎の演じるハルフミが足を引きずっているのは、当たり屋をやって生活してきたという設定だからだそうだ。木下恵介も「惜春鳥」や「冬の雲」でグループの中に1人足の不自由な若者を出しているので、そこも共通点を感じた。古山のもう一役、ケンの妹カナエの同棲相手ウメオが最初、同一人物なのかと思ってしまった。寡黙で暗いハルフミは適役だが、純朴なウメオも持ち味が出ていた。客演ばかり観ていて、本拠地のモダンスイマーズで古山を観るのは初めて。ウメオのユーモラスな演技にはブラボー・カンパニーでの経験が生きている気がした。キヌ子の緒川たまきは最近は舞台の仕事が多いが、やはりモダンスイマーズに客演したことのある鶴田真由と口跡や雰囲気が似ていると思った。佐古真弓はケンの妹カナエ、祖母を思わせる老婆との2役を演じ分ける。ケンを慕うナーの津村知与史は、饒舌で楽天的な演技が逆に悲しみを誘う。ケンと早乙女を結びつけたのはほんの些細なエピソードなのだが、青年が暴力団員となるきっかけというのも、頼るものなく、世間に背を向けてずっと孤独に日陰を歩いてきた若者にとって、暴力団員のわずかな温かさが胸にしみ、その道に入ってしまうのだと聞いたことを思い出させた。
    孤独と貧困と暴力のやりきれない連鎖。ケンが抜け出す道はなかったものだろうか。
  • 満足度★★★

    うーん
    少し物足りない気がしました。

  • 満足度★★★

    夜行ホテルとは別物
    夜行ホテルのストーリーをトレースしながらも、
    わずかに異なる部分から、完全な続編ではないと気付く。

    比べちゃいけないと思いつつ、夜行ホテルの方が好きだな。
    あのシングルルームの一室という閉鎖された濃密感には
    かなわないです。ケンちゃんも、ちょっと悩み過ぎなような。

  • 満足度★★★★

    観てきた!
    いろいろ考えさせられました。
    また次回も行きます。

  • 観劇
    観劇いたしました。

  • 正直言うと
    続編は見たくなかったかな。夜光ホテルは大好きな作品です。しかし今回の作品を見たら夜光ホテルの印象が変わってしまいました。感動が薄れたとかではなく、知りすぎたというか、、。知らないほうが想像力をかきたてられて良かったのかも。

  • 満足度★★★

    商業
    台本はうまいのだろうがわくわくしない。これを小劇場の一押しとして押す野田さんのセレクトに少し疑問を感じてしまった。もう少し冒険が欲しいか。

  • 201002171500
    観劇

  • 満足度★★★★

    救いようのない運命
    重い芝居でした。

  • 満足度

    「夜光ホテル」観ていないし…
    私には、残念ながら、何一つ、心に飛んで来るもののない舞台でした。
    登場人物の中に、僅かでも共感できるものがあれば、印象は違ったのかもしれませんが、私としては、「トワイライツ」の方が、ずっと感じるものがありました。
    それに、萩原さんや千葉さん等、客演陣に依存し過ぎている印象がありました。
    モダンスイマーズらしさが、どこかに置き去られているような淋しさがありました。
    そろそろ、モダンスイマーズは、これを機に卒業しようかなと思っています。

  • 満足度★★★

    2度目モダン
    1度目が夏の赤坂REDシアターの、お祭り的な舞台で、結構好きでして…
    かわって2度目は本公演ともいえるような本作で…

    軽度が全くもって違くてびっくり。

    巧さを感じつつ、これはベストオブベストではないだろう、と思う。
    個人的に津村さんの軽妙さが好み。

  • さすがです。
    緊迫かんがいい。
    萩原さんお疲れ様です。
    また言います。

  • 満足度★★★★

    八鴉、怖い。
    夜行ホテルの続編となる作品。
    前作の世界観を引き継ぎつつ、どんな結末が待っているのか?上演予定を知った半年ほど前から楽しみにしていた作品。いやはや、楽しかった。

