髪結う時 公演情報 TOKYOハンバーグ「髪結う時」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    号泣!
    家族。
    暖かい家庭を作った人間は死ぬときもそのように送り出してもらえるのだと、つくづく思う。家庭らしきものを作らなかった人間が、最後だけそうゆうものを望むのは身勝手なのかも知れない。

    家族とは・・。今回ほど家族の存在を見直した事はなかったのではないだろうか?ひじょうに素敵な、そして素晴らしい物語でした。

    脚本の素晴らしさを後押しするかのようなキャストの演技力!どれ一つ不満の無い完璧な舞台でした。
    この舞台、是非に沢山の方に観てもらいたい物語です。
    結婚したくなるよ~、きっと!(^0^)

    ネタバレBOX

    舞台は車椅子に座った幸子と幸子のひざに乗せたアルバムをめくる恵介の老いた夫婦の描写から始まります。
    暗転、舞台上は幸子(お母さん)の若かりし頃、ちっさな美咲と恵介(幸子の夫)の仲睦まじい家族の風景に変わり、同時に同じ舞台上(右側)で後期の美咲が結婚する情景をも映します。物語は二つの時代、前期と後期をリンクしながら同時進行する。
    後期では幸子が若年性アルツハイマーにかかり、その病が少しずつ、進行して日に日に記憶をも失ってしまう。
    幸子(お母さん)を支える家族。家族の深い愛情と幸子の「家族に迷惑をかけたくない。」という思いが、絡まって、絡まって、絡まって・・・ズシン!と胸に響きます。そのズシン!は尖ったものではなく、温かな甘水のごとく穏やかに心に沁み込んで、涙の滴になります。そして、泣く。泣く。泣ける。

    やがて、前期の穏やかで暖かな家族の風景は幸子の記憶の断片だと気付く。記憶を失いつつある幸子は記憶の中の断片と現在の自分と戦いながらも、不安な気持ち、家族に申し訳ない気持ち、家族に嫌われたくない気持ち、それらの複雑な感情に押しつぶされてしまい、家族に対して暴言を吐いたり、暴れたりしてしまう。

    幸子の、自分自身の身の置き所そのものが解らなくなって、表情そのものが変わっていく痴呆の演技力は迫真です。お見事!
    クライマックスは涙が溢れ出て止まりません。

    舞台は前期の幸子が幼い美咲の髪を結うシーンと、後期の大人の美咲がおかあさんの髪を結うシーンが重なって、その情景がなんとも美しいのです。

    終盤、お父さんがお母さんの車椅子を押しながら、雲を眺める風景はそれだけで絵になりますが、お母さんが雲を傘と連想し、その連想の傘を受け取るお父さんの仕草と表情がいい。
    「お父さん、ありがとう。」そう言った幸子と幸子を見守る老夫婦の関係にやはり、涙します。

    物語は単に前期と後期に別れてリンクしているだけかと思いきや、そうではない。過去の家族の景色が幸子の思い出の中の描写と解る時点で、なんと繊細で深い思考なのかと作家の大西弘記の頭脳を想像して、その力量に驚いてしまう。最初に仕掛けた伏線も終盤できっちりはめ込み、観ていてすっきりと収まる。
    この作品を支えるキャストの演技力にも脱帽し、更に子役の演技力が完璧で文句の付けようもない。(^0^)
    介護。私たちには避けられない問題なのだ。
    改めて家族を見直せる物語。
    大絶賛!

    4

    2009/06/10 19:02

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  • CarRy>
    お久しぶりです!(^0^)
    とても素敵な芝居だったでしょう?温かくて。

    はい。結婚したいですね。自分が大事と思う人に巡り合うことが出来るのはわずかな者だけだけれど、だとすれば、会える喜びのほうが大切ですし、喜びも悲しみも一人より二人で共有したいと思っていますよ。

    つきつめるならば、命とは出会いではないだろうか、という気がします。ひとは生まれているからこそ、何者かと出会うのかと。
    逃げないで出会いを大切にしたいと思います。

    2009/06/14 11:47

    ああっ!(・・;)
    おーじ、ごめん!コメント欄が3つ以上表示出来ない設定だから、気が付かなかった!
    やっぱ、もっと容量を増やしてもらわないと駄目だねっ。管理人には伝えてあるのよ、ずっと前から。「考えます。」という返事だけで、まったくそのつもりは無いようだけれど。駄目だねー。

    次回からコメント返し、し忘れた場合はなんなりとお申し出てくださいね。

    涙で霞んでも、きっとこういう作品こそ、観るべきだと思うのよ。
    だって、誰にでもありうる事でしょう?
    きちんと向き合う前にこんな状況もあるんだと観ておくだけでも、新たな感情が生まれて、いざ向き合うときには、真正面から向き合える・・。

    2009/06/14 11:36

    突然のコメント 失礼いたします。

    みささんのコメントを拝見して観ることにしたのですが

    書いていらっしゃった通り本当に感動的な作品で、観て良かったです!
    結婚したくなりますね・・・一生おひとりさま人生は寂しいですね。
    と、思ったから急にどうなるものではないのですが(笑)



    2009/06/14 01:29

    う~ん・・、とても素晴らしい作品ですね・・。
    構成やそれぞれの題材のスポットの当て方が、何とも上手いなぁと思います。


    でも、正直なことを言えば、自分で観るには少し苦手な分野かも・・。
    多分途中から正視できないかも知れません・・、涙で霞んで・・。

    時々ホロリとさせられる、笑いの中にも涙あり、この程度だといいんですけど、この作品のレベルですと、多分相当ヤラれそうです・・。


    いずれはきちんと向き合わないといけない時も、あるかも知れないんでしょうけどね・・。
    ちょっと考えさせられました・・。



    2009/06/11 21:28

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