髪結う時 公演情報 髪結う時」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    余命1か月よりも過酷

    語弊がありそうで怖いのですが・・・ 

    ネタバレBOX


    無き落としヒューマンドラマが流行りに流行っている昨今、
    正直、チラシを観て興味を惹かれたわけでもないし、「心の栄養」という単語にはむしろ あんまり良いイメージを持ちませんでした。

    冒頭、老夫婦が佇む姿を目の当たりにしても、自分と世代の違うキャストに、ピンときませんでした。

    が、 
    痴呆の妻を、見る、夫の目と表情を観た瞬間、鳥肌が立ちました。 
    すごく失礼なモチベーションで観にいったのですが、一気に惹きこまれました。


    結局は 可哀そうな状況を作り出して涙を誘ってるけれど

    それでも
    綺麗な言葉を並べたてて「世の中にはこんなに可愛そうな人がいるんですよー」っていうの泣き落とし方とは全然質が違うと思いました。 観てる方が、「自分よりこんなに可愛そうな人がいるなんて!明日がくるだけ自分は幸せなんだ!」と感じたら そりゃあ号泣したくなるだろうけど
    この作品は全然アプローチの仕方が違って。多くの人が直面する問題を、お芝居で再現して見苦しくないギリギリの範囲内で表現していると思います。

    本当はもっと、エグイ表現をすることもできたし、
    逆にもっと綺麗な表現でお涙頂戴することもできたと思います。
    これだけの脚本を書いていらっしゃるなら、もっともっと生臭い実情を解っているだろうし、それを忠実に描く方がずっと楽だったと思います。

    それを、ちょうど良い所で納めているから、 苦しくも爽やかな後味でした。

    ハンカチを持ってなくて、大変でした!

  • 満足度★★★

    むむ
    書かれたセリフが硬い。
    音の使い方があざとい。

  • どちらともいえない

    仕事であれ私事であれ、何らかの形で介護に関わっている人にとっては、約1時間半の上演時間は、もしかすれば苦痛以外の何物でもないかも知れない。そう思うと、誰にでも手放しで勧められる作品ではありません。
    たとえば介護の合間に、息抜きや活力を求めて芝居を見るとしたら、この作品は選ばない方が無難かもしれないと思います。

    作家の志や、それに共鳴するような鬼気迫る芝居など、すばらしいところはたくさんあり、こういった作品を見せてもらえたことに感謝もするからこそ、こう書くことは非常にもやもやします。

    チケットプレゼントで観ました。ありがとうございました。

    ネタバレBOX

    音楽で雰囲気を盛り上げるところに、少しテレビドラマっぽさを感じました。
    そこらへんはもっと台詞の力や役者の力を信じていいと思います。
  • 満足度★★

    うーん・・・
    こういったテーマの舞台は

    おそらく苦手・・・というか好きになれないので
    今回は全く個人的な理由ですが・・・


    若年性アルツハイマーが
    進んでいってからは

    すこしお話に入り込めたんですが・・・

    ダメでした・・・

  • 満足度★★★★★

    号泣!
    家族。
    暖かい家庭を作った人間は死ぬときもそのように送り出してもらえるのだと、つくづく思う。家庭らしきものを作らなかった人間が、最後だけそうゆうものを望むのは身勝手なのかも知れない。

    家族とは・・。今回ほど家族の存在を見直した事はなかったのではないだろうか?ひじょうに素敵な、そして素晴らしい物語でした。

    脚本の素晴らしさを後押しするかのようなキャストの演技力!どれ一つ不満の無い完璧な舞台でした。
    この舞台、是非に沢山の方に観てもらいたい物語です。
    結婚したくなるよ~、きっと!(^0^)

    ネタバレBOX

    舞台は車椅子に座った幸子と幸子のひざに乗せたアルバムをめくる恵介の老いた夫婦の描写から始まります。
    暗転、舞台上は幸子(お母さん)の若かりし頃、ちっさな美咲と恵介(幸子の夫)の仲睦まじい家族の風景に変わり、同時に同じ舞台上(右側)で後期の美咲が結婚する情景をも映します。物語は二つの時代、前期と後期をリンクしながら同時進行する。
    後期では幸子が若年性アルツハイマーにかかり、その病が少しずつ、進行して日に日に記憶をも失ってしまう。
    幸子(お母さん)を支える家族。家族の深い愛情と幸子の「家族に迷惑をかけたくない。」という思いが、絡まって、絡まって、絡まって・・・ズシン!と胸に響きます。そのズシン!は尖ったものではなく、温かな甘水のごとく穏やかに心に沁み込んで、涙の滴になります。そして、泣く。泣く。泣ける。

    やがて、前期の穏やかで暖かな家族の風景は幸子の記憶の断片だと気付く。記憶を失いつつある幸子は記憶の中の断片と現在の自分と戦いながらも、不安な気持ち、家族に申し訳ない気持ち、家族に嫌われたくない気持ち、それらの複雑な感情に押しつぶされてしまい、家族に対して暴言を吐いたり、暴れたりしてしまう。

    幸子の、自分自身の身の置き所そのものが解らなくなって、表情そのものが変わっていく痴呆の演技力は迫真です。お見事!
    クライマックスは涙が溢れ出て止まりません。

    舞台は前期の幸子が幼い美咲の髪を結うシーンと、後期の大人の美咲がおかあさんの髪を結うシーンが重なって、その情景がなんとも美しいのです。

    終盤、お父さんがお母さんの車椅子を押しながら、雲を眺める風景はそれだけで絵になりますが、お母さんが雲を傘と連想し、その連想の傘を受け取るお父さんの仕草と表情がいい。
    「お父さん、ありがとう。」そう言った幸子と幸子を見守る老夫婦の関係にやはり、涙します。

    物語は単に前期と後期に別れてリンクしているだけかと思いきや、そうではない。過去の家族の景色が幸子の思い出の中の描写と解る時点で、なんと繊細で深い思考なのかと作家の大西弘記の頭脳を想像して、その力量に驚いてしまう。最初に仕掛けた伏線も終盤できっちりはめ込み、観ていてすっきりと収まる。
    この作品を支えるキャストの演技力にも脱帽し、更に子役の演技力が完璧で文句の付けようもない。(^0^)
    介護。私たちには避けられない問題なのだ。
    改めて家族を見直せる物語。
    大絶賛!

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