    ネタバレBOX

    日暮里では名の知れた愚連隊『八鴉(ハチガラス)』。リーダーのケンは時の流れとともに自分の愚かさに気づき、カラスを抜けると言い出した、というストーリー。
    前作観劇以来、日暮里の街を歩く度、八鴉にボコボコにされるのではないかときょろきょろしてしまうほど、カラスの強烈な存在感がこの作品の大骨格。
    前作では名前だけだった人物が実際に登場したり、八鴉の結成?秘話やケンの抱えるトラウマを読み解くなど、非常に細かな掘り下げが光る作品。回想シーンと現在シーンを複雑に絡めた構成なのに観客にはしっかりストーリーが伝わってくる見事な展開でした。
    ただ、前作を見ていない人にはどう映ったんだろうか?前作に強烈な印象を受け、よく覚えていた僕にとっては非常に楽しめる作品だったけど、単体で観たとすると八鴉の凶暴性やカラスの中での力関係などがちょっと説明不足だったかも。
    オチは好みの問題ですが、シリーズとしてもう一本くらい観たかった僕としてはまだ先に希望か絶望があるようなオチもあったのかな、とか思います。完全に好みの問題ですが。。。
  • 満足度★★★

    モダンスイマーズ、初見でした
    「芸劇eyes」最後のモダンスイマーズ。野田秀樹さんの期待がかかるのを機に、初めて観に行ってみました。

    感想は・・・可もなく不可もなく、というところでした。
    脚本はよく練られていたと思うし、俳優陣も客演・カンパニーメンバーとも破綻のない(少ない)芝居をしていたと思います。
    ただ、仮にいま以上に多くの観客に観てもらうには、足りない要素も多いかなとは思いました。

    個人的には、次も観に行きたいカンパニーとは思いませんでした。

  • 満足度★★★★★

    ヒトは運命とやらに、がんじがらめ。そして、それにもがき苦しむ。
    主人公ケンが抱く、いらだちにも似た閉塞感は、誰しもが経験した(あるいは「する」)ことでもあろう。
    だから観客は、ケンの姿に「嫌悪」し、「共感」をする。

    重圧とも言えるような舞台に、息をのみ、目も心も釘付けになった。

    ネタバレBOX

    ケン(萩原聖人)は、暴力と悪事の中に生きていた。ある日ふと聞いた「生活の音」で自分の中に何かが目覚め、今の生活から抜け出そうとする。しかし、彼を作り上げた早乙女(千葉哲也)は、ケンからすべてを奪うことで、それを阻む。
    ケンはなぜそういう男になっていったのか、それは早乙女が言う、「抗うことのできない、決まっている運命」なのか、過去と現在を交錯させながらケンの運命を描く。

    とにかく、全編にケンの荒んだ気持ちが現れている。自分の運命と向き合いながら、今の自分へのターニングポイントを振り返る。
    「あそこでこうしなかったら・・・」という後悔にも似た感情が渦巻く。

    早乙女は、困窮していたケンを救う形で、自分によく似たケンに肩入れをし、自分の手で、ケンという暴力と悪の怪物を作り上げようとする。
    しかし、それは、ケンという人間がもとから持っていた「定め」のようなものであると言う。

    ケンにとって、初めて芽生えた「生活」という言葉への感情は、自分にとってもどう処理していいのかわからない。
    その「もがき」のような「いらだち」のような感情をコントロールできずにいる様子を、じっくりと演じていた萩原聖人さんの好演と、そのケンの定め、運命を重圧とともに演じた千葉哲也さんが特に印象に残る。

    もがきや苦しみは、思春期のころに誰しもが抱いた感情に近いのではないだろうか。自分の無力さや、自分の向かう先の不確かさや、見えなさ、自分が何モノなのかという不安やいらだち、そうした感覚と同じなのだろう。

