観劇記録
かなり古いけど、書きます。
今でもこの作品を観られたことを幸せに思う。
ずっとあの空間にいたかった。
以来、あれほどの演劇を観ていないのではないかと思うほど。
石村みかさんは非常に繊細で心が細かく揺れるような演技をされていました。
早船さんの世界観は恐ろしいくらい繊細で、大胆で、震えました。
以上、観劇記録でした。
満足度★★★★
会場に入った瞬間から物語ははじまっている
会場に足を踏み入れると、星のホールを森に作り上げてしまった美術に圧倒されました。
本当に森の中にいる感じ。
ホールに入って手前側にデザインされた木が立っていて、それを抜けるとテーブルを中心とした舞台と客席が広がります。
最近星のホールは独特の空間作りをする舞台を沢山見せてくれて、本当に贅沢な空間だなあと感じます。
満足度★★★★
心を刺すファンタジー
いきなり、ディズニーランドのパビリオンに迷い込んだような雰囲気。
落ち葉を踏締め、客席に座って、新たな早船ワールドの展開を心待ちしました。
でも、遅れて来たお客さんはどうなるのかと、ちょっと余計な心配が。
始まってみたら、すっかり森の住人になった気分で、舞台に集中できましたが、時折、スタッフが装置移動に姿を現すのは、雰囲気を壊した気がします。
それに、こういう舞台では、あまりリアルな装置や小道具は不向きかもしれません。
いつもはあまり説明台詞のない、早船戯曲。今回は、逆に、心情を本人に語らせる台詞が多かったけれど、それはそれで、心に沁みました。
最後の、銀平さんの台詞に、思わず涙がこぼれました。
満足度★★★★
夜の森は現実逃避のメルヘン
一見、メルヘン。
現実を見たくない、現実を直視できない、そんな現実逃避が生んだようなメルヘン。
メルヘンの皮を被った現実が暗い森のように口を空けていた。
劇場内に入ったときから、夜の森にのまれていた。
満足度★★★★
逆手にとること
雰囲気作りが秀逸だった。会場に入った途端飲み込まれる。
会場が、23区外かつ駅からのそこそこの距離という、あまり利便が良いとは言えない立地を逆手にとった作品作りだったように思う。詳しく書くのは避けたい。
余計な音楽がないのも好み。
また、作家の文体が独特で、たとえば川上弘美とかの女性作家を思い出させて、いつの間にかそれが心に染み入ってくる。