リバーシブルリバー 公演情報 「リバーシブルリバー」の観てきた!クチコミ一覧

★ 満足度の平均 ★ ★ ★ ★ ★ 4.2
1-20件 / 23件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2022/05/31 (火) 13:00

    「思っていることの逆のことしか言わない/言えない人物」が登場する芝居は観たことがあるが、それを中心に据えての作劇は見事。そこに意図的に嘘を吐く人物も絡ませるのは上手い。
    そうして「結局どっちなの?これからどうなるの?」な余韻を残す幕切れも巧み。

    ネタバレBOX

    終盤の問答に「部族Aは嘘を全くつかず部族Bは嘘しか口にしない。その条件で「私は生まれてこのかた嘘をついたことがない」と言う人物と出会ったが、この人物の部族を特定できるか?」という論理ゲームを思い出したりも。
  • 実演鑑賞

    面白い。良い劇。
    だけど前回公演があまりにも強烈だったからなあ。

    今度はやみ・あがりでこの劇を見たいです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    楽しい演劇をありがとうございます。

  • 実演鑑賞

    面白かったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★

    期待値が高かっただけに、残念。もうちょっと笑えるかと思ったのだが。ひたすらもだえている場面が多くて飽きる。
    吉水雪乃さんがダンダンかわいく見えてくるのは、その通り。ヒトの優しさが救いになっていて、それは強く感じられた。
    良くなる期待はあるけどね…

    ネタバレBOX

    怒鳴る演出が多すぎる。感情を発露させるのに最も楽な表現だけど、それに逃げていないか?不快感が勝ってしまう。
    マアコの役回りは分かるんだけど、嫌な感じしかしないキャラ設定は、薄っぺらい。
    全体に幼稚に感じた。幼稚な部分を強調しているからだろう。大学生を馬鹿にしていないか?
    煙草を小道具に使うのは、あまりに時代錯誤。

    一方で、吉水雪乃さんは良かったと思う。シェアハウスの持ち主の娘とその彼氏のバカップルも上手かった。良い面は少なくはなかったけどね…
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    どちらが上流か分からないほど広い川のそばに住んだことはありませんが、私の田舎では川は大抵西から東に流れていました。なので、引越し先や旅先で違う方向に流れる川を見るとなんとなくモヤモヤした気分になりました。
    何が原因か、思ったことと反対の言葉が口をつく主人公。シェアハウスなので、幸い賢い同居人がいて通訳してくれるのですが、これが面白かったです。

    ネタバレBOX

    主人公は意図せずに、自分の意思ではなく裏返しの言葉が出てきてしまうわけですが、周りの人たちは保身のためだったり、誰かを守るためだったりで、嘘をついたり勝手な想像で話したり。なかなか本当のことって言ってなかったりするんですね・・・。

    単純にお酒を飲んでゲロしたことが原因かと思われていましたが、通訳された言葉を聞いているうちにその家庭や成長段階にも問題があったのでは?と思えてきました。
    初めて自由な生活をして実は思ってもいなかった自分に気付けたと言うか。
    しかしお話はそんなこと考えさせないように進んで大いに笑いました。
    あのゲロ付きジャンパー(?)の件は強引すぎる気がします。絶対臭いですもん。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    シェアハウスが舞台ですが、なんとなくサークルの部室感がありました。
    劇的な出来事があるわけではないけれど、青春にまつわる人間模様、楽しかったです!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    始まり方が、無理矢理にも感じるリバーシブルは絶妙でしたね。

    ネタバレBOX

    言葉がリバーシブルになることが主軸になっていますが、そこに絡んでいく個性豊かな登場人物たちのそれぞれの事情のある物語、会話の応酬は、おもしろくてたまりません。次はどうなるかのだろうと期待せずにいられない展開がいっそう興味をそそられ、とてもよかったですね。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    タイトルに色々絡まっていてなるほどなと。
    舞台と客席の配置が面白く、話の世界にいるような感覚でした。
    個人的に内容は少し重いように感じましたがコメディ調で進んでいく感じが内容の重さをうまく中和されていた印象です。

