ピースの煙 公演情報 ピースの煙」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-3件 / 3件中
  • ひとつずつのシーンが豊か
    冒頭のシーンから
    舞台の空気にとりこまれました。

    その時代や場所の空気が
    すっとやってきて
    本当に違和感がない。

    昭和21年に生きる人々には
    物資はすくなく
    背負っているものはたくさんあったけれど
    でも、だから全員不幸せというわけでもなかったような・・・。

    時代の明と暗のなかに
    なにか生きるということの素敵さが
    垣間見えたようで
    煙のような幸せのおすそ分けをもらった
    気分になりました。

    ネタバレBOX

    対面客席の中央にスクエアな舞台が切られています。
    で、舞台が始まるまでは
    もっと息苦しい世界が浮かびあがってくることを想像していたのですが、
    冒頭の蝉の声にまずやられた。

    舞台内の父子三人の気づまり感が
    舞台外側の役者たちからの蝉の声で
    たちまちすてきに
    コミカルで豊潤な世界に塗り替えられていくのです。

    戯画化された軍隊や満洲の引き上げの姿、
    パンパンと呼ばれた女性たちの
    今の女性たちとは異なる魅力。

    将来日本を改造するような宰相となる人の
    人物描写などもあって
    クスッと笑ったり・・・。
    東京の復興時の勢いが肌に伝わってきたり・・・。

    歌のシーンも秀逸、
    大谷亮介の説教を観ているだけでも
    楽しい・・・・。
    冒頭で失笑にちかい笑いを取った登場人物の年齢設定が
    終盤にはきちんと観客の中で折り合いがついていることに
    気がついて驚愕。

    一つずつのシーンにあふれる
    創意と役者たちの表現する力から
    ちょっとコミカルな台本に
    見事なふくらみが作られていく

    よしんば終戦直後の荒廃した日本にも
    ふつうに生活があったり夢があるという
    当たり前のことが
    意外な感触で伝わってきて・・・。

    なにか昭和21年から豊かで貧しい「今」へのエールのようなものが
    感じられたことでした。

  • 満足度★★★★

    煙草の嫌いな人にはお勧めしません
    ピースの煙とは煙草の煙のこと。平和の香りとかけてもいるが、何にせよ舞台では煙草の吸い過ぎ!
    これでもかっ!ってくらい吸われて不機嫌になったワタクシ。

    キャストの演技力は目を見張るほど素晴らしかったけれど、物語の繋ぎは断片的です。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX


    戦後の時代、昭和21年を舞台に原田家を描いた作品。
    主軸は間組で働く事になった原田兄弟の生き様が主で、中国での戦争での様子や引き上げの様子をも描く。ドンキホーテのような古参兵はわらじに拘りがあって、兵士が履いている軍靴をわらじに履き替えさせるなど、一種の悲壮感も漂わせながら笑いをも誘う。

    中国の陳の親切と背中合わせの裏切りの描写も見事だったし、戦争という大きな傷痕の前では正気とやる気を失った男たちの代わりに、気丈にもパンパンと言われる娼婦になって家族の稼ぎ頭として生き抜いた女たちを抜きにしては語れないのだろうと深く染み入る。
    そういった意味では娼婦の吐くセリフ、「日本の男がだらしないから私たち女がこうやって稼いでるんじゃないのさ!」というのも一理ある。

    パンパンだけでなくヤミ商売や露店商などをとっても、きっと女が戦後の日本を立て直したといっても過言ではない。

    こうして戦後の日本を断片的に見せながら終盤は義理の母親と原田兄弟がピース(煙草)を吸いながら、平和に酔ったふりをするシーンで終わる。

    キャストの殆どが中年以降の方たちばかりでその演技力は重厚さを感じたものの、何故か観た後に満足感の無い不思議な中途半端さが心に漂っていた。この感情は自分でもよく解らないが、もしかしたら、何日か経ってから満足するかもしれないし、そうでないかもしれない。
    足らないものは何か?を考えた時、この物語は戦後の描写のみに徹していて物語性は本当にありきたりだったことだ。

    まるで「昭和21年のあの頃」をTVの画像で見られるような物語だったからだ。演技力といい、他の要素で確かに安心して観られる舞台だったが、居眠りの多い観客の心理状態を見過ごすことは出来ない。

  • 満足度★★★★★

    圧倒的傑作
    もうなにも申しません。傑作の誕生です。きっと何回も再演される名作として伝えられていくでしょう。僕はこういう作品に出会うために劇場に通うのです。

このページのQRコードです。

拡大