夜と森のミュンヒハウゼン【9/20千秋楽】 公演情報 サスペンデッズ「夜と森のミュンヒハウゼン【9/20千秋楽】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    会場に入った瞬間から物語ははじまっている
    会場に足を踏み入れると、星のホールを森に作り上げてしまった美術に圧倒されました。
    本当に森の中にいる感じ。

    ホールに入って手前側にデザインされた木が立っていて、それを抜けるとテーブルを中心とした舞台と客席が広がります。

    最近星のホールは独特の空間作りをする舞台を沢山見せてくれて、本当に贅沢な空間だなあと感じます。

    ネタバレBOX

    最後の方に怒涛のように明かされているので、最初は単なるファンタジーのように話が進みます。

    森を彷徨う女性が「自称医者」に連れられて、兄妹ふたりだけで森の中に暮らす家を訪れる。
    このファンタジーさが最初受付けず、ちょっと引いてしまいました。
    けど、病気の少女を演じる高畑こと美さんの初々しさと笑顔に引きつけられました。パタパタと家の中を走ると髪がフワっと流れる姿が魅力的で素敵でした。

    物語はコラージュ的に時間も場所もポンポン飛んで、見ているとかなり混乱します。
    でも、最後の最後に明かされる秘密によって、今までのフラストレーションが一気に、気持ちのいいくらいに解明されて、逆に今までの話がスッと消化されていきました。

    10年ほど前に誘拐されてそのまま殺されて森に埋められた少女とその少女に拾われた飼い犬。そしてその森に迷い込んだ元看護師で、不倫の末病院も辞めさせられあてもなく彷徨う女性。

    女性が少女を連れて森を出てゆく。森は焼けてしまう。

    切ないラストにすっかり満足。
    会場から出るときは自分もその森から出てゆく少女と同じ道を歩いて出てゆくという事で、会場の森がまた違った姿に見えるのも印象的。
    そこまで考えて作られた素晴らしい舞台と演出だなあと思いました。

    そして、無邪気で愛らしい妹を好演した高畑こと美さんの今後に注目したいです。

    0

    2009/09/21 13:15

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大