    話が終わるころにはヒロインの子にすっかり魅了されていました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    最初はどうなるかと思いましたが、まとめてきた感じでした。会話の掛け合いも上手く成立していて面白かったです。元気のある演技でよかったと思います。内容は、現実的ではない気もしましたが、人にものを伝える難しさを感じつつ拝見しました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    スタンド:「トーキング・ヘッド」が取り付いたんだー
    とは言えなかったんだぁね・・・

    話の始めの方で主人公さんが
    取り乱すにしても
    ひたすら大声でのテンションには
    ちょい閉口しましたが
    まぁ話が進むにつけて
    周囲の人との掛け合いでは落ち着いたかなぁ と
    緩急をつけて欲しかったかなぁとは思ったが
    全体通して楽しめた約100分のコメディ作品であります

    ネタバレBOX

    自分的に看護学部の二人が
    自然でいい味出してたかなぁ と思えたデス
    ただー上着の件はー臭いとかの話が出ないのが
    現実的ではなかったかなぁ・・・

    酔ってゲロって起きると
    言いたい事と逆の事をしゃべってしまう主人公さん
    周囲のユニ~クな人たちが困惑するも
    だんだんと様子が理解されるんだがー
    割とふんわりとした感じでのシェアハウス運営=活動が
    危機に陥る=主人公のせいで
    なんで嘘をつかないようにする・・・
    どうやら嘔吐すると元に戻ると理解されて
    周囲が嘔吐させようとして体力消耗して気が滅入り
    主人公ヒネてしまって・・どうなる大家の襲来撃退はー
    という展開でありますが

    シェアハウス最長老とか
    黒のゴスロリさんとか
    キャラが濃くて楽しめました~♪

    なんとなく四畳半神話体系とかが思い出されたなぁ

    主人公さんワン大学に合格してないのに
    浪人生で周囲大学生ばかりのシェアハウスに入るって
    なかなかの不思議メンタルで
    そこの説明とかは欲しかったがーまぁ
    コメディだしと~流すしかないんじゃろなぁ と
    笑えたから いい~わね(^-^)と星もオマケー
    長老さんも締め方とか雰囲気が良かったわ

    シェアハウスのオーナー娘さんとペアルックの彼氏さん
    浮気はするわ金が目当てのトコあるわ と
    問題だらけながらも周囲が生活守るために
    補足・保護していくらしい感じは
    現代的だったなーと納得できましたー
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    青春ものはどちらかといえば苦手でしたが
    今回の舞台はおもしろかった。

    これって絶対あとで伏線回収されるんだろうな〜
    って思っていたものが、ちゃんと回収されていて良かったです。

    あの悪女役の人がいい味出してた。

    序盤のゴチャゴチャした展開+主人公が同じことを
    繰り返して自分状況を伝えようとする展開を
    もう少し各登場人物に合わせて笑いが起きる内容に
    して欲しかった。メモで伝えることはできないとか
    色々やっていた気はするけど、う〜ん、結局は
    同じ流れをただ繰り返していただけなので
    その部分でマイナス1点にしました。

    中盤以降はそういうマンネリは減って
    見やすかったです。

    ネタバレBOX

    ・合格した大学生と浪人している人がシェアハウスする設定が、強引のような気もしないがちゃんと回収できていた思った。

    ・ゲロが付いているリバーシブル着るだろうか。

    ・好きな女の前で童貞の振りをして
    コンドームの付け方を教えて貰っていたと
    かばう理由ってなんだろう?
    てっきりこの嘘がバレてもう一悶着あるのかと思ったが
    それとは違った事態になって笑えた。

    細かいことを気にしすぎだろうか?
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    何度もリバースして何が本当か分からなくなる
    それぞれの真実をあぶりだしつつ話が進む
    前説からの主人公の表情が良い
    最小限の変化だが照明も印象的だった