    「あそこでこうしなかったら・・・」という後悔にも似た感情がいつまでも頭の中で渦巻くのも似ている。
    前に進むことが考えられず、後ろ向きの過去のことしか見えない自分がいる(いた)。

    ケンの置かれた場所や境遇が、自分と違っていても、ケンのヒリヒリして、どこに向ければいいのかわからない感情のもやもやは、誰の胸にもあった(あるいは「ある」)ものなので、観ている者の胸にも強くのしかかってくるのだろう。

    つまり、観客がケンの姿に嫌悪するのは、何も暴力や悪の姿ではない。そこには、かつて自分が辿った(あるいは「辿っている」)道であり、自分自身が嫌悪する姿でもあったからだ。思い出したくもない、過去の(あるいは「現在の」)自分の姿であり、嫌悪の中には、ケンへの共感も潜んでいるのだ。

    そういう意味では、この舞台は「青春モノ」なのかもしれない。

    今観客として客席にいる自分は、適当なところで、適当に折り合いをつけて、ここにこうしている。
    しかし、ケンを作り上げた運命・早乙女に何もかもを奪われていくことで、そんな折り合いをつけることも、何かを見つけることができなかったケンの辿った行く末は、悲惨であった。
    自分の作った、自分の分身であるケンを葬るのは早乙女の役目でもある。ケンは結局、運命から自由になれなかったのだ。

    ケンは、早乙女の言う「運命」の前に何もできず身体を捧げた。

    早乙女の妹(緒川たまき)の、「ケンをここに縛っているのは自分だ」と何回も言う台詞が哀しい。そう思わなければ、自分がここにいる意味や価値が見出せなかったのだろう。さらに、カラスの入れ墨を最初に入れたのは妹であったという、エピソードも切ない。
    ケンはそれに応えることはできなかったが、ラストに明かされる、ケンの気持ちを揺さぶった「生活の音」の正体を知り、切なさが増す。

    音や無音が見事に配置され、ワンポイントの赤い傘以外は、暗い舞台装置がこの舞台全体を覆う感情を見事に現していたと思う。
    暗い、薄汚れた街に降る雪も街を白くはしてくれなかった。
  • 満足度★★★★

    素晴らしい
    萩原 聖人さんをはじめ、千葉 哲也さん、緒川 たまきさん、佐古 真弓さんの客演陣は流石に素晴らしい演技でした。時間・空間を上手く行き来しながら進めていく内容も良い感じでした。また次作があるなら、是非見てみたい。

  • 満足度★★★★

    初見
    おもしろかった!


    萩原さんはKERA MAP以来2回目でしたが

    やっぱりかっこいい

    なんかあの、やさぐれてる?感じがいいですね。



    個人的には千葉さんがよかった


    「夜行ホテル」を観てないのが
    何とも残念


  • 満足度★★★★

    『夜光ホテル』の続編
    「続編ではありますが、登場人物と背景が同じということで連続ものではありませんので、初めての方にも十分にお楽しみいただける作品です。」との事。
    『夜光ホテル』では、名前でしか登場しなかった人たちが実際に出てくるので、
    前作を観てるとさらに楽しめるかも。逆に前作と違う役で出ている人もいるので最初ちょっと混乱。

    出演者も
    前回の萩原さんにプラスして客演も豪華。
    千葉さん、緒川さんはさすがの存在感。
    辰巳さん舞台で見ると顔の大きさがさらに際立って体型はまるでリアルドラえもん。


    『夜光ホテル』はホテルの一室での2時間弱の時間をそのまま描いたのものだったが、
    今回はその前後、
    主人公ケンちゃんを中心とした人物達の出会いから別れまでを描いている。
    いろいろな時代が入り組んだ構成になっていて、伏線などもうまく配されている。

    ケンちゃんとナーのエピソードなどはとても良かった。
    前作から変化しているケンちゃんの心境にもジーンとくるものがあったが、
    ラストのシーンの説得力が個人的にいま一つで残念。

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