満足度★★★★
足かけ10時間20分の長編、見ごたえがあって十分楽しめました。
シェイクスピア初期の長編です。
三部通し上演で9時間、第1部11時の開演で、
第3部終演は22時20分、足かけ10時間20分にも渡ります。
丸一日かけた観劇は、見ごたえがあって十分楽しめました。
お気に入り、印象的だった役者さんは、
ソニン、木場勝己さん、上杉祥三さん、岡本健一さん、中嶋朋子さん。
第二部「敗北と混乱」
上杉祥三さんのウォリック伯が味があっていい。
渡辺徹さんのヨーク卿は本人のキャラクターから
どうしても少し軽い感じです。
注目のソニンは、祈祷師一味の踊り子役をコミカルに。
子供や身内を政略結婚や人質に使い、一族の存亡の
ためにどちらの陣営に付くか振舞う様は、
日本の戦国時代、信長、秀吉、家康らを観ている様で
おもしろかったですね。
来年3月はこれを蜷川さんが6時間に短縮してやると
いう…といっても6時間。
もちろん通し券を、すでに先行チケット購入済みです。
上川隆也・大竹しのぶの競演、楽しみです。
満足度★★★★★
面白く、儚い、人間の業
第二部は、燻っていた権力抗争や策略が一挙に表面化。物語に弾みがついて、俄然面白くなりました。
第一部に続く中嶋さんの好演、策略家を演じさせたら超一級の村井さん、気弱で心優しいヘンリー6世の苦悩を体現した浦井君、ケントの紳士の城全さんが、特に印象に残りました。
ヘンリー6世が、グロスター公への想いを告白する場面では、浦井君の名演に涙が誘われました。
最後に、ちょこっと登場する、岡本リチャードも、存在感があって、三部がとても楽しみになりました。
満足度★★★★★
日本演劇史上に残る快挙
新国立劇場で鵜山さん演出によるシェイクスピアの大作。ヘンリー6世が上演されている。仕掛けや読み替えで見せるシェイクスピアが多い中で正統派。どかーんとそのままやってるシェイクスピアである。100年戦争も薔薇戦争も、ヨーク公やバッキンガムとか興味ないよ。
がね。しかしね。これがホントに面白い。第一部だけ見て面白くなかったらもういいやと思っていたら、面白いの。見たい芝居は山ほどあるし、知ってる俳優さんが頑張っているから見にも行きたいんだけど、今日は第3部のチケットも買いました。だってさ、めちゃ面白いんだもん。
重厚です。詩的な台詞もそのまま残してあります。舞台美術に金はかけていますが、廃墟の中のそれで、基本的に素舞台みたいなものです。それなのに、これほど面白いとは。、、、
スピード感かなあ。いや、それよりも役者が空気をウマくつないでいくんだよな。テンションの下がる時間がない。それが9時間の芝居を成立させている肝だろう。
いやあ、面白い。芝居見て自分の感情がこれほどまでに動いているのを実感した。
だれだ!重厚なのは重くてつまらないって言ったのは。。。
重くて面白いものもあるじゃないか! ほら、ここに!!!!!!!