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ありそうでなさそうな設定な主役ですが、周りのキャストとの掛け合いが面白かったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    めっちゃ面白かった!リバーシブルってそおいうことかあって。演者の熱さも伝わって。ドタバタしてるのが面白くて。〜laboの公演はいつも当たりです!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    5/28(土)夜の公演を観させてもらいました。今、流行りのシェアハウスでの大学生生活での事件でした。本音とウソがオセロのように変化していく話しについていくのが、やっとでした。まだ三回目の公演ということで、今後の飛躍を目指して欲しいと思いました。
    #平井泰成 #富山華佳 #寺園七海

    面白かったです。有難う。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    脚本・笠浦静花さん & 演出・池田智哉さん は期待通りの面白さだった。

    言葉を裏返すことで見えてくる「本音」と「建前」。人は、本当のことばかり言っているのだろうか。時に他愛(悪気)のない嘘をつくことがあるのではないか。「ホント」と「ウソ」を「本音」と「建前」を使い分けるに置き換えれば、人間の本性そのもの。そして物語の中で、いくつかの ひっくり返る事や物を用い状況が一転する面白さ。

    ただ、自分が観劇する際の癖のような意識が立ちはだかり、スッーと受け入れられなかった。主人公のように自分も天邪鬼的な意識がある。この★評価を信用して、いや 信用しないで自分の目で確かめてほしい。それにしても吉水雪乃さんの通訳的役割は見事、笑えた。
    (上演時間1時間40分 途中休憩なし)22.5.29追記

    ネタバレBOX

    客席はL字型。英字の曲がったところの対角線に舞台。セットは、真ん中にソファ、入り口側の客席近くにオセロ台。空き缶やごみ袋が乱雑に置かれている。前日に飲み会があったという設定だ。ここは都下にある大学に通う学生のシェアハウスの共同スペース(談話室のよう)、登場人物は個性豊かな男女10人。

    主人公は、浪人生・天竜ハジメ(平井泰成サン)で、昨夜の飲み会で嘔吐してから言いたいことの逆の言葉を発してしまう珍奇現象に悩まされる。周りの人々もその真意とは逆の言葉に惑わされ、本当は何を伝えたいのか分からなくなる。このハウスにオーナーの娘もおり様子を見に来ると言い出す。ハジメの真逆の言葉が、オーナーへの心証を害するのではないかと心配するメンバー達の右往左往する慌てぶりをコミカルに描く。

    「真逆の言葉」の意は、オセロ、リバーシブル ジャンパーといった物の表裏で、ひっくり返るを表し、途中から登場する大学4年生の天塩マアコ(寺園七海サン)の化粧の濃い薄い(ナチュラルメイク)といった違いで、そこに或る意図を込める上手さ。本当の自分らしさとは…。ハジメが嘔吐を繰り返すうちに、今の言葉は本当(表)か嘘(裏)なのか分からなくなる。そこに「本音」と「建前」といった人の本性が浮かび上がる。言っているのが、本心なのか逆なのか分からなくなるという可笑しみと怖さが併存し出す。

    表層的には、ハジメ役の平井泰成さんの奇妙な動きや逆の言葉を発した時のリアクションが、物語を面白くしている。そして嘔吐=吐露に通じ、ラストシーンで彼が心に抱えた問題を吐き出させる(謎が氷解)。我慢と自由の間を揺らぐ諦念と解放が言葉になって表われる、実に巧い展開だ。

    ハジメの言葉を真に受けず、逆であることを理解し通訳的な役割を果たすのが、1年生・阿賀野ルナ(吉水雪乃サン)である。自分(他の方も同様と思うが)は、役者が発した言葉(台詞)をそのまま受け、意味合いを解そうとする。例えば映像に日本語字幕(障碍者対応)が表示されても 音声で瞬時に台詞が分かり、ほとんど字幕は読まないのと同じ。ハジメの言葉は逆と分かっていても、いったんは そのまま受け止め、自分の中で(逆)変換する作業が少し煩わしかった。すぐ変換してくれる吉水さんの言葉を待てばいいだけなのに…自分も天邪鬼だなぁ
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2022/05/27 (金) 19:00

    楽しいシチュエーション・コメディ。面白い。(3分押し)98分。
     同じ大学に通う学生のシェアハウスが舞台。その大学を受けて落ちた浪人生が登場し前説を始めるが、様子がオカシイ…。思ったことと反対のことしか言えなくなってしまった男をかかえて、気難しい大家がやってくるのに対応しようとする住人たちのドタバタが、とにかく楽しい。シアター・ミラクルの小屋主の池田が演出するユニットだが、観たのは初めて。やみ・あがりシアターの笠浦が巧妙な脚本を書いて、ちょっとイヤなキャラもいるけど、最後まで緊張感を持って観ていられた。
     小学生の頃から観てる、芝居屋風雷紡の吉水雪乃が大学生の役で二日酔いしている姿とか観ると、自分も歳を撮るわけだなと思う(^_^;)。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    笠浦さん脚本、池田さん演出という強力コンビの作品。天竜くん阿賀野さんの安定感も抜群。

    ネタバレBOX

    ある状況下に陥った天竜くんがもとで始まるドタバタが、そのやりとりの中で会話の裏表のみならず、ミステリアスな領域にまで踏み込んだ内容になるが、今日観た回は(こちらが勝手に抱いてしまった過剰な)期待値を上回る仕上がりとまでは行かず。充分面白かったのだけど、☆5とならなかったのは期待の高さ故と思ってご勘弁を。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     初日を拝見、脚本がやみ・あがりシアターの笠浦静花さん、演出は24/7lavo/feblaboの池田智哉さん。これは素晴らしいコンビネーションだ。華5つ☆ 必見

     約束の追記、手入れ稿をネタバレにアップ。

    ネタバレBOX


     舞台美術も凄い。この空間によくぞこれだけ詰め込んだ。客席はいつも通り。板上にはグリーンのカーペットが敷かれ小屋入口の左、劇場壁の手前側にパネルで仕切った空間を設け、この空間内には階段が設えられている。パネル手前には幅の狭い平台、是に直交するように通常の平台が置かれ、通常の平台上にはテーブル、スツール、ソファ、椅子等が置かれ、小屋入口の客席側には小型丸テーブル上にボードゲーム・オセロが載りテーブルを挟んで対局者用の小型丸椅子、奥の客席前にはやや小ぶりのテーブルの周りに椅子。物語はこの空間で展開するが、某大学の学生が多く寄宿するシェアハウスの共同空間というような設定だ。現在この大学に在籍する者8名、浪人1名が住人であり、住人の内の1名がシェアハウスオーナーの娘、娘は同じ大学の学生と付き合っており普段は同じ部屋で暮らして居る、この事実がこのシェアハウス最大のタブーである。
     ところで問題がある。オーナーは結構、風紀に厳しいことだ。若い男女が同じ建物で暮らしているのだから大人として当然のことではあり、増してその中に実の娘も含まれている訳だから時々様子を窺がいに来たりもする訳だ。
     このような条件下、とんでも無いメンバーが加わった。そのメンバーとは浪人生である。彼は自分の思うことと反対の表現しかできなくなることがあった。当初新入りの彼の不可解な言動の構造も原因も何もかもが分からなかった。そこへオーナーが来るという情報が齎された。新入り歓迎パーティーが前日行われていたこともあり、禁止されている飲酒その他違反事項諸々の他、娘の同棲生活も浪人生の言動によってバレルかも知れない。タダ同然だからこそ、東京で学生生活を送れる学生達は追い出されたら退学を余儀なくされるという危機感も手伝い上を下への大騒ぎ。オーナーの到着は着々と迫る。さて・・・というのが素直に今作を観た場合の展開ということになろう。
     然し、今作ことほどさように単純に非ず。笠浦さんクラスになれば、或はガイ・ドイッチャー辺りを読んでいるのではないか? 読んでいるとすれば、使用言語によって世界の見え方が変容してしまうという現代言語学の提起した極めて興味深いテーマこそ、今作の主眼と見るべきだろう。まして演出は池田さんである。この聡明な作家と負けず劣らず聡明な演出家のタッグが、今作をして実に見事な作品に仕立て上げた! 恐らく殆どの観客がラストを解釈不能と考える、善意に言えば観客に解釈を委ねたと考えるであろう。然し小生の意見は異なる。その根拠、論理的説明は終演後に明かす。小生がそのようなことを考えたヒントは、無論この段落に書いておいた。

    「リバーシブルリバー」追記 手入れ稿
     普通に物語の筋を追ってゆくと決して最終的な解は得られまい。Oui ou non.を決定し得るヒントは文字通りタイトルとボードゲームとして描かれている“オセロ”に先ずは見出すことができる。また最終盤で主人公・ハジメ(苗字天竜は天地の初めの世界に誘う)と通訳・ルナ(苗字が阿賀野なのは赤の他人等も想像させる)2人だけで話すときのルナの台詞「私も実は云々」と主人公同様の傾向を持つことをにおわせるシーン、更に常識的な判断を下すのであれば殆どタダの家賃で都心に暮らせる程の公共性を持たせたシェアハウスを運営する人物が、如何に娘・ユカリの為とはいえそんなにコスッカライ人物であるとも考え難い。厳しい~と先輩達が言い募るのは、新人に対する教育の一環と考えた方が良かろう。
     若い男女の共同宿舎である。住居のオーナーも社会的問題が起きれば矢張り責任追及されることも考えねばならぬのであるから。無論、他にもヒントはある。看護学を専攻する2人の女学生アミナ&カリンはリバーシブルなブルゾンを共有している。このブルゾンの明るい柄にはハジメの吐瀉物の跡がありありと見え、強烈な臭気さえ放っている。これら様々な示唆こそ、今作に埋め込まれたヒントなのであるから、これらのヒントを手掛かりとして今作を解釈すべきだと小生は考えた。即ち結論不明と考えた観客の多くは、今作の仕掛けに見事載せられ、深い霧の夜の遠海や原生林に迷い込んだ人々の如くあれこれ試したものの脱出できないどころか展望を持つことすらできずに迷う。言い方は悪いが迷路の罠に掛かってしまった。
     他方、今作を解釈し得たと感じることのできる解釈に以下のものがある。もうお判りだろう。作品そのものが、シェアハウスオーナーの厳しさという偽情報を根拠に仕組まれていたということだ。ラスト音声だけで表現される住人とオーナーのフレンドリーな状況はこのように解釈することで矛盾の一切ない、あっけらかんとした(底抜けの)逆転劇として担がれたことを知る。見事である! 余談ではあるが、登場人物総ての苗字が河川名に由来している、こんな遊び心も楽しい。
     ところで更に深読みをしたい向きには、以下の側面をも指摘しておこう。この段になって初めて看護学生2人の共有しているブルゾンの片側が暗黒を表す黒系であり、明るい柄には吐瀉物の跡と強烈な悪臭がまとわりついていたこと、而もこの事実は黒系の側しか見せないことによってずっと隠されて来たことの意味を見出すことができるのである。即ち一般に認められている社会規範なるものが実は酷く不可視的であり規範化されていることによって如何に多くの欺瞞や嘘、真実を隠蔽しているか、という事実である。つまり、今作は何をひっくり返したのか? という作品の真の目的と小生が考えるものである。上に挙げたブルゾンの機能が果たして小生の考える通りのものなら、ブルゾンのひっくり返しという韜晦を用い、もっと明瞭に示されたオセロによる全体ひっくり返し及びタイトルによる示唆という化粧迄施された全体ひっくり返しは、現代日本及びその住民に対する真摯な警告、もっと端的に謂えば強烈なアイロニーと解釈すべきである。
     ところで、この小論で小生が述べたことは本当は皆が分かっていることだ。そして自ら隠蔽していることである